就活に私服で臨む際、気をつけるべき点をご存じでしょうか。本記事では、企業から私服を指定された場合の注意点や服装に関するマナー、具体的なコーディネートについてご紹介します。就活の場での私服について疑問や不安があれば、ぜひチェックしてみてください。
「企業説明会に『私服でお越しください』と指定があったんだけど、どんな服装で行ったらいいんだろう」
「面接の時の私服を選ぶ時に注意しておくポイントはあるんだろうか」
このように、就活において服装の指定をされた方には、多くの疑問点があるのではないでしょうか。
本記事では、就活の際の服装を「私服」と指定された場合の基本的な対応に加え、どのような服装がふさわしいかを具体的に紹介しています。
この記事を読むことで、就活の場にあった服装やマナーを守った私服の組み合わせについて把握できます。その知識をもとにすれば、就活にふさわしい服装を決めることができるため、服装について不安を抱えている方でも、自信を持って就活に臨むことができるでしょう。
就活で「私服」と指定された方は、ぜひこの記事をチェックしてみてください。
就活における私服って何を着たらいいの?
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就活において私服の指定があっても「無難にスーツで」と考える方もいるでしょう。しかし、「私服で」という指示があった場合、リクルートスーツ以外の服装を指していると思う方が自然です。
「私服で」という指示なのにスーツを着ていったのでは、指示を無視した服装を選んだ理由を勘繰られたり、素直ではない、癖のある人物だと受け取られてしまう可能性があります。
ただし、私服だからといって、どんな服装をしていっても良いわけではありません。TPOに応じたオフィスカジュアルな服装でまとめましょう。
就活の際に服装を判断する基準
企業から「私服で」と指示されたとしても、それには色々なパターンがあります。就活で「私服」が関係するパターンは、主に以下の4通りです。
それぞれ、どのように対応するべきかをパターン別にみていきましょう。
「私服可」の場合
企業からの服装指定が「私服可」となっている場合は、私服でもスーツでも、どちらを選んでも構いません。ただし、スーツで参加する学生が多数派なので、場で浮いてしまうのが嫌だったり、私服のコーディネートが苦手だったりする場合には、スーツを選ぶと良いでしょう。
会場ではスーツの割合が高い可能性がありますが、マナーに則った服装ならば、私服であっても萎縮する必要はありません。「私服でも大丈夫です」「服装自由」と指定されて私服を選んだ場合でも同じです。自分をアピールするためにも、堂々としていましょう。
「私服でお越しください」「スーツ不可」の場合
「私服でお越しください」と指定されていたら、必ず私服を着ていきましょう。
私服を指定するということは、企業側に何かしらの意図がある場合がほとんどです。これは、「普段着で」や「動きやすい服装で」と指定された場合も同じです。
とくに「動きやすい服装で」とある場合は、体を動かす、現場の見学をするといった可能性があるため、それに適した服装にする必要があります。
「前後の予定に合わせて」の場合
服装を「前後の予定に合わせて」と指定してくるのは、その企業の面接の前後に他社の就活がある場合、そちらの服装指定に合わせれば良いですよ、という企業側の配慮です。
前後の予定がない場合には、スーツでも私服でも構いません。
服装に関しての記載がない場合
服装に関しての記載がない場合は、スーツないしは私服ならばオフィスカジュアルな服装にしましょう。
記載がないからとはいえ、どのような服装で行っても構わないわけではありません。面接という場に合わせ、マナーに沿った服を選ぶことが大切です。
就活において企業が私服指定をする理由
就活で「私服」と指示がある場合、企業は「カジュアルな雰囲気で就活生と接したい」、「就活生の私服のセンスや服との関わり方を見たい」など、さまざまなことを意図しています。暑い季節に就職活動をする学生を気遣って、スーツを着用しなくても良いと言ってくれていることもあるでしょう。
広義で言えば、スーツも私服でしょうが、あえて「私服」と指示されたのなら、それに従った服装で臨むべきでしょう。
ここでは、企業が「私服で」と指定してくる場合の意図を見ていきます。
堅苦しい雰囲気を避けるため
面接というだけで緊張するのに、堅苦しくスーツを着ていると、よけいに緊張が増してしまいます。
服装指定が「私服で」というのは、就活生の素の部分を見るために、リラックスして面接を受けてもらおうという企業側の意図でもあります。素の自分をアピールするためにも、場に合った私服で臨みましょう。
自由度の高い社風をアピールするため
最近では、私服を着用して仕事をする企業が増えています。IT業界などは、その傾向が顕著です。
社員が私服で仕事をすることで、自由度の高い社風をアピールすることができます。そのため、社員になる可能性のある就活生にも「私服で」と指定してくるのです。
ビジネスマナーをわきまえているかをチェックするため
場に合った服装をするのは、社会人としての常識で基本的なビジネスマナーでもあります。だらしない服装や場に合わない服装はマナー違反です。
服装を「私服で」とした場合、企業はTPOをわきまえた服装ができているか、清潔感のある服装か、といった点をチェックしています。
業界によってはファッションセンスを見るため
アパレル業界や美容業界などの企業だと、あえて「私服で」と指定してくる場合があります。就活生の服のセレクトやセンスから、ファッションセンスを見て評価するためです。
これらの業界では、「私服で」と言われた場合のスーツ着用はNGです。
志望企業のブランド服を着用する、ブランドイメージとマッチする服装をコーディネートするといった点に注意すると良いでしょう。また、その服装を選んだ理由やコーディネートのテーマなどを説明するように言われる場合があるため、意識しておきましょう。
就活生とミスマッチがないかをチェックするため
最近では、カルチャーフィットを採用の判断基準に取り入れる企業が増えています。カルチャーフィットとは、就活生を色々な面から見て、企業との適合率の高さを判断することです。
その判断材料として、私服での服装をチェックし、企業とのミスマッチがないかどうかをチェックしているのです。
就活において私服とはオフィスカジュアルを指す場合が多い
就活における私服とは、「カジュアルな雰囲気で就活生と接したい」との意図から指定されることが多いため、リラックスできる服装が適しています。あくまで仕事の場ということを忘れず、オフィスカジュアルでまとめるのが良いでしょう。
ただし、前述したように、アパレル業界などではファッションセンスを見たいと考えている場合があります。あらかじめ、志望先の店舗やホームページなどから、企業の雰囲気を把握した上で服装を決めましょう。
オフィスカジュアルの定義
オフィスカジュアルとは、デスクワークに適していて、カジュアルでありながら最低限の礼儀をおさえた服装のことです。
明確に定義されているわけではありませんが、その職場に合った服装であることが大切です。企業のホームページや会社説明会における社員の服装をチェックして、職場の雰囲気を崩さないようなコーディネートを意識しましょう。
ビジネスカジュアルとの違い
オフィスカジュアルとビジネスカジュアルとの違いは、取引先を訪問できる服装かどうかです。
ビジネスカジュアルは、スーツよりカジュアルではあるものの、オフィスカジュアルほどラフではなく、よりきちんとした服装を指します。
就活において私服を選ぶ際のポイント
企業は、就活生の服装から色々なことを判断しています。見た目の第一印象は服装から受ける部分が大きいため、面接に適した服装を選ぶことは重要な対策となります。
ここでは、私服を選ぶ際の大切なポイントを2点紹介します。
- 身だしなみのマナーを意識する
- 清潔感を忘れない
身だしなみのマナーを意識する
面接とはフォーマルな場です。したがって、その場に相応しい身だしなみで臨むことがマナーとなります。
これはスーツでもオフィスカジュアルでも同じことです。TPOに応じたマナーを意識し、それぞれのコンセプトに合った服装を選択する必要があります。
清潔感を忘れない
見た目の清潔感はとても重要です。面接でどれほど良い解答をしたとしても、見た目が不潔では良い印象を持ってもらえないでしょう。
清潔感のある服装にするためには、靴の汚れを落として磨いてあるか、シャツやジャケットにしわが寄っていないか、服のサイズが体に合っているか、といった点に注意する必要があります。
【男性編・アイテム別】就活におけるオフィスカジュアルの具体例
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オフィスカジュアルな服装は、スーツに比べて自由度が高いため、ラフになりすぎないように注意する必要があります。
全体的に、白や黒、紺、グレー、茶、ベージュなど、落ち着いた色を基調にまとめます。
基本的には、ジャケットもしくはカーディガン、襟付きシャツ、スラックスもしくはチノパン、革靴という組み合わせになります。
では、それぞれのパーツについて、具体的に見ていきましょう。
ジャケット
シャツ1枚だけではカジュアルすぎる印象があるため、ジャケットを羽織りましょう。落ち着いた印象の黒や紺といった色目がおすすめです。
コットンやポリエステル素材で襟がある「テーラードジャケット」が基本です。テーラードの中でも、シングルの2つボタンタイプがスタンダードです。
ボタンの留め方も見られています。きちんとした着こなしをしているという印象を与えるためにも、一番下のボタンは留めないようにすると、しわが減って見た目が良くなります。
トップス
トップスは襟付きのものが基本で、シャツでもポロシャツでも構いません。白や淡いブルー、グレーといった色目で無地のものを選べば、落ち着いた印象を持ってもらえる上、ジャケットに合わせやすいです。
ボタンはすべて閉めるか、第一ボタンのみ留めずにおくのが良いでしょう。クールビズ主流の夏場に限らず、オフィスカジュアルはノーネクタイでOKですが、首元をきちんとまとまった雰囲気にしたい場合は、ボタンダウンのシャツなどを着用します。
寒い時期なら、シャツの上にベストやニットを重ねるのが良いです。暖房や緊張のために暑くなることもあるため、簡単に脱ぎ着できるものがおすすめです。
パンツ
ボトムスには、スラックスのうちでもテーパードパンツやチノパンを選びましょう。色目は茶系や黒、紺などがおすすめで、ジャケットと異なるカラーを合わせればスーツっぽさを軽減できます。
センタープレスがきっちり入っているとカジュアルファッションであってもフォーマルな雰囲気を出すことができます。オーバーサイズのものはファッショナブルであっても、だらしなく見えてしまうため、自分にぴったり合ったサイズのものを選びましょう。
靴・バッグ
靴は、黒や茶の革靴が基本で、紐付きのものだとフォーマルな雰囲気が出て印象が良くなります。デザインは自由ですが、面接の場に相応しくないような派手なものは避けましょう。
デザインよりも、「履きつぶし」や「汚れ」がないかを見られています。汚れを落とし、きちんと磨いておきましょう。
バッグは、配布される資料をきちんと収められるように、A4サイズが入る大きさのものを選びます。床に置く場合も多いため、自立式のものが良いでしょう。黒系統などの落ち着いた色味でシンプルなデザインの物が適しています。
その他アイテム
腕時計は、オフィスカジュアルに必須のアイテムです。シンプルなデザインで、シルバーもしくは革製のベルトのものが良いでしょう。
靴下は無地で、黒や紺色といった暗めの色にします。着席してズボンの裾が上がっても肌が見えないように、長めの丈のものにしましょう。
オフィスカジュアルであっても、ベルトは必ず着用します。黒や茶色といった暗めの色で、バックルのデザインがシンプルなものを選びましょう。
【女性編・アイテム別】就活におけるオフィスカジュアルの具体例
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女性の場合、オフィスカジュアルとされる服装の幅が非常に広いため、普段のファッションスタイルで大丈夫な方も多いでしょう。しかし、逆に何を選択するべきか、悩んでしまうこともあるでしょう。
選択に悩んだ場合には、カジュアルとフォーマル、どちらかに振りすぎていないかにポイントを置き、バランスを意識したコーディネートをしましょう。
色味は、白や黒、紺、茶、グレーなどの落ち着いた色とパステルカラーをバランスよく組み合わせて、若々しく柔らかい印象でまとめます。
基本的には、ジャケット、ブラウス、スカートもしくはテーラードパンツ、パンプスという組み合わせになります。
ジャケット
女性の場合でも、オフィスカジュアルにジャケットは必須です。カーディガンも羽織り物ではありますが、面接はフォーマルな場だと考えるなら、ジャケットを選んだ方が印象が良くなります。
色味は落ち着いた色合いの紺や茶、もしくは、さわやかな印象があるパステルカラーを選ぶと良いでしょう。シンプルなデザインであれば、テーラードでもノーカラーでも構いません。
トップス
トップスは襟付きのシャツ、ブラウス、カットソーが良いでしょう。色味は、顔色を明るく見せたいなら白もしくは白系統の色、さわやかな清潔感を出したいならパステルカラーがおすすめです。無地が基本ですが、細めのストライプ程度なら柄物でも問題ありません。
デザインは、シンプルなものを選ぶと良いでしょう。シンプルであっても、レース素材が袖口に使ってあるとさりげない華やかさが出ます。暑い時期は半袖でも構いません。
スカート・パンツ
ボトムスは、スカートでもパンツでも構いません。パンツならクロップドパンツやストレートパンツ、スカートならタイトスカートやフレアスカートを選びましょう。パンツでもスカートでも、色味は落ち着いた色合いにするか、ジャケットと同系色でまとめると好印象です。
パンツは、ジャストサイズのもので、必ずベルトを着用してください。スカートの丈は膝丈かやや膝下くらいの丈が良いでしょう。
靴・バッグ
靴は、つま先の出ない革や合皮のシンプルなパンプスが基本です。色目は黒やベージュといったベーシックカラーで、服とのバランスを意識して選びましょう。
ヒールは3~5cm程度です。ヒールが高いと、歩く時に「コツコツ」という足音が出てしまうため、面接の場では避けた方が無難です。
バッグは、資料が配付される時のことを考えてA4サイズが入るものを選びましょう。派手な色味のものや、変わったデザインのものはNGです。黒系統の手提げ型で、自立するものにしましょう。
その他アイテム
季節を問わず、スカートでもパンツでもストッキングの着用がマナーです。色味はベージュを基本として、自然な肌の色が見えるようなものを選びましょう。
腕時計はオフィスカジュアルに必須です。シルバーかピンクゴールド、革製のベルトのものにします。
アクセサリーは基本的には着けませんが、業界によっては小ぶりなもの、シンプルなデザインのものなら受け入れてもらえます。ただし、金融業界、不動産関連の業界では着けない方が無難でしょう。
なお、ノーメイクは失礼とされているため、ナチュラルメイクをしていきましょう。
就活における私服を選ぶ際の注意点
きちんと整った服装で臨むことは、面接の際の最低限のマナーです。
どのような服装をしているかは、第一印象に大きく影響してきます。マナーから外れた服装では、社会人として基本的な礼儀を身につけていないと受け取られ、評価が低くなってしまいます。
ここでは、私服を選ぶ際の注意点をご紹介します。
露出の多い服装は避ける
男女を問わず、露出の多い服装はNGです。ミニスカートや短パン、タンクトップ、女性の場合はキャミソールやオフショルダーの服は就活に適していません。
ボトムスの丈にも気を配りましょう。パンツは最低でもくるぶしまであるもの、スカートはまっすぐ立って膝が隠れるくらいのものを選びましょう。
デニム・デニム地のアイテムは避ける
就活では、デニムや素材がデニム地のものは使わないようにしましょう。デニムはもともと作業着に使われていた生地であるため、カジュアルな印象がとても強く、就活には向いていません。
服装自由とされている職場でも、ジーンズやデニム地のスカートを禁止しているところがあるように、オフィスに向いた素材ではないのです。
スニーカー・リュックは避ける
スニーカーはカジュアルなアイテムとなっているため、フォーマルな場である就活で履くことはマナー違反になります。最近ではレザー素材のもの、スポーティではなく落ち着いたデザインのものもありますが、ビジネス向きではありません。
リュックはとても便利なアイテムですが、アウトドアで使うもの、カジュアルなものというイメージがあるため、オフィスカジュアルであっても就活で使うには不向きです。印象を良くするためにも、ビジネスバッグを使用しましょう。
就活にふさわしい私服で説明会や面接に臨もう
出典:PIXTA
私服と指定されたからといって、普段使いのくたびれた服を着てビジネスの場に臨むのは非常識でしょう。就活の場での私服はオフィスカジュアルでまとめるのがマナーです。
服装を指定してきた企業の意図を正しく汲み取り、マナーに沿った、自分らしさをアピールできる服装で、説明会や面接に臨みましょう。

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