大学生でITエンジニアになりたい人は、Pythonについて注目しているのではないでしょうか。本記事では、Pythonの特徴や使用される分野、具体的な勉強の仕方について解説しています。Pythonを使ったエンジニアを目指す人はぜひ読んでください。
「Pythonをどのように習得するのか?」
「Pythonはどの分野で使用されているのか?」
このように、具体的にイメージできないこともあるでしょう。Pythonは、AI開発やデータ解析などで注目されているプログラミング言語です。
そこで本記事では、Pythonを使えると就職に有利になるのかということを中心に解説しています。その中で、Pythonの特徴やPythonエンジニアに向いている人、就職できる職種、学習法も併せて解説しています。
本記事を読むことで、Pythonがどのような点で将来性があるのか、また興味がある人がどのようにして学習すればよいのかが理解できるでしょう。
Pythonについて興味がある人やPythonを使う職種を目指している人は、ぜひ読んでみてください。
Pythonが使えると就職に有利になる?
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近年注目されているプログラミング言語と言えば、Pythonではないでしょうか。エンジニアへの就職を目指す場合は、新卒採用であっても何かしらのプログラミング言語を習得した方が良いでしょう。
ここでは、Pythonが使えると就職に有利になるのか、4つのポイントにわけて紹介していきます。
高いスキルを持つPythonエンジニアが不足している
Pythonの需要は、AI分野やデータ解析分野などで高まってきているにもかかわらず、肝心のエンジニアが不足しています。日本でもPythonの需要が高まっていますが、人材が追い付いていない状況です。
いろいろな開発で使用されるPythonを今のうちに習得することで、中長期にわたって安定したキャリアを築くことができるでしょう。
先端技術でPythonが多く使われている
Pythonは先端技術で使われているため、非常に注目されているプログラミング言語です。具体的には、AI(人工知能)やビッグデータ解析、仮想通貨、IoT、自動運転システムなどに使用されています。
先端技術に携わりたいと思っている人は、Pythonを習得することで仕事の幅が広がるチャンスが出てくるでしょう。
様々な利用用途がある
Pythonには、様々な利用用途があることが特徴的です。Pythonを習得していれば、活躍できる場面が広がると言えるでしょう。
代表的なものとして、AI(機械学習・ディープラーニング)やWebサイトの構築、Webデータの自動収集、データ処理・解析があります。その他には、ゲーム制作やブロックチェーン開発などにも用いられています。
キャリアアップによって社内外から高評価を得られやすい
Pythonは、今や習得したいプログラミング言語の1つに数えられるくらいに注目されています。また、先端技術で多用されていることから、そういった分野で経験を積むことで、社内外から評価を得られやすいでしょう。
高いスキルを持つPythonエンジニアが少ないことから、社内でも重宝され、社外でも欲しい人材だと評価されるでしょう。
Pythonを使うエンジニアの仕事の流れ
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Pythonを使うエンジニアは、どのような形で仕事を行っているのでしょうか。大学生は、実際にエンジニアとして働いたことがないため、具体的な仕事の流れが想像しにくいところがあるでしょう。
ここでは、Pythonを使うエンジニアの仕事の流れを4つにわけて解説していきます。
基本設計及び詳細設計
あらかじめ決められた要件を満たすために、システムをどのようにして開発するのかを考えることが、設計に当たります。
設計には基本設計と詳細設計に分かれており、前者は外側から見た時のシステムの概略を決めるのに対して、後者は前者で決めた設計に基づいて、どのようにしてプログラムを実装するのかを決めます。
Pythonでコーディングを行うことが決まっている場合は、Pythonで実装することを考慮して、詳細設計を行う必要があるでしょう。
コーディング作業
コーディング作業とは、実際にPythonの文法規則に基づいて、コーディングを行うことです。設計書に書いてある仕様を満たしながら実装していきます。
Pythonは文法がシンプルで分かりやすいため、短い行数で高品質なプログラムが実装できるでしょう。
テスト作業
コーディング作業の後のテスト作業とは、実装したものが設計書に書かれている機能を満たしているか、意図しないバグが発生していないかなどを確認する作業です。
テスト作業で機能を満たしていなかったり、バグが発生したりする場合は、それを修正して再度テストを行います。このような作業を通して、ソフトウェアの品質を上げていきます。
Pythonが持つ特徴
様々なプログラミング言語がある中で、Pythonが注目される理由の1つとして、エンジニアにとって使い勝手が良いことが挙げられます。
ここでは、Pythonが持つ特徴について6つ紹介していきます。
- 理解しやすく学びやすい
- データの処理や分析に優れる
- データの自動収集もできる
- AIを開発できる
- Webサービスの開発ができる
- 便利なライブラリが多い
理解しやすく学びやすい
プログラミング初心者は、プログラミング言語を覚えるのがとても難しいと感じることがあるでしょう。
そのような中でも、Pythonはシンプルさを追求したプログラミング言語であるため、誰にとってもコードが書きやすく読みやすいのが利点です。この利点から、初心者が初めて学ぶプログラミング言語として適していると言えるでしょう。
データの処理や分析に優れる
従来この分野では、R言語を使用するケースが多い傾向にありました。しかし、ライブラリの豊富さやコンパイルが不要なため、Pythonを使用する人も増えてきています。
データ分析やデータ解析を行う場合は、実行結果を見てコードを修正することがあるため、コンパイルが要らないPythonの方が、使い勝手が良いでしょう。
データの自動収集もできる
Pythonを使うことで、業務に必要な情報やデータを自動収集することが可能です。データを自動収集することをスクレイピングと呼び、Pythonはスクレイピングを容易にするライブラリが揃っています。
Web情報をスクレイピングするためには、PythonとWebの知識が必要ですが、自分で使いやすいシステムにカスタマイズすることができます。ただし、下手にスクレイピングすると、収集元のWebサーバに負担をかけることになるため、注意しましょう。
AIを開発できる
Pythonが注目されるきっかけになったのが、AIです。AI開発を下支えしている技術が機械学習やディープラーニングで、これらの分野で開発しやすいライブラリやフレームワークが豊富にあることから、Pythonが使用されています。
AIの応用分野として、生体認証や音声認識、自動運転などがあり、これらの分野においてもPythonが使用されています。
Webサービスの開発ができる
Pythonと言えば、AIやデータ解析のイメージが強いでしょう。しかし、Webサービスの開発も可能で、YouTubeやDropboxなどのWebサービスにおいて使用実績があります。
日本では、Webサービスの開発においてPHPやRubyを使用するケースが多い傾向ですが、近年では、PythonでWebサービスを開発するためのフレームワークやライブラリが出てきているため、Pythonで開発するケースが増えてきています。
便利なライブラリが多い
ライブラリとは、アプリを開発するために便利な機能を集めたものです。Pythonは、便利なライブラリが揃っているため、難しい機能を比較的簡単に実装できる点が強みです。
ライブラリは標準ライブラリと呼ばれるもののほかに、インストールして使えるサードパーティ製のライブラリが存在します。サードパーティ製のライブラリは、分野に特化した機能を備えているものです。
このように、使い勝手の良いライブラリが揃っているため、Pythonは国内外で使われています。
Pythonを習得して就職できる職種
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Pythonを習得した後に就職できる職種が気になる人もいるのではないでしょうか。就職できる主な職種は、4つあります。これらの4つの職種について詳しく見ていきましょう。
データサイエンス系の職業
データサイエンス系の職業の代表が、データサイエンティストです。データサイエンティストとは、収集したビッグデータを解析し、ビジネスにつなげるための情報を引き出す職業で、データ処理やデータ解析にPythonを使用します。
データサイエンティストになるために、Pythonを習得するだけでなく、データ分析やデータ解析のベースとなる統計学、ビジネスの知識も身につけておくと良いでしょう。
Webサービス系の職業
PythonはWebサービスの開発でも使用されるため、Webエンジニアとして働きたい人にも勧められる言語です。実際にWebサービスを提供している企業へ就職したい場合は、Pythonを習得しておくと良いでしょう。
ただし、そういう企業では、プログラミングができることが前提であるケースが多くなっています。Webエンジニアとして就職を果たしたい場合は、PythonでWebサービスが実装できるレベルまで習得しておきましょう。
AIの研究職
AIエンジニアは、人工知能(AI)の開発を行うエンジニアです。AIは様々な分野で応用されているため、AIエンジニアは将来性があると言われています。
AIの分野では、Pythonを使うことが多くなっているため、AIエンジニアになりたいと思う方は、Pythonを習得しておくと有利になるでしょう。
広告・マーケティング職
広告・マーケティング職では、マーケティングに役立てるために、ビッグデータからデータの抽出や分析、可視化を行っています。そのため、Pythonのスクレイピングやデータ解析のライブラリが役に立つでしょう。
ただし、広告・マーケティング職でも、Pythonを使っていない企業があるため、注意してください。
Pythonを使ったエンジニアへの就職が向いている人
大学生のうちから、何かしらのプログラミング言語を習得したいと思っていても、何のプログラミング言語が向いているのか分からない人もいるでしょう。
ここでは、プログラミング言語の中でPythonを使ったエンジニアへの就職が向いている2つのタイプを紹介していきます。
作業を簡略化することに関心がある人
Pythonは様々な作業の自動化に向いているため、面倒な作業を自動化することで、やりたい仕事に集中できるでしょう。
そのためプログラムを用いて、面倒な作業を簡略化することに関心がある人は、Pythonを習得してみると良いでしょう。
AIやデータサイエンス分野に関心がある人
Pythonを取り扱う上で必要になってくるのが、AIやデータサイエンスなどの知識です。
そのため、AIやデータサイエンス分野に関心がある人も向いていると言えるでしょう。ちなみに、近年はPythonがスタンダードになっているため、就職を希望する場合は、あらかじめPythonを習得しておいた方がスムーズに仕事ができるでしょう。
就職へ向けてPythonを学習する方法
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就職に有利ということで、Pythonを学習したいと思っている人もいるでしょう。Pythonはコードをシンプルに記述できるため、初心者でも学びやすい言語です。
ここでは、初心者を対象にPythonを学習する方法を4つ紹介します。紹介した内容を参考にして、習得に励んでください。
独学に適した本を活用する
Pythonの習得を目指す場合、独学に適した本を購入して取り組む方法があります。書店に行くと、Pythonを扱っている本が多数あります。その中で、自分のレベルに合った本を選ぶようにしてください。
本を使った独学の場合は、自分のペースでやれることがメリットです。しかし、分からないことがあった時に、自分で解決しなければいけないデメリットがあります。
初心者の場合は、図表やイラストがあるものやサンプルコードがついているものを選ぶようにすると良いでしょう。
サンプルプログラムに触れてみる
プログラミング言語であるPythonを習得するためには、いろいろなサンプルプログラムを動かしてみることが欠かせません。
サンプルプログラムを動かすためには、パソコン上でPythonの実行環境をインストールする必要があります。実行環境はWindowsでもMacでも無料でインストール可能です。
また、サンプルプログラムはネット上にたくさんあるため、それを実際に動かしてみることで、少しずつPythonのことが理解できるでしょう。
ライブラリを活用する
Pythonには、様々なアプリを簡単に作るためのライブラリがたくさんあります。Pythonの基本文法や構文を勉強した後に、実際にライブラリを使って何らかのアプリを作ってみると良いでしょう。アプリを作る過程で、ライブラリの活用法などが分かってきます。
例えば、Webスクレイピングを行いたい場合はScrapy、ゲーム開発を行いたい場合はPyGame、データ解析を行いたい場合はNumPyというライブラリを使うことで、目的とするアプリを開発できます。
プログラミングスクールを活用する
プログラミングを学んで就職につなげたい場合、お金はかかりますがプログラミングスクールを活用した方が良いでしょう。Pythonはプログラミング言語の中でも注目されているため、プログラミングスクールのPythonコースを設置しているところが多くあるでしょう。
プログラミングスクールで学ぶことで、分からないところをすぐさま解決でき、挫折することなく取り組めます。モチベーションをキープしながらプログラミング学習ができるのが、スクールの利点です。
Pythonを使った職種への就職を目指そう
以上見てきたように、PythonはAI開発やデータ解析、Webサービス開発などで使用されることが多いプログラミング言語です。将来的にこれらの分野に進みたい場合は、学生のうちからPythonを習得しておくようにしましょう。
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