- 2024年8月上旬
- オンライン
- 2週間以内
- 交通費支給あり
- 昼食支給あり
ES
| 提出締切時期 | 2024年7月下旬 |
|---|
やわらかく火が通った根菜類、しょうゆベースの出汁、じっくり煮込まれた揚げもの系たんぱく質。それがご飯の湯気と一緒にやってくる。某定食チェーンの“〇〇〇煮”に、気づけば毎週のように足が向いてしまいます。
創業〇〇年代の頃から変わらぬ味を守り続け、今や国内外数百店舗の看板メニュー。でもふと考えると、「揚げたお肉を出汁で煮る家庭料理」って、あまり一般的ではない気もする。さらに「〇〇の味」って、誰にとっても共通の“家の味”とは言いがたい。
家庭の味は、地域や時代、その家庭の事情でまったく異なるし、同じレシピでも手抜きの日と気合いの日で味は変わる。それなのにこの“〇〇の味”と名付けられたメニューは、なぜこれほど受け入れられているのか。
たぶん「〇〇の味」は、今では「記憶を呼び起こす装置」になっているのだと思う。進学や就職でふるさとを離れた人たちにとって、「昔、誰かがつくってくれたような味」には、あたたかい気配や安心感が宿っている。実際の味と一致していなくても、「なんとなく懐かしい」が大事なのだ。
この“〇〇〇煮”が登場したのは、ちょうどあの「お湯をかけるだけで食べられる〇〇食品」が発売された年でもある。調理の手間を省ける時代に突入し、多くの人が“あたたかい記憶”まで外食で補うようになった。
上京してもうすぐ〇年。すっかり都会の味にも慣れたけれど、ふとした瞬間にあの出汁の匂いが恋しくなる。そんなとき、私はまた“〇〇〇煮”を食べに行くのです。
読み手の印象に残るような奇抜さを意識しつつも、アイデアに至るまでの論理的な構成と、最後にきちんとした着地点(結論)を持たせることを大切にしました。企画職向けの選考だったため、発想のユニークさだけでなく、その根拠や意図を明確にし、説得力のあるストーリーになるよう工夫しました。