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就職活動でどこまで使える?“TOEICの実力”徹底インタビュー 一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会

※本記事は、2023年7月27日記事公開時点の情報です。最新の情報と異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。
グローバル化が叫ばれるようになった今、採用で英語力はどこまで評価されているのか? 今回、TOEIC Programの実施・運営を行う一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会のキーパーソンに話を聞きました!

※TOEIC Testsは、TOEIC Listening & Reading Test(以下、TOEIC L&R)およびTOEIC Speaking & Writing Tests(TOEIC S&W)の総称です。

出典:
※1 https://www.nikki.ne.jp/rd/168756/
※2 https://www.nikki.ne.jp/rd/168757/
※3 https://www.nikki.ne.jp/rd/168758/    
      https://www.nikki.ne.jp/rd/168762/

ありのままの英語力を測る、ツールとしてのTOEIC® Tests

―就職活動で、企業はどこまでTOEIC Tests(以下、TOEIC)を活用しているのでしょうか。

一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会(以下IIBC)
永井さん
当協会が2019年に実施した「英語活用実態調査【企業・団体/ビジネスパーソン】2019」(※1)によると、約5割がTOEICを採用時の参考にしているという結果が出ています。

楽天みん就 福地
半数近くが評価の対象にしているのですね。ちなみに直近のTOEIC L&Rの実施状況を教えていただけますか。

IIBC 永井さん
新型コロナウイルス感染症の発生直後は公開テストを抽選で実施していましたが、現在は抽選制を廃止して年間28回(14日程(※2) 、午前と午後)実施しています。

楽天みん就 福地
そうすると、受験者は増えているのでしょうか。 

IIBC 永井さん
まだコロナ禍の影響はあるものの、大学院進学や就職を意識した大学2、3年生が積極的に受験されています。
日本企業の海外進出、海外企業との業務などが増え、企業のグローバル化は急速に進んでいます。そのような環境の中、社会に出るまでに必要な英語力を身に付けたいと考える学生さんが増えているのだと思います。
さらに、最近ではコロナ禍の影響を受け留学ができない中、自宅やオンラインで英語学習に取り組んだ学生さんが「身に付けた英語力を可視化したい」とTOEICを受験するケースも多くみられます。 

楽天みん就 福地
少子高齢化で国内マーケットが縮小していることを受け、日本企業は海外に打って出ないといけない状況に直面していますし、日本の労働人口も減っているため、優秀な人材を求めて外国人採用に乗り出す会社も増えていますよね。それに伴って、年々英語力が重視される傾向が強まっているように感じます。 自分には英語は関係ないと思っていても、ある日上司が外国人になったなんていう話も耳にします。

IIBC 永井さん
実際に新卒採用の応募条件にTOEICのスコアを設定する企業も増えています。また、大学院入試でも出願要件や加点評価としてスコアが利用されています。さらに、全国都道府県の英語教員や地方公務員の採用試験、警察官の採用試験でも評価されるケースが増えています。警察官の採用試験では、多くの場合470点以上で加点評価の対象になります。 

 

―多くの学生さんが、就職活動にTOEIC L&Rのスコアが必須だと考えているようですが、就職活動に利用できるように、早めに受験したほうがよさそうですよね。

楽天みん就 福地
はい。昨今の就職活動は早期化が進んでおり、大学3年生になった途端、サマーインターンシップが始まります。インターンシップに参加する学生は9割以上だと言われています。 「3年生になったら就職活動の準備を始めよう」では十分ではないことも多いです。
本来、インターンシップは就業体験ですから、就職活動とは切り離さなければなりませんが、実際は、“インターンシップ=就職活動スタート”のような位置づけになっています。準備は早いほうがいいですね。

ちなみに採用動向はというと、学生さんにとって売り手市場で、24卒の内定率は、6月時点ですでに8割を超えています(※3)近くになっています。一方で、人気企業の採用倍率は高止まりしている状況です。

 IIBC 永井さん
内定率が高くても、人気企業に入るのは難しい状況にあるというのは、変わらないのですね。

 楽天みん就 福地
そうなのです。では、希望する会社に入るためにはどうすればいいのか――。インターンシップに参加することをおすすめします。そして採用選考では、 応募条件に英語力が掲げられているケースもあるので、英語力を磨いておくと会社選びの選択肢が広がると思います。

 IIBC 永井さん
就職活動を終えて、入社が決まった後も、内定者研修や配属、昇進・昇格など、英語力を求められる機会がたくさんあります。思い通りの就職活動を実現するためにも、その後のキャリア形成を円滑に進めるうえでも、英語力は磨き続ける必要がありますね。

 英語力を磨き続けるうえで、TOEICをお勧めするのは、合格、不合格を判定する一発勝負の試験ではないからです。
学習してから受験する、ではなくまずは自分のありのままの現在地をスコアで知り、それを元に計画を立てて学習する。そして計画がうまくいっているかを確認するために定期的に受験して、学習のペースや学習法などを軌道修正するなど、学習の「ペースメーカー」として活用することもできます。

楽天みん就 福地
確かに定期的に受験することで、英語学習の「ペースメーカー」としても使えそうです。学習成果の確認に最適ですね。 

IIBC 永井さん
そうなのです。まずは、怖がらずにありのままの自分を試してみるところから始めていただきたいです。比較的時間に余裕がある、大学1年生くらいから、まずは受験をして、目指す英語力を確認しておけるといいと思います。

結果だけでなく、努力したプロセスも証明できる

―英語が苦手な人はどうしても受けるのをためらってしまうと思うのですが……。

IIBC 永井さん
最初から完璧に全てを解こうなんて思わなくてもいいのです。TOEICは自分の立ち位置を知り、目標を設定するためのモノサシです。自分がどこまで解けるのか、自分の課題はどこにあるのかなどを知るために受けてみるくらいの気持ちでいいと思います。

 楽天みん就 福地
1回受験して自分の英語の実力を知った後はどうすればいいのでしょう。

 IIBC 永井さん
大切なことは、就職活動に向けた目標スコアを立て、それまでの学習計画をつくることです。仮にスコアが低かったとします。でも英語学習を始めたら1、2年後に600点、700点とスコアを伸ばせる可能性もありますよね。課題を知ったうえで、学習計画を立てて区切りのいいところで試験を受けてみる。スコアが低ければ、学習計画やペースの見直しに役立てられ、そこからスコアが伸びていった過程を履歴書に書けるし、努力したプロセスを可視化することができます。

 楽天みん就 福地
なるほど。いずれにしても、継続して受験することで努力したプロセスや意欲を可視化できるから、就職活動で自己PRをする際にも説得力が増すでしょうね。

 IIBC 永井さん
実際、大学生の方からは、努力したことを証明するのに役立ったとか、スコアの推移が学習を維持するモチベーションにつながったという話をよく聞きます。
それに海外に関わる仕事をしたいといっても、TOEICのスコアを書いていなければ、採用する側はどういう印象を持つでしょうか。

 楽天みん就 福地
本気で目指している気持ちが伝わりづらいかもしれません。

 IIBC 永井さん
中途採用なら、経験年数も実力として考慮されますが、新卒の場合は年数や経験値という判断材料がない分、客観的に判断できるPR材料を用意しておいたほうがベターです。

 既にTOEIC L&Rで600点以上を取得していて、ある程度の英語力がある場合には、ぜひTOEIC S&Wに挑戦していただきたいです。英語を使ってキャリアの可能性を広げたい、海外に関わる仕事をしたいという方には、TOEIC L&Rのスコアはもちろん、TOEIC S&Wのスコアを書くことで、本気で目指していることが一目で伝えられます。まずはスピーキング110点、ライティング120点を目標にしてみてください。

世界規模で実施しているから、信頼性が高い

―ちなみに他の試験とTOEICは何が違うのでしょう。

IIBC 永井さん
TOEICは、米国のETSという機関が英語を母国語としない人たち(ノンネーティブスピーカー)の英語力を判断するために開発され、世界各地で実施されている信頼性が高い試験です。受験者の英語力が変わらない限り、いつ受けても一定のスコアが出るところが特長です。そのため、多くの企業で採用や昇進の判断基準に活用されています。「聞く」「読む」英語力を測定するTOEIC L&Rと「話す」「書く」英語力を測定するTOEIC S&Wで英語力の4つの技能を可視化することができることも、TOEICが評価されている理由の1つです。

楽天みん就 福地
「聞く、読む、話す、書く」の4つの英語力をスコアで確認できるのは魅力的ですね。

IIBC 永井さん
企業の多くは採用するときに、英語でも日本語でもパフォーマンスを発揮できる人をほしがります。もちろん、その前提としてご本人のポテンシャルや専門性、スキルがあるかどうかは重要ですが、英語ができれば、将来の可能性を広げることにつながるはずです。


―ちなみにTOEICでは、どんな英語力を測定しているのでしょうか。

IIBC永井さん
TOEICは日常生活やグローバルビジネスの場面で、自分の英語力がどこまで通用するのかを測定しています。実際に英語が使われる場面を想定した問題形式になっているので、模擬体験ができるのもメリットです。

―最後にどう学習すればいいか、アドバイスをいただけますでしょうか。

IIBC 永井さん
学び方の正解は1つではありません。その前提でお話をすると、なるべく生きた素材に触れることをお勧めします。SNS でもニュースでもとにかく今使われている英語にできる限り多く触れると、実際に使える英語力を磨けるはずです。TOEIC公式教材にも、生きた英語が素材としてたくさん入っているのでお勧めです。

TOEIC L&Rのスコアが300~400点のときには、英語を使って何をしたいという夢を持つのは難しいかもしれません。でもスコアが600、700点と上がってくると欲が出てきて、「英語で仕事がしたい」「海外に行きたい」という新たな目標が見つかることもあると思います。英語を学ぶ目標がわからないという方は、まずはスコアを上げることを英語学習のモチベーションにするのもよいのではないでしょうか。

これからも、英語力向上のパートナーとして、目指す未来を実現するカギとして、TOEICを効果的に活用していただきたいと思います。

楽天みん就 福地
本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました!

今回インタビューを受けてくださった方

永井 聡一郎さん

永井 聡一郎さん

一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会
執行理事 兼 IP事業本部 本部長

福地 茂樹

福地 茂樹

聞き手
【楽天みん就】
楽天グループ株式会社
マーケティングソリューションズ事業 メディア&トレンド部 
みん就ビジネス課  ヴァイスシニアマネージャー

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<TOEIC Testsのテスト日程や申込はこちら>
▼TOEIC Listening & Reading Test
https://www.nikki.ne.jp/rd/168759/

▼TOEIC Speaking & Writing Tests
https://www.nikki.ne.jp/rd/168760/

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