Pythonエンジニアに将来性はあると言えるのでしょうか。本記事では、Pythonを用いてできることの例やPythonの長所や短所、Pythonエンジニアの今後の将来性などをご紹介します。Pythonエンジニアに興味のある人は、ぜひ参考にしてみてください。
「Pythonではどんなことができる?」
「Pythonエンジニアには将来性があるの?」
「PythonとRubyではどちらが将来性があると言える?」
このように、これからPythonを学んでみたいと考えているエンジニアもいるのではないでしょうか。
本記事では、Pythonを用いてできることの例やPythonの長所などを紹介していきます。この記事を読むことで、Pythonを学ぶことでどのようなことができるのかが把握できるでしょう。
また、Pythonエンジニアの今後の将来性についても解説しているため、将来性について興味がある人も参考になるでしょう。
Pythonエンジニアの今後の将来性についてくわしく知りたい人は、ぜひこの記事をチェックしてみてください。
Pythonとはどのような言語?
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Pythonは、機械学習やディープラーニングなどの分野に強みを持つプログラミング言語です。近年、AI開発で注目されている言語で、他にもWebアプリケーション開発や業務システム開発などさまざまな分野で活用されています。
また、Pythonはソースコードもシンプルという特徴があるため、書きやすく読みやすい言語です。そのため、初心者でも習得しやすい言語だと言えるでしょう。
Pythonのルーツ
Pythonが初めて世間に登場したのは1990年代初頭と言われています。その後、現在のPythonの基本的な概念やオブジェクト指向などを持ったPython 1.0がリリースされました。
Pythonの名前が有名になったのは、Python 2がリリースされてからでしょう。このバージョンを利用してGoogleやInstagramなどが開発されたため、Pythonの知名度が高くなったと言われています。
Pythonを用いてできることの例
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Pythonは汎用性の高いプログラミング言語であるため、さまざまなことができると言われています。Pythonを習得すれば、AI開発やデータ分析だけでなくWebアプリケーション開発やブロックチェーン開発なども可能になるでしょう。
ここでは、Pythonを用いてできることの例を紹介していくため、参考にしてみてください。
データの分析
Pythonにはデータ分析に活用できるさまざまなライブラリがあるため、データ分析やデータ処理などに活用できるでしょう。
分析を行うためには数値計算も必要になりますが、Pythonの「NumPy」や「Pandas」、「Matplotlib」や「SciPy」などのライブラリを利用すれば数値計算が簡単にできます。
Pythonを利用すればこれまで手作業で行っていたデータ分析も高速で行えるようになるため、データ分析の作業効率を向上できるでしょう。
機械学習に関する仕事
Pythonを利用すれば、機械学習に関連した仕事にも対応できるでしょう。Pythonにはさまざまなライブラリが用意されており、その中には機械学習に活用できるフレームワークやライブラリもあります。
たとえば、数値計算に特化している「NumPy」や「Pandas」などを利用すれば、一から仕組みを開発しなくても機械学習が行えるようになるでしょう。
Webアプリの開発
Pythonを利用すればWebアプリの開発も簡単に行えるでしょう。Webアプリ開発に用いられる言語としてはPHPなどが有名ですが、Webアプリ開発に用いられている言語としてはPythonの割合が大きいと言われています。
実際にPythonで開発された有名なWebアプリも多く、Pythonは規模の大きなWebアプリ開発にも利用できるため、YouTubeやInstagram、Dropboxなどの開発にもPythonが用いられたとされています。
AIに関する開発
前述したように、Pythonは機械学習に強みを持つため、機械学習を利用したAI関連の開発も実現できるでしょう。また、PythonにはAI開発専用のライブラリも存在しています。
そのため、機械学習やAI開発に特化したライブラリやフレームワークを利用すれば、一からコードを書いて開発を行う必要がありません。Pythonを利用することにより、別の言語を使って開発を行うよりも効率的にAI開発が行えるでしょう。
ブロックチェーンの開発
Pythonはブロックチェーンの開発も行えます。ブロックチェーンとは、取引履歴のデータをブロックと呼ばれる単位にして、過去からチェーンのようにつなげて正確にデータを維持するという仮想通貨などに用いられている技術のことです。
Pythonのコードは文法がシンプルであるため、ブロックチェーンのような技術開発のハードルを下げることができるため、このような技術開発にも用いられています。
Pythonの長所
コードがシンプルで初心者でも学びやすく、豊富なフレームワークやライブラリがあるといった特徴は、Pythonがさまざまな分野で開発に用いられている理由と言えるでしょう。
ここでは、そのようなPythonの長所について解説していきます。
初心者でもスキルを習得しやすい
Pythonはコードの文法がシンプルで、読みやすく書きやすいプログラミング言語と言われているため、初心者でもスキルを習得しやすいでしょう。
Pythonであれば誰が書いても分かりやすいコードになるため、開発者とは違う人が読んでもコードを解読しやすい傾向があります。また、開発環境も簡単に準備することができるため、初心者でも学びやすいでしょう。
フレームワークやライブラリの種類が多い
ライブラリとは、汎用的に利用できるプログラムをまとめたもので、フレームワークはアプリケーションやシステムの土台となるものです。
Pythonには実用的なライブラリやフレームワークが充実しているため、一からコードを書いて開発を行う必要がありません。そのため、Pythonを利用することでスピーディな開発が実現できるでしょう。
ライブラリやフレームワークの種類が豊富という点もPythonの長所と言えるでしょう。
シンプルなコードで使いやすい
Pythonは他のプログラミング言語よりもシンプルなコードになっているため、誰が記述してもコードの読み書きがしやすいでしょう。
また、コードを解読することも容易であるため、他のプログラマーが書いたコードを編集する場合でもバグを発生させにくいです。
このようなことから、シンプルなコードで使いやすいという点もPythonの長所と言えます。
エラーやミスのある個所を見つけやすい
プログラミング言語は、コンパイラ言語とインタプリタ言語の2種類に分けることができます。インタプリタ言語はコードを一行ずつ翻訳していくという特徴があるため、エラーが発生すればそこでプログラムが停止するようになっています。
Pythonはインタプリタ言語であるため、エラーのある個所を見つけやすく、エラーの解読にも時間はかからないでしょう。
開発環境を整えるのが簡単
プログラミング言語の中には環境構築の時点でつまづいてしまうようなものもありますが、PythonはどのOSでも動かすことができるため、開発環境も準備しやすい傾向にあります。
このように、開発環境を簡単に整えられるという点も長所と言えるでしょう。
Pythonの短所
Pythonにはさまざまな長所がありますが、一方で短所もあります。そのため、Pythonを習得する場合は長所だけでなく短所についても把握しておく必要があるでしょう。
ここでは、Pythonの短所を紹介していくため、参考にしてみてください。
他の言語と比べて日本語の情報が多くない
近年、Pythonは人気の傾向にあるプログラミング言語であるため、注目度が上がってきていますが、実際に日本で開発にPythonが用いられるようになったのは最近だと言われています。
そのため、Javaなどの他の言語と比較すると日本語の情報は少ない傾向にあり、わからないことがあった場合、Pythonは調べにくい可能性があります。
処理に時間がかかる
Pythonはインタプリタ言語であるため、処理に時間がかかるという短所があります。また、Pythonは動的型付け言語でもあることから、インタプリタ言語の中でも処理速度が遅いと言われています。
そのため、Pythonは実行速度が求められるゲーム開発や大規模な基幹システム開発には適していないでしょう。さまざまな分野で汎用的に用いられている言語ではありますが、処理に時間がかかるという欠点は押さえておきましょう。
インデントに慣れる必要がある
Pythonはインデントによってコードのブロックを一つの処理と認識するため、インデントが必須です。
インデントがなかったり場所がずれていたりすると、エラーが発生します。そのため、Pythonでプログラミングを行う場合はインデントに慣れる必要があるでしょう。
Pythonのスキルを習得する方法
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Pythonを学ぶ方法としては、プログラミングスクールや学習サイト、書籍を利用する方法などがあります。
また、初心者でも比較的簡単に習得できる言語とされているため、書籍や学習サイトを使った独学でも習得することができるでしょう。ただし、独学の場合、わからないことがあったときに挫折してしまうリスクがある点には注意が必要です。
Pythonエンジニアはどのような仕事か?
PythonエンジニアはPythonを使ったAI開発や機械学習、Webアプリケーション開発などを行うエンジニアです。設計や開発などのシステム開発の分野で活躍するPythonエンジニアもいれば、データ分析などの研究分野で活躍するPythonエンジニアもいます。
また、データ分析のためのアルゴリズム設計もPythonエンジニアの仕事の一つです。
Pythonエンジニアの今後の将来性
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Pythonエンジニアは、AI開発の分野で需要がある点や、近年ではEC業界でも必要とされているといった点から、今後も将来性がある職業だと言えるでしょう。
ここでは、Pythonエンジニアの今後の将来性について解説していくため、参考にしてみてはいかがでしょうか。
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コードの可読性が高く需要が増えている
Pythonはコードがシンプルで、記述する際にはインデントを揃えるルールもあるため、誰が書いても同じようなコードになる傾向があります。
コードの可読性が高いことから、企業が開発に採用する言語としてもPythonはメリットの多い言語と言えるでしょう。
AI開発分野で必要とされている
AI開発は現在注目されている分野の技術であり、今後も飛躍が期待されています。そのため、AI開発で需要の高いPythonの将来性もあると言えるでしょう。
PythonのライバルとされているJavaやRubyなどは、AI開発の分野ではあまり用いられることがないことも、Pythonの優位性が高いことの証明になっています。
求人数が増えてきている
一昔前に比べて開発現場でのPythonの採用率も上がってきており、多くの開発現場で需要が増していると言われています。
Pythonの求人数も増加傾向にあることから、将来性があると言えるでしょう。
平均年収が高め
Pythonは他のプログラミング言語と比較してエンジニアの平均年収が高い傾向があります。
プログラミング言語別の年収でも比較的高いことから、Pythonはそれだけ需要が高い言語だと言えるでしょう。
現在伸びているEC業界でも必要とされている
近年、新型コロナウィルス感染症の影響により、ECサイトを利用するユーザーが増えてきました。そのため、今後EC業界も伸びていくことが予想されていますが、Webアプリ開発でも採用率の高いPythonはEC業界でも需要があると言えるでしょう。
JavaとRubyの将来性の比較
Javaも汎用性が高く、あらゆる分野での需要も高い言語と言われています。Pythonと同様にGoogleが開発に使用している言語で、特に大規模開発では必須となる言語でしょう。
一方で、RubyはWebサービス開発に特化しており、特にベンチャー企業などでの需要が高い言語です。JavaとRubyはそれぞれ用いられる分野が異なりますが、どちらも将来性がある言語でしょう。
RubyとPythonの将来性の比較
RubyはPythonに近い特徴を持っており、コードの可読性が高いため初心者でも習得しやすい言語です。しかし、PythonのようにAI開発や機械学習など新しい分野ではほとんど用いられていません。
RubyとPythonはそれぞれ異なる領域で用いられていることから、今後はどちらも一定の将来性が期待できるでしょう。ただし、より飛躍が期待されているAI開発の分野ではPythonの方が将来性があると言えます。
将来性のあるPythonのスキルを身につけよう
Pythonエンジニアには高い将来性があると言えるでしょう。本記事で紹介したPythonでできることやPythonの今後の将来性などを参考に、Pythonのスキルを身につけてPythonエンジニアを目指してみてはいかがでしょうか。

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