内々定が出たけど不安な人必見!取り消されることってあるの?

就活で内々定が出たけど取り消されないか不安という就活生もいるのではないでしょうか?その不安を払拭するカギは、「取り消しの理由」を知ることです。そこで、取り消しの理由をはじめ、取り消しの可能性や事例について紹介します。

内々定と内定の違いとは?

就活生が採用を決めるまでには、「選考」「内々定」「内定」という3つのステップがあります。「選考」は何も決まっていない状態ですが、「内々定」と「内定」の明確な違いとは何でしょう?

内々定とは、「内定を出しますよ」という企業からの約束です。就活生の入社意思を確認するために、企業は郵便・メール・電話などで「内定予定通知」を行います。企業が「内々定」を出すのは、経団連のルールで10月1日まで「内定」を出せないため「内々定」という形で人材を確保しているのです。内々定の段階では、就活生が辞退するのも、企業が取り消すのも自由です。つまり、内々定は内定を予定しているという口約束のようなもので、法的効力はゼロということ。その理由は、内々定の段階では労働契約が成立していないからです。

一方、内定は「来年の4月1日から雇用しますよ」という企業からの約束です。内定通知は「雇用契約の承諾」になるので、労働契約が成立したことになります。厳密に言えば、この段階では「始期付解約権留保付労働契約」になり、内定通知書に記された勤務開始日までは企業側に「解約権」も付いています。しかし、労働契約は成立しているので法的効力があり、企業が自由に解約権を行使することはできません。通常、内定通知書や誓約書などに記載されている採用内定取消事由に該当しなければ、取り消しになることはありません。

f:id:hito-contents:20171211164328j:plain出典:pixta

内々定が取り消されることってあるの?取り消しの理由って?

企業は人材の囲い込みを目的として内々定を出しているので、取り消しは内定者を失うことにつながります。そのため、法的効力がないとは言え、企業が内々定の取り消しを気軽に行うことはありません。以下の取り消し理由となりうる項目をよく確認するようにしょう。尚、内々定と内定の取り消し理由は同様となります。

<内々定の取り消し理由となりうるもの>
・単位が取れず学校を卒業できなかった
・経歴を詐称するなどの嘘
・素行不良
・健康状態の問題
・重大な違法行為が発覚した
・内定予定通知に返信がなかった
・入社条件である資格を取得できなかった
・企業が指示した書類を提出しなかった

上記の理由のほとんどは就業規則に記された解雇に該当するもので、自分自身の行動等が理由となっています。

・企業の業績不振
企業の急激な業績不振は、内々定取り消しの理由になりえます。法的効力もないので、就活生が不当を訴えても裁判では認められないでしょう。一方、内定の取り消しの場合には、企業は整理解雇の4要件(人員削減の必要性、内定取消回避努力、人選の合理性、手続の妥当性)のクリアが課せられているので容易には行えません。しかし、通常の人員整理のための解雇よりは緩やかに判断される傾向で、企業の業績不振による内定の取り消しがないとは言えません。

・自然災害
地震や台風などの自然災害により企業が直接的な被害を受けた場合、労働基準法により内定の取り消しが認められています。被害が間接的あるいは一部の場合、企業は整理解雇4要件のクリアが必要です。内定の取り消しが認められている以上、法的効力がない内々定では十二分に取り消しの理由になると考えられます。

企業の業績不振や自然災害は、自分に否がないにも関わらず取り消されることになります。しかし、企業側にもそれなりの条件が課されているので、このような状況に陥ったときには、一方的に不当を訴えることなく、客観的に事実を受け入れるよう努力しましょう。

内々定には法的効力がないから取り消されてもいいの?

内々定に法的効力はありませんが、内々定を取り消された就活生が裁判をして勝訴した事例もあります。裁判に至るまでの一連の流れは以下の通りです。

5月:学生は企業より「内々定の通知」を受け、翌日に署名捺印の上、返送
9月25日:学生は企業より電話で「内定通知は10月2日に行う」との連絡を受ける
9月30日:学生は企業より「内々定取り消しの通知」を受け取る

内定通知授与の連絡から5日後に取り消しの知らせがあった上、その取り消しが内定通知授与を予定していたわずか2日前となれば、学生が動揺する気持ちも理解できます。

内々定では労働契約が成立しないため、法的には保護されません。しかし、この裁判では、内々定後の期間を「契約準備期間」とし、学生の期待を侵害したとして「企業の対応は不誠実で一般的な信義則に反する」として慰謝料の支払いを命じています。

この事案のポイントは以下の3つです。
(1)「始期付解約権留保付労働契約」の成立は認められていない
(2)内定通知の日程も決まっていた上、わずか数日前の取り消し連絡だったため、労働契約締結への学生の期待は法的保護に値すると判断された
(3)労働契約締結の過程で信義則に反し、学生の期待を侵害したことへの賠償責任が問われた

この裁判では就活生が勝訴しましたが、ほんの一例に過ぎません。内々定を取り消された学生全てが、このケースと同様の結果になるとは限りません。

内々定を取り消されないために気をつけたいこととは?

内々定が法的効力もなく不確かなものだということは、十分理解できたことでしょう。企業側に取り消しの理由がある場合を除けば、内々定をキープできるか否かは就活生自身の行動・言動に委ねられています。ここでは、内々定を取り消されないために気をつけたいことを紹介していきます。

前述した「内々定取り消しの理由となりうるもの」に該当しない生活をすることが重要となるので、再度確認するようにしましょう。特に、内定予定通知に返信しないのは、「就職する意思がない」と受けたられるので要注意。内定予定通知を受けたら、迅速に返事をするようにしましょう。

また最近では、人事担当者がSNSをチェックしている場合があるので、軽はずみな発言や不適切な投稿はしない方がいいでしょう。実際ここ数年で、SNSでの言動が理由で内々定や内定を取り消されたケースは発生しています。SNSは公共の場。せっかく手に入れた内々定を軽率な発言で失わないようにしましょう。

もちろん、内々定後の懇親会などでの振る舞いも同様です。他の参加者とその場で殴り合いの喧嘩をしたり、お酒を飲みすぎて大暴れしたり等、相当な振る舞いがない限り取り消しはありませんが、失礼がないように気をつけるべきでしょう。

いろいろ気をつけても、企業の業績不振で内々定が取り消される不安は拭えません。可能であれば、内々定を受けた後も就活を続けた方がいいかもしれません。

内々定の取り消しはあまりないけど、内々定後も気を緩めないことが大切!

内々定の取り消しはあまりありませんが、自分の不注意から取り消しを招いてしまう可能性は否定できません。内々定が出れば誰でも気が緩んでしまうものですが、気を引き締めて責任ある行動を心がけるようにしましょう。

関連リンク

内々定をもらったのですがのクチコミ・掲示板 - みん就(みんなの就職活動日記

 

f:id:epb0804:20170929191553p:plain

著者:reisuke

人材派遣会社で数年間コーディネーターとして従事し、その後海外へ。現在は、ライター・翻訳者・日本語教師という3つの顔を持つ。政治・経済・教育を中心に幅広いジャンルで執筆中。