【新卒就活】斜陽産業・衰退産業への就職はアリ?将来性はあるの?

就活を進めていく中で、もし志望する業界や企業が斜陽産業・衰退産業だとわかったら、どうしたらいいのか悩む学生も多いのではないでしょうか。ここでは、それらの産業の背景や将来性などを含め、斜陽産業・衰退産業について解説します。

斜陽産業・衰退産業とは

まず、斜陽産業・衰退産業とは何かを解説するとともに、斜陽・衰退した理由も探っていきましょう。

斜陽産業・衰退産業とは

「斜陽」とは西に傾いた太陽、つまり夕日を意味する言葉です。沈みゆく太陽=夕日に例えられるとおり、「斜陽産業」とは、需要が減少傾向にある産業を指し、産業としてのピークが過ぎて低迷状態にあることを指します。「衰退産業」も同様で、将来的に衰退が予想される産業を指します。斜陽産業・衰退産業の対義語は、「発展産業」「繁栄産業」「成長産業」などがあたります。

斜陽産業になった原因

以前に繁栄・発展した産業が斜陽・衰退に転じたのは、どうしてなのでしょう?その主な原因は以下の通りです。

 <斜陽産業になった原因>

・産業の成熟期を越えた(市場シェアの限界)

・技術革新などにより、新たな産業が登場した

・外国製品の輸入や新技術による競争の激化

など

第2次世界大戦後から1960年まで繁栄した石炭産業は、エネルギー革命により衰退した産業のひとつ。また、繊維産業なども国内で生産するとコストが多くかかることから比較優位性を失い、輸入製品に需要を侵食されています。

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斜陽産業・衰退産業と言われる産業にはどういうものがある?

次に、斜陽産業・衰退産業と言われる産業をその背景とともに紹介します。

斜陽産業・衰退産業とその背景

・印刷業

新聞や雑誌、書籍などの印刷を手がける産業。IT技術の発展に伴って、紙媒体がデジタル化された影響を大きく受けています。また、DTP(Desktop Publishing)技術が進歩し印刷工程が簡略化されたことも、業界縮小の要因と言えるでしょう。

・出版業

書籍や雑誌等の企画・編集・発行を担う産業。印刷業と同様に、スマートフォンや電子書籍などが普及したことで紙の需要が大きく減少。それに伴い、書籍類のデジタル化のほか、SNSを利用した情報発信やネット動画配信にも取り組むなど、業界全体が紙媒体だけに縛られないビジネスへと再編を進めています。

・テレビ業

インターネットの普及に伴い、家でテレビを見るという生活スタイルが変化。ネット配信動画サービスの急伸も手伝って、若い世代を中心に視聴者数は大きく減少してきています。

・音楽業

時代とともに音楽ソフトはレコード、カセット、CDと変化してきましたが、現在の音楽はインターネットを利用したダウンロードやサブスクリプション(定額制)が当たり前に。CD売り上げに頼っていられない時代になってきています。

・広告業

広報・マーケティング活動全般を担う産業。かつて売り上げの柱であったテレビコマーシャルや看板の需要は低下しており、現在はインターネット広告の売り上げが伸びているものの、その広告費用はテレビコマーシャル等よりも格安のため、利益につなげにくいのが現状です。

・百貨店・デパート業

昭和に繁栄した百貨店やデパートは他の小売業とは差別化された高級感が売りでしたが、1990年代を境に売り上げが減少。ネット通販の伸長のほか、大型ショッピングモールなどの台頭で百貨店やデパートへ足を運ぶ顧客も減少しました。そのため大型店舗の閉店など、経営戦略の変化が求められています。

・アパレル業

百貨店・デパート業と同様の理由でネット通販が市場を侵食。また、高いブランドの服がおしゃれだと考えられていた時代から、リーズナブルな価格で満足できるプチプラブランドやファストファッションが注目される時代に変化していることも要因のひとつです。

・流通・小売業

百貨店・デパート業と同様の要因があるほかに、国内の個人消費が冷え込んでいることも大きく影響。圧倒的なコストダウンや産業構造変革に暗中模索が続きます。

・銀行業

安定した収入が手に入れられることから、かつては就活生から人気の業界でしたが、人口の減少や経済の縮小などの要因により、斜陽産業のひとつに数えられています。また、インターネットバンキングの普及により窓口業務も行員数も減少。今後はAI導入で、ますます行員の需要が減る恐れがあります。

・保険・金融業

保険業や証券業などもインターネットの普及により、かつての顧客を訪問して契約を結ぶという営業スタイルは少なくなり、現在の取り引きはオンラインが主流。銀行と同様に多くの社員を必要としなくなっています。

・電機メーカー

家電やオフィス機器などを開発・製造する業界。海外メーカーとの価格競争が激化することで市場シェアを奪われつつあり、業界の構造も変化が進んでいます。家電の低価格化のあおりを受けて、家電量販店も衰退していると言えるでしょう。

・カメラメーカー

スマートフォンの台頭により、デジタルカメラ市場は縮小へと追いやられているのが現状。いまやスマートフォンのカメラはデジタルカメラの性能を超えるほどなので、高付加価値製品を開発するほか、強みを生かして他業種へ進出するなど、生き残り戦略が重要な時代に突入しています。

・弁護士業

司法制度改革により法曹会人口が急増したため、弁護士業だけでは収入が足りない弁護士が続出。案件の争奪が激化し、稼げる弁護士と稼げない弁護士との格差が生じています。「司法試験に合格すれば安泰」という時代は終わってしまったのかもしれません。

・造船業

かつて花形だった造船業は2011年をピークに世界的に新造船建造量が激減し、市場が低迷。韓国・中国勢に押される日本の造船業も斜陽産業のひとつです。

 

上記のほかにも、若い世代の担い手が不足している農業や水産業、漁業なども斜陽産業と言われます。

志望する業界が斜陽産業・衰退産業でも大丈夫?志望動機はどう作る?

自己分析を重ねた結果、自分のやりたいことや進みたい業界が斜陽産業・衰退産業だった!という場合もあるでしょう。あえて斜陽産業・衰退産業に進んでもいいのか迷う就活生のために、斜陽産業・衰退産業の強みについて考えてみましょう。

斜陽産業・衰退産業を志望する大学生は熱い!?

斜陽産業・衰退産業と知りながらも志望する就活生は、その業界や企業で「やりたいこと」や「夢」がある場合が多いです。つまり、安定や安心を求めるのではなく、あくまでも「自分のやりたいことを追求したい」という熱い思いが強いということ。斜陽産業・衰退産業には「いまさら○○業界に就職するなんて…」という周囲の雑音を気にしない情熱的な人が集まる、活気のある業界とも言えるのではないでしょうか。切磋琢磨できる仲間に恵まれる可能性は大いにあります。

斜陽産業・衰退産業への志望動機はどう作る?

熱い思いを正直に志望理由に入れるのは大切なことですが、「やりたいこと」を漠然と伝えるだけでは意味がありません。また、どの業界でもできるようなことでは、説得力に欠けるでしょう。「なぜ」やりたいのか、「なぜ」その業界なのかを具体的に示すことが重要です。さらに、斜陽・衰退する中で、どのように「やりたいこと」を続けていくのか、それにはどのようなスキルが必要になるのかも盛り込んでみましょう。

斜陽産業・衰退産業と企業の将来性はイコールではない!

斜陽産業・衰退産業の企業には将来性がないと考えられがちですが、決してそのようなことはありません。つまり、斜陽産業・衰退産業と企業の将来性はイコールではないということです。

斜陽産業は時代とともに変化

ここで紹介した通り、日本には多くの斜陽産業・衰退産業が存在します。その理由は、日本が国として成熟しているからです。第2次世界大戦後の高度成長期には、多くの産業が発展・繁栄しました。つまり、斜陽産業・衰退産業は時代とともに変化するということです。今、人気がある、あるいは成長している産業が、40年後50年後に同じ状況とは限りません。また、国や地域が変われば、斜陽産業・衰退産業も異なります。

斜陽産業・衰退産業≠企業の将来性

業界自体が衰退しているからと言って、その業界にある企業に将来性がないとは言い切れません。斜陽産業・衰退業界でも、業績を上げている企業は存在します。また、新たな戦略で他の産業に参入する可能性もあるでしょう。大切なことは、企業の将来性を見極めること。そのためには、企業のビジョンや戦略を研究する必要があるでしょう。

斜陽産業・衰退産業を志望するなら、企業ごとに将来性を見極めよう!

あえて斜陽産業・衰退産業に飛び込んで働き続けることで、その業界や企業での人材価値を高められる場合もあります。斜陽・衰退傾向にある産業を志望するなら、その理由をしっかり探るとともに、それぞれの志望企業のビジョンや戦略、目標などを確認し、将来性があるかどうかを見極めるようにしましょう。

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著者:reisuke

人材派遣会社で数年間コーディネーターとして従事し、その後海外へ。現在は、ライター・翻訳者・日本語教師という3つの顔を持つ。政治・経済・教育を中心に幅広いジャンルで執筆中。