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IT業界就職人気企業ランキング ランクイン企業インタビュー

モビリティ企業への変革へ。
ITの力でトヨタグループを支える

※本記事は、2023年8月3日記事公開の情報です。最新の情報と異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。
みん就『2024年卒 IT業界新卒就職人気企業ランキング』総合ランキングで株式会社トヨタシステムズは10位(※1)に見事ランクイン。設立5年目に突入した今の状況や同社の強みなどについて、インタビューしました。

(※1)2024年卒結果 IT業界新卒就職人気企業ランキング 総合ランキング結果:https://www.nikki.ne.jp/rd/168769/
(※2)(※3)2024年卒結果 IT業界新卒就職人気企業ランキング 採用広報の魅力ランキング結果:https://www.nikki.ne.jp/rd/169111/
(※4)2024年卒結果 IT業界新卒就職人気企業ランキング 仕事の魅力ランキング結果:https://www.nikki.ne.jp/rd/169113/
2024年卒業予定登録学生会員に対し、2022年4月7日~2023年3月23日に行った「みん就」上でのWebアンケートおよび、みん就主催の就職イベントでのWebアンケート・紙アンケートでの結果に基づきます。

グループ全体の競争力を
ITの力で支える

会社設立から5年目に突入されましたね。

嶋田さん:トヨタ自動車は、2021年に発表したバッテリーEV戦略で、2030年にバッテリーEVのグローバル販売台数、年間350万台を目指すと打ち出しています。同時に“マルチパスウェイ”という、世界の各地域ごとのお客様のニーズに合ったモビリティの形を提供しようと動いているところです。また、単に自動車を製造・販売する企業から、あらゆる移動に関わるサービスを提供するモビリティ企業への変革を進めています。当社にはこうした目標を達成するためにITの側面からグループを支えるという重大なミッションがあります。

奥田さん:トヨタシステムズは、トヨタ自動車およびトヨタグループをITの力で生産性を高め、グループ全体としての競争力を高めるために設立されました。ITの力で車両開発のリードタイムをぐんと縮めることで市場のニーズに合ったクルマを世の中に出していけるように取り組んでいます。企画・提案から開発・運用まで一貫してできることが特徴です。

嶋田さん:他のSIerと異なり、モビリティ企業への変革の中心でエンジニアとして成長できる絶好のチャンスがあるのです。

総合ランキングでは年々ランクが上昇しており、24卒のランキングではトップ10(※1)に入られました。

嶋田さん:自動車業界の大変革、DXの波は当社にとって千載一遇のチャンスと捉えています。既存の技術だけでは勝ち残れなくなってきているなかで、当社では新たな技術を手の内化して、チャンスをモノにする方向に舵を切っています。このような情勢を受け、安定した基盤を持ちつつ、挑戦できる土壌があることが学生の方からも評価していただけているのかもしれませんね。

このような社会情勢の変化を受けて、貴社では「ジョブマッチング採用」を実施されているんですよね。

嶋田さん:これまでは一握りしかいなかった「これをやりたい」という明確なキャリアビジョンを持った学生さんが増えてきている印象があります。また、技術を手の内化していくうえで、その核となるようなスペシャリストを獲得していくことが当社の課題でもあります。

奥田さん:そこで当社では新卒入社者を対象とし、23卒からジョブマッチング採用を開始したのですが、25卒向けにも継続して実施していく予定です。大きくはシミュレーション領域、データ分析領域、インフラ領域の3つの領域に分かれます。

嶋田さん:本年度採用対象としていたデータ分析の領域では、クルマの販売や金融に関するデータ分析での採用が主流でした。しかし24卒向けには機械や自動車のセンサーから集まってくるデータの分析を行う領域にも広げています。ほかにもプラットフォームやネットワーク、オフィスICTのようなオールトヨタの開発環境を支えるインフラ領域での「ジョブマッチング採用」も増えています。

昨今、大手企業では職務を明確にし、業務に適した人材を配置・採用・育成する制度ジョブ型雇用にも注目が集まっています。

嶋田さん:おっしゃる通り、大手企業を中心にジョブ型雇用が増加傾向にあります。しかし当社ではジョブ型雇用は現時点で取り入れていません。

それはなぜでしょうか。

奥田さん:当社は、いろいろな経験を積みながら専門性と人間力の両方を高めていくことを大事にしています。そうした企業文化から人事制度では、社員それぞれが高めた能力をいかに発揮しているか、それによりどう成果をあげたのかを評価しています。

嶋田さん:当社はIT会社という側面と、自動車会社という製造業、両方の企業文化が取り入れられ、風土が醸成されています。当社はIT企業でありながら、製造業のしっかりと経験を積み重ねて人を育てていく企業文化も根付いているので、いきなりジョブ型雇用を採用しても、合わない可能性があるからです。

奥田さん:とはいえ、経営・事業戦略の実現に向けて、世の中の情勢をしっかりと見極めながら、採用や雇用形態について今後も検討していく予定です。

データ分析インターンシップ、
技術者セミナーなど新たな取り組みも

「インターンシップが魅力的だった」という項目で1位(※2)にランクインされました。
具体的にはどんなプログラムがあるのでしょうか。

奥田さん:当社では1日体験型プログラム、3日体験型プログラムを実施。24卒夏3日体験では253人の学生さんに参加いただき、1日体験を含めると約900人の学生の皆さんに参加していただきました。ほかにもAtCoderでのトヨタシステムズプログラミングコンテストを2021年に引き続き、2022年も実施させていただくなど技術志向の学生さん向けにさまざまな施策に取り組んできました。

嶋田さん:さらに24卒向けにデータ分析インターンシップと技術者セミナーに注力しました。データ分析のプログラムでは実際に、データ分析を行う部署と連携して、アンケートデータからトヨタの商品改良・新企画に生かせるようなお客様の潜在ニーズを分析・提案いただきました。

データ分析のインターンシップは具体的にどのように進められたのでしょう。

嶋田さん:データ分析インターンシップは、データサイエンティストを志す学生に向けた、”手を動かす”インターンシップです。分析自体は学生個人ごとに行っていただきましたが、各チームに一人ずつ、弊社社員が入り込み、サポートしました。また参加者同士でアウトプットを共有する場を設けて、気づきやアイデアをシェアできるように意識しました。

奥田さん:Pythonを使ったプログラミング実習をはじめ、分析を通じて見えた傾向や分析の観点などについて話し合うことで、分析結果に対するフィードバックなどをもらい、自らの頭で考え実行するプロセスを24名の学生さんに体験していただきました。

どれくらいの期間だったのでしょう。

嶋田さん:2.5日だったのですが、時間が足りなかったという声もありました。

データ分析には理系の方が参加されたのでしょうか。

奥田さん:理系だけでなく、文系の学生さんも参加されました。文系の方はビジネス的な視点を持ってデータ分析を捉えることができますし、理系の方はデータ分析をより深掘りできます。それぞれの良さを生かして取り組んでいただきました。

嶋田さん:情報系でデータサイエンスを学んでいる人もいれば、化学を学んでいる人もいました。文系出身者では経営を専攻している人もいましたので、実に多彩でしたね。

データ分析のインターンシップを行う際に工夫されたことがあったそうですが。

嶋田さん:理系、文系の学生さんではデータ分析の基礎知識に差が出てしまいます。それを少しでもフォローできないかと、e-learningでデータ分析の基礎知識はもちろん、Google Colaboratoryのようなツールの使い方などを無料で提供し、学んでいただきました。

その成果はありましたか。

奥田さん:あったと思います。インターンシップ開始時にはデータ分析に関する知識に多少、ばらつきがありました。でも参加者全員が報告書を作成し、報告するプロセスまで進めることができました。全員が最後までやり遂げることができたので、良かったです。

技術者セミナーでは
現場の生の声を

インターンシップだけではなく技術者セミナーも開催されたと伺いました。

嶋田さん:現場でプロジェクトに携わった社員3名が登壇する技術者セミナーをオンラインで開催。プロジェクトを統括するプロジェクトマネージャや開発を行う者など、異なる立場の3名に登壇してもらいました。例えばあるセミナーでは、システム基盤となるアーキテクチャの話から始め、お客様の困りごとを具体的にどう解決していったのか、詳しく語っていきました。

奥田さん:オンラインで1時間半のセミナーでしたが、参加された200名超の学生さんたちからチャットでの質問を山のようにいただくなど、かなり盛り上がりました。

嶋田さん:技術者の視点からプロジェクトの裏話や実際にプロジェクトで使用している開発環境や言語などのような具体的な話を開発メンバーが語ることで、学生さんもより具体的に仕事の中身を理解していただくことができたと思います。

奥田さん:本年度は既に2回目が終わり、金融系のウォレットサービスに関する開発、海外物流というテーマを取り上げました。

嶋田さん:今後は車両開発のデジタル化に関する話について、秋以降で技術者セミナーを実施すべく、現在、企画を進めているところです。

ちなみにランキングでは「説明会を通じて理解が深まった」という項目で7位(※3)にランクインされました。

奥田さん:技術者セミナーだけではなく、会社説明会でも現場社員への登壇を取り入れています。説明会は、パネルディスカッション形式で実施したのですが、現場の若手社員が登壇するので、正確な情報をきちんと届けることができます。人事の私たちによる発信に加え、現場のエンジニアたちの声を直接、届けることで説得力が増しているのかもしれません。

「社会に役立つ仕事ができそう」という項目でも7位(※4)にランクインされました。

嶋田さん:年間販売台数1,000万台、500万人以上が携わり、全製造業の20%を占める出荷額を誇る自動車産業を支えるポジションにあるというのが、「社会の役に立つ」という前提にあると思います。

奥田さん:そのうえで、モビリティ社会が自分たちの力によって変革を遂げていく可能性があるというところに、社会貢献性を感じていただいているのが7位というランクにつながっているのかもしれません。

25卒向けのインターンシップではどのようなテーマで実施される予定でしょうか。

嶋田さん:本年度は、従来の3日体験型インターンシップの内容をブラッシュアップし、ソリューション型インターンシップとしてお届けする予定です。

奥田さん:本年度より「エンジニアリング」「コーポレート・ファイナンス」「インフラ」の3つの領域別コースに加え、オープンコース、ジョブマッチングコースの計5つの選考コースにて採用活動を行っていきますが、上記3領域への理解を深めていただくインターンシップがソリューション型インターンシップに該当します。そして24卒採用にて好評だった技術者セミナーも、新たなテーマを加えてパワーアップしてお送りします。

最後に学生の皆さんにメッセージをお願いします。

嶋田さん:大学の3、4年になってくると、学校行事も就職活動も立て込んでくるはずです。ですから直接、企業の人に会う機会を早い段階で持つことをおすすめします。世の中で起きていることにアンテナを張って、自分の行きたいところに行けるように動き出してください。それに最近、真面目で頑張り屋さんの学生さんが多い印象です。くれぐれも無理をし過ぎないようにして、体調に気を付けていただきたいです。

奥田さん:自分のなりたいイメージを想像したところから、どんな仕事に就きたいのかが見えてくるのではないかと思います。そのためにはいろいろな企業、人に会って、自分のなりたい姿を見つけていただきたいです。そのためにインターンシップは有効の手段の一つではないでしょうか。

今回インタビューを
受けて下さった方

嶋田 修也さん

株式会社トヨタシステムズ
人事部 採用G 東京本社管理G GM

奥田 華帆さん

株式会社トヨタシステムズ
人事部 採用G