研究職に就きたいならチェック!技術面接で聞かれる質問例&回答例

技術系の研究職に就きたい場合、技術面接がよく行われます。専攻している研究内容について深く聞かれる面接で、技術部門の管理者や想定配属先の上司などが同席する場合もあります。技術面接で聞かれる質問例と、回答の仕方を紹介します。

技術面接で面接官がチェックしているポイント

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研究職(R&D)に求めているスキルは、技術力、コミュニケーション能力、問題解決能力の3つに大別されます。それぞれのスキルと、学生に求められる素質を見ていきましょう。

■技術力
まずはプログラミング言語や実技経験など、仕事で即戦力となるスキルですが、さらに、未経験の技術や知らない分野のことも積極的に身につけたいという学習意欲があるかどうかが見られます。

■コミュニケーション能力
研究職は技術者の中でも最上流工程となるため、社会人としての基本的なビジネスマナーはもちろん、プレゼンテーション能力が重視されます。セミナーで顧客に話したり、社内で経営陣へのプレゼンをしたりするための適性がチェックされます。親しみやすい話し方ができるか、専門家以外の人や、お客様にも分かる言葉で話すことができるかがポイントとなります。

■問題解決能力
日本の企業は、結果よりも途中のプロセスを重視する傾向があります。特に、これまでのやり方に固執せず柔軟な発想ができるかどうかや、組織のメンバーの力をうまく借りたり、他のメンバーに協力できたりするチームワークが見られます。これまでの学生生活での具体的なエピソードが、評価の対象となります。

皆さん自身の研究についてさまざまな角度から質問をするというスタイルが取られますが、企業が必ずしも、皆さんの今の研究を採用するとは限りません。研究の話を通して、見られているのは皆さんがその会社に向いているかどうかの適性です。根本的には、技術面接であっても、一般の面接と同様、志望動機や自己PR、やりたい仕事などについて話すことには変わりないと認識しておきましょう。

面接質問例1:「あなたがした研究について説明してください」

質問の意図:
この質問は、皆さんが技術面で持っている基本スキルの確認と、社会人にふさわしい振る舞い、特にチームワークが良いかどうかを見るためのものです。

回答をするにあたっての考え方:
「研究について」と質問されたとしても、学生生活全般を振り返って答えるのが良いでしょう。エントリーシートや、先の面接ですでに答えていたとしても、改めてアピールするのが有効です。

回答例:
1. 私は○○大学○○学部○○学科で、~を専攻しております。~という分野を専門に研究いたしました。
まだ自己紹介するよう言われていなければ、冒頭は学部・学科紹介から始めましょう。専門分野については、ここで一気に詳しく言いすぎずに一言(息継ぎをしないで言える長さ)に抑えましょう。
2. この研究をしようと思った動機は~です。
技術者・研究者を志す人の中には「小さい頃からの夢だった」という人がたくさんいます。ただし、会社の志望動機が「小さい頃から」では面接官に幼い印象を与えてしまいます。学部・学科や研究室を選択した動機として、純粋にこの研究が好きだという熱意を伝えれば、うまく行くはずです。
3. 1、2年生の頃は基礎として○○(プログラミング言語など)を学習し、~のような成果物を完成させました。
企業は即戦力を求める傾向があるため、やはりプログラミング言語や実技に取り組み、すでに技術を習得している人は高く評価されます。ただし、「授業の課題を出しただけで大した経験はない」などと受け身な話し方をすると、学習意欲が低い人と判断されてしまいます。「○○ができるアプリを作った」など、成果は自信を持ってアピールしましょう。
4. 現在は○○の実験などを行っています。実験はチームで行っており、私は主に○○を担当しています。チームに貢献できるよう~に特に気をつけております。
回答では組織の中で研究・開発ができることをアピールするために、チームで行った実験やプロジェクトに焦点を当てましょう。自分はチームでどんな役割を担っていたか、必ずしもリーダーである必要はありませんので、チームの中で自分の力をどのように生かし、どのように役立っていたのかを必ず盛り込むようにしましょう。

面接質問例2:「研究でのオリジナリティはなんですか?」

質問の意図:
これは、皆さんのプレゼンテーション能力を見るための質問です。研究内容自体の優劣をつけるわけではないことを理解しておきましょう。

回答をするにあたっての考え方:
面接に同席する方々の中には、人事部など、専門的な研究には携わっていない方もいます。皆さんの研究のことをまったく知らない人にも伝わるように話すことを心がけましょう。

回答例:
1. 私の研究室は○○と言い、~をテーマにした研究を行っています。
早い時期に面接を受けに行くと、研究室は決まったけれどまだ具体的に何もしていないので、答えようがないと困る人がいます。そのような場合は、研究室で行っている内容全般を答えるようにしましょう。
2. わかりやすく言うと、○○の技術を特徴としています。具体的には~という働きを実験しています。
例に挙げる技術は、テレビやインターネットのニュースで一般の人にも紹介されるような、身近なものを挙げるとよいでしょう。さらに、実験手法についても付け加えると良いでしょう。
回答例が「わかりやすく言うと」や「具体的には」で始まっていることに注目してください。声に出して宣言することで、わかりやすく言おう、具体的に言おうという自覚が高まります。まずは意識的に実践してみてください。

面接質問例3:「研究がどのように社会に貢献しますか?」

質問の意図:
これは、皆さん自身の仕事観やキャリアプランを引き出すための質問です。

回答をするにあたっての考え方:
今携わっている技術の専門家としての意気込みをアピールしましょう。

回答例:
1. この技術は、○○や○○などの製品に導入できる可能性があります。実用化は○年後くらいの見通しです。
今の研究分野が基礎研究であっても、将来的にはどのような分野で実用化が可能なのかを話しましょう。また、「近い将来」などの抽象的な表現ではなく、5年後なのか、10年後なのかといった見通しを自分なりに考えて表現しましょう。
2. 実用化されれば、私たち(ユーザー)の生活が~になるという使命感を持っています。
ここで、研究した技術のミッション(使命)をプレゼンテーションします。専門家以外の人にも分かるような言葉で、その製品を使うお客様に向かって話すような口調で語りましょう。説明口調よりも、情熱的に語ったほうが評価が高くなります。
3. その実現にあたっては、私は研究室に残るよりも企業で研究開発を行ったほうが、~であると考えています。
上記のミッションを実現するために企業に入りたいのだと、面接官に納得してもらうための発言です。「理由は2つあります。1つ目は~」などと筋道立てて話すとより効果的です。情熱から一転、筋道立てて話すことでプレゼンテーションに長けているという評価も得られます。

面接質問例4:「研究で困難な状況になった時、どうしましたか?」

質問の意図:
企業で求められるプロジェクト管理能力の素質があるかどうかを見極める質問です。

回答をするにあたっての考え方:
困難を「トラブル」や「問題」に置き換えて考えると話しやすいはずです。必ず自分の実体験を挙げて話すようにしましょう。

回答例:
1. 私が携わった○○という開発演習で、~という失敗経験がありました。…といった困難が発生したのです。
スケジュールの遅れや、意図した性能がどうしても出ない、指導教官が出した要件と合っておらずやり直しとなった――など、これまでの授業でさまざまなトラブルに遭遇してきたはずです。演習でのちょっとしたトラブルでも構いません。
2. その失敗の原因は○○(設計など)の段階で、~していなかったことが原因であると分かりました。その経験によって、…という教訓が得られました。
失敗原因をどのように分析したかを振り返ります。「反省して、徹夜で挽回した」など、精神論を述べたところで研究者として良い評価は得られません。研究開発の仕事には「なぜなぜ分析」という分析法があり、計画策定/要件分析/設計などの各段階でどのような問題点があったのか突き詰め、根本原因を明らかにするよう考える力が求められます。普段の学業の中で、その態度がすでに身についていることを述べましょう。
3. その後、同じような課題に取り組んだ際には、発想を変えて~するようにしたり、周囲に~のような協力をしていただくようになりました。
自分自身の心がけでトラブルの再発を防ぐのも良いのですが、取り組み姿勢を変えて周囲に示したとか、チームのメンバーや同じクラスの人の協力を得て解決したというほうが、組織で働くための基礎力が高く評価されます。

このような受け答えをすると、「では、入社してからも人員やスケジュールの管理で力を発揮していただいて、リーダーやマネージャーを目指してみませんか?」などと問われる場合があります。その際に、自信がなくて言葉に詰まってしまうと損をします。「はい」と言い切れない場合でも、「そうですね、上司や先輩社員を見習って成長していきたいです」などと、面接官の言葉に同意する姿勢を見せましょう。

面接質問例5:「研究過程で得たものをどのように生かしていきたいですか?」

質問の意図:
一般面接の志望動機、やりたい仕事を問う質問が、言葉を変えて技術面接にも登場します。この質問で、会社が求める人物像に合うかどうかの確認を行います。

回答をするにあたっての考え方:
抽象語(形容詞や、~に役立つような)は避け、会社案内をよく読んで具体的に話すようにしましょう。

回答例:
1. 私は、御社の○○という事業に興味を持っています。これまでに学んだ…の経験を生かし、御社のお役に立ちたいと思います。
必ず応募企業の事業名を挙げるようにしましょう。今の研究内容に直結するものだけを述べるのではなく、その会社の主力事業と関連付けたり、複数の事業に生かせるといった発言も有効です。
2. 何より、~という御社の企業理念に共感しております。○○な社風であると伺いましたので、(求める人物像)を目指して業務に励んでまいりたいと思います。
応募する企業の社風に合っていることをアピールします。IT企業やメーカーの場合、保守的な社風と革新的な社風の違いが会社によって非常に大きいことが特徴です。他社の面接で使った回答をむやみに使い回すことは避け、その会社に合った回答を考えましょう。会社案内の「求める人物像」には、「面接でこう答えるといいですよ」というヒントが必ず盛り込まれています。うまく引用して、企業研究が万全であることを伝えましょう。
3. 御社が今後、○○に進出するというニュースも拝見いたしました。チャンスがあれば、ぜひ携わりたいと考えております。
新卒向けの会社案内だけでなく、その会社についての新聞や専門誌での情報もチェックして臨みましょう。特に、将来的な事業計画について知っていることを述べることができれば、「将来性も視野に入れて会社選びをしている人」という高評価が得られるはずです。

面接質問例6:「入社後に関わりたいプロダクトはなんですか?」

質問の意図:
会社が皆さんの希望業務と配属先をマッチングさせるために行う質問です。この質問が出る場合は、採用を前向きに検討しているという意図も現れています。

回答をするにあたっての考え方:
希望や質問は、本当に自分が望んでいること、気になっていることを話すようにしましょう。また、面接が終盤に来たと思ったら、「何にでも積極的に挑戦して御社のお役に立ちたい」と入社意欲をしっかり伝えましょう。

回答例:
1. 一番の希望は、○○という製品です。現状の感想ですが、この製品は~であると思っています。私が参画することで、…といった面でお役に立てるのではないかと考えております。
新入社員は探索よりも既存事業の先行開発などに携わることが多いでしょう。それを念頭に入れ、すでに導入が進んでいる新技術について論じてみましょう。R&D部門や配属想定先の上司から、その意見が実現できそうかどうかのフィードバックや、実際の仕事内容についての話があるかもしれません。その流れになった場合は、専門用語を使っても構いませんので、聞きたいことを遠慮なく質問して構いません。
2. もちろん、これ以外の研究開発についても学んでみたいです。未経験の技術や未知の分野に挑戦することにも大変興味を持っております。
締めくくりとして、今の研究内容にはこだわらず、どこに配属されてもいいという柔軟で前向きな姿勢を表明しましょう。

わかりやすく伝えることが技術面接では重要

企業のR&D部門での研究職は、技術職の中でも最上流に位置し、社内外とのコミュニケーションが非常に活発な職種です。大学の研究室とはカラーが違います。「人と話すのが苦手だから研究職」という先入観は払しょくして、研究職だからこそ面接官に伝わる話し方を意識しましょう。
研究に関する質問を通して、実技のスキルや、仕事観、研究・開発に取り組む姿勢などがチェックされます。会社という組織で働くうえでのチームワークも重視されています。
以上のポイントを踏まえ、技術力、コミュニケーション能力、問題解決能力をバランスよくアピールするようにしましょう。

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著者:杉本 京子

産業カウンセラー/日本プロジェクトマネジメント協会(PMAJ)プロジェクトマネジメント・スペシャリスト
都内私立大学にて非常勤職員の傍ら、職業訓練講師や面接指導に従事。新卒・既卒者を対象に年間延べ100人以上の個別面接練習を行っている。