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新卒採用で導入が進む動画選考とは?自己PR動画のコツと注意点

新卒採用で「動画選考」を導入する企業が増えています。就活生ならチェックしておきたい動画選考とはどのようなものなのかを解説します。さらに、現在の導入状況、動画撮影のやり方のコツや注意点などもまとめてご紹介します。

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動画選考とは

動画選考とはどのような選考?

動画選考とは、スマホやタブレット、パソコンなどのデバイスに搭載されたWebカメラを使って就活生が動画を撮影して企業に送る方法でおこなわれる選考です。動画の内容は、企業からの質問に回答したり自己PR動画を作成したりする内容などさまざまです。Skypeなどのインターネット電話サービスを介してライブ形式で行われるWeb面接も含みます。

動画選考はどのタイミングで導入されることが多い?

企業により異なりますが、有効な応募者を確保したい企業は、動画選考を「インターン選考」や「一次選考」に導入するパターンが多く見られます。つまり、二次以降へ進む選考材料という位置づけといえるでしょう。

出典:写真AC

動画選考を導入する企業の意図やその背景

次に、なぜ動画選考を導入する企業が増えているのか、その意図や背景を解説します。企業の意図や目的を理解することは、動画選考を成功へ導く近道になるはずです。

企業が動画選考を導入する意図と背景

企業が動画選考を導入するのは、ESなどの書類上ではわからない学生の個性や魅力を見たいという目的があります。学歴や文章に自信がない学生にとってはチャンス!応募企業の求める人物像に近づける動画を撮影してみるのも手段のひとつかもしれません。自分の強みを戦略的にアピールできるように、じっくり自己分析しましょう。

また、動画選考を導入するもう1つの理由として、企業側の採用業務の効率化というものがあります。面接の代わりに動画選考にすることで、学生との日程調整や場所の確保が不要となるため、採用にかける時間が短縮され、業務フローの効率化につながります。働き方改革の一環として取り組む企業もあるかもしれません。

動画選考の導入状況は?

動画選考の導入状況

2020年卒業予定者を対象に2019年7月に実施された調査によると、学生の31.3%が「自己PR動画」の提出を求められています。つまり、約3人に1人が提出を求められており、すでに一定の企業が導入していることがわかります
また、「録画面接」を求められた学生は16.4%で、そのうちの13.6%が提出。「Web面接」は22.8%で、19.7%が実施しています。

一方、半数以上となる65.7%の学生が「自己PR動画」による選考に反対。「録画面接」も同様に70.0%が反対しています。

キャリタス就活2020学生モニター調査結果
https://www.disc.co.jp/wp/wp-content/uploads/2019/07/201907_gakuseichosa.pdf

動画選考に対する学生の考えは?

多くの学生が「動画選考」に対して否定的ですが、当然のことながら肯定的に捉えている学生もいます。ここでは簡単に両者の意見を紹介します。

肯定的な意見

・文字では伝わらない雰囲気などを伝えられる
・会場へ行かなくてもいいので時間を有効に使える
・遠方の企業にエントリーしやすい
・地方の就活生の負担が減る
・志望度が高くなければやらないほど面倒なのでスクリーニングになるなど

否定的な意見

・きちんとした動画を撮影するのが難しかった
・Wi-Fi環境がないので撮影場所に困った
・反応が確認できないから話しにくいなど

否定的な意見からは、導入されたばかりでやり方等がわからず戸惑っていることが伺えます。これらの否定的な要素を克服すれば、動画選考は企業・学生の両者にとってメリットを享受できるものになっていくのかもしれません。

動画選考ではどんなテーマが課せられる?

自己PR動画や録画面接の提出を求められた学生にとって懸念材料となるのは、どのようテーマ(企業から学生への質問)が設定されているのかということでしょう。テーマ内容は企業により異なりますが、頻出するテーマをご紹介しておきます。

頻出する動画選考のテーマ(質問)

・自由に自己紹介してください
・当社であなたが活かせる「強み」は何ですか?
・自分がどのような人間なのか、その理由とともに教えてください
・学生時代に一番打ち込んだことを教えてください
・志望動機を教えてください
・入社したらやってみたい仕事はありますか?

各テーマは、「1分以内」あるいは「2分以内」というように制限時間が設けられ、質問数は企業により違います。比較的自由度が高い質問から、的を絞った質問までさまざまで、ある意味では質問内容から企業色が見て取れるともいえるでしょう。

動画選考のやり方のコツと注意点

では最後に、動画選考のやり方のコツと注意点をまとめます。参考にしてみてください。

やり方のコツ

・最初の20秒で相手の関心を引きつける
動画の冒頭で相手の関心を引きつけられるかがポイント。関心を引きつけられないと、最後まで見てもらえない可能性もあります。例えば、最初の10秒で自己紹介をして、次の10秒で自分の強みをアピール。その際、強みをフリップに書いて示したり、絵を描いて表現したりすると面接官の関心をひく可能性があります。その後は強みに関するエピソードへ移行し、その強みが志望企業でどのように活かせるのかを話していくと全体のまとまりがよく、最後まで見てもらえる可能性も高まるでしょう。

・各テーマに対する「結論」は冒頭に述べる
各テーマ・質問に対する回答方法としては、通常の面接でもよく言われますが、必ず最初に結論を簡潔に述べましょう。結論を最後に言うと、それまでの話がグダグダになりやすい上に、企業側に最後まで見てもらえない可能性も出てきます。

・照明の明るさに気をつける
暗い映像は暗い印象を与えます。過剰にライトを当てる必要はありませんが、適度な明るさは必要です。何度か試し撮りをしながら、明るさを調整するようにしましょう。ライトは正面あるいは斜めから当て、白い紙などを顔の下に置いて反射させてみてください。その際、紙が画面内に写り込まないように注意しましょう。

・ハキハキと明瞭に話す
ハキハキと明瞭に話すと、明るい印象を与えます。無理のない笑顔でゆっくり話すのがポイント。声の大きさにも気を配りましょう。語尾の伸ばす話し方は幼稚な印象になるので、意識して語尾を切るよう心がけてください。

・目線はレンズの少し上に
目線が下がれば暗い印象になり、反対に上目遣いはにらんでいるように見えることがあります。レンズあるいはレンズの少し上に目線を向けて話すのがベスト。画面には胸元まで映り込むようにセットしましょう。

・ホワイトボードやフリップを活用する
話すのがあまり得意ではないという人は、ホワイトボードやフリップなどを活用するのもひとつの方法です。独自のアイディアで自分らしさを強調しましょう。

注意点

・録画する端末をずれないように固定する
カメラレンズは目線に合わせて固定し、目線が真っすぐになるように固定します。スマホやタブレットの場合、倒れたりずれたりすることがないよう注意しましょう。手で持ったまま録画をするのはNGです。

・服装
「私服」という指定がなければ、リクルートスーツが適しています。個性を出したいからといって、TPOをわきまえない服装はNG。ただし、体育会系の学生がユニフォームなどを着用するのは許容範囲です。じっくり企業の意図を考えて判断しましょう。

・撮影場所の選定
雑音がなく、周囲の人の話し声などが聞こえない静かな場所が適しています。電車や車の音にも注意が必要です。自宅がベストですが、無理ならレンタルスペースなどを活用してもいいでしょう。

・携帯の電話やメールの通知をオフにする
雑音が入らないということに通じますが、携帯電話の通知音もオフにしておきます。

・早口にならないよう注意する
焦ったり緊張したりすると早口になりがちです。意識してゆっくり話すようにしましょう。

・十分に練習する
練習すればするほど安心できるものです。また、練習内容を見直すことで完成度も上げられ、自信もつきます。友人などにも見てもらい、他人目線の意見も聞いてみましょう。自信がないとそれが動画にも表れてしまいますので、雰囲気に十分に練習して、自信のなさをカバーしましょう。

動画選考は練習すれば怖くない!何度も練習して完成度を上げよう!

一発勝負の対面面接とは異なり、何度でも撮り直しができるのが動画選考のメリットです。慣れないうちはうまく撮れないかもしれませんが、練習をやればやった分だけ上達するので、何度も撮影して完成度を上げていきましょう。

参考

[1]キャリタス就活2020学生モニター調査結果
[2]https://www.disc.co.jp/wp/wp-content/uploads/2019/07/201907_gakuseichosa.pdf
[3]2020.3.1

reisuke

著者:reisuke

人材派遣会社で数年間コーディネーターとして従事し、その後海外へ。現在は、ライター・翻訳者・日本語教師という3つの顔を持つ。政治・経済・教育を中心に幅広いジャンルで執筆中。