面接で聞かれる?消費税増税の理由とメリット・デメリットを解説

2019年10月に引き上げられた消費税。タイムリーな話題であるため、面接の時事問題で聞かれる可能性があります。増税で何が変わったのかを十分に理解できていない就活生のために、消費税増税について詳しく解説します。

そもそも「消費税」ってどんな税金?

消費税増税に関して解説する前に、「消費税」についておさらいしておきましょう。

消費税とは

消費税は消費一般(買い物)に対して公平に課される税金のこと。少子高齢化で圧迫される年金・医療・介護などの社会保障費の財源として、1989年に導入されました。消費・流通で広範囲に課税することで、負担能力に関係なく等しく税負担がかかるのが特徴です。また、消費税のように実際に税金を払う人(物品購入者)と、その税金を納める人(消費税を徴収した小売業者など)が異なるものを「間接税」と言います。

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消費税はなぜ増税されたのか?

これまでの経緯

平成元年となる1989年4月に財政再建のために導入された消費税は、導入当初の3%という税率から5%、8%と段階的に引き上げられ、まさに平成とともに歴史を刻みました。そして、令和元年となる2019年10月に10%へ増税され、新たなターニングポイントを迎えています。

消費税が増税された理由

段階的な増税を経て10%となった消費税ですが、増税の主な理由は「社会保障財源の確保」「不景気でも安定的な税収が見込めること」など。つまり、他国と比べて厳しい状況の「財政の健全化」と「社会保障の充実・安定化」を同時に達成するためです。政府は増税分全額を社会保障に充て、待機児童の解消や在宅医療・介護の体制を整備することを公言しています。また、所得税や法人税ではなく消費税が増税された理由は、所得税や法人税より景気による影響を受けないからです。

消費税増税のメリット・デメリット

消費税や増税の理由が分かったところで、消費税増税のメリットとデメリットについて解説します。

メリット

社会保障の充実

社会保障の財源確保を目的に増税されるため、当然のことながら社会保障が安定し、これまでより充実するでしょう。社会保障とは、個人的なリスクとなる医療保険や年金、介護、生活保護、子育て支援などのこと。つまり、生活がしやすくなるということです。

税収の安定

先にも述べたように所得税や法人税は景気に左右されますが、消費に対する課税はより安定した税収になります。税収が安定すれば地方自治体にも分配されるため、地方行政の財政難が緩和され、直接的な恩恵を受ける可能性もあるでしょう。

収入に関係なく幅広く租税できる

買い物をしたときに税が課されるという消費税の性質上、収入に関係なく幅広く徴収できるので不平等感が生まれません。また、所得税や法人税のように現役世代から徴収した税金を高齢者の社会保障に使うと不満が膨らみますが、すべての人が平等に支払う消費税が充てられれば、不満の軽減にもつながります。

脱税されにくい 

消費税は購入時に徴収されるので、脱税されにくいという特徴があります。

デメリット

家計への負担

消費税そのものや増税分は、当然のことながら家計に重くのしかかります。特に、高額な商品を購入する際の税負担は厳しいでしょう。

購買意欲の低下

家計への負担が大きくなれば、購買意欲の低下が考えられます。購買意欲が低下すれば、景気が悪化する可能性も否定できません。また、増税前に駆け込みで高額な商品等を購入した場合、その反動で増税後は一時的に景気が悪化するでしょう。

低所得者あるいは中小企業の負担増

同じものを購入しても税率は同じですから、低所得者ほど負担が増えます。ひどいケースでは、生活保護に頼らざるを得なくなる人もいるかもしれません。また、増税分を価格に転嫁できるかを懸念する中小企業は多く、転嫁できなければ自社負担となり、最悪のケースでは倒産や廃業も考えられます。

今回導入された「軽減税率」って?

デメリットでも述べたように、消費税の増税は低所得者への負担が増します。そこで、政府は増税とともに「軽減税率制度」を設けました。ここでは新たに導入された、「軽減税率」について解説します。

軽減税率とは

低所得者の税負担軽減のために導入された「軽減税率」は、外食と酒類を除く飲食料品と新聞の税率を8%のまま据え置くというもの。少し分かりにくいのが外食で、レストラン等の飲食店の店内(イートインやフードコートを含む)で飲食すれば10%、持ち帰れば8%の消費税がかかります。

8%に据え置かれる具体的な商品は?

飲食料品

食品表示法に規定する食品。つまり、すべての飲食物が当てはまります。一方、「医薬品」「医薬部外品」「再生医療等製品」には食品衛生法に規定する添加物が含まれるため対象外です。

新聞

週2回以上発行される定期購買契約に基づくもの。

一体資産

一体資産とは、食品と食品以外の資産が一体となった商品のこと。例えば、おもちゃ付きのお菓子など。この一体資産に分類されるもののうち、税抜価格が1万円以下で食品の価値が占める割合が2/3以上である場合、全体が軽減税率の対象です。

テイクアウト・出前・宅配

テイクアウトや出前・宅配は軽減税率の対象となる一方、ケータリング等は対象外。また、有料老人ホーム等での飲食料品や給食は軽減税率の対象です。

消費者購買行動の変化と緩和策は?

消費に関わる環境が変わりつつあるなか、消費者の購買行動はどのように変化するのでしょうか。どのような緩和策が実施されているかを解説します。

ポイント還元

2019年10月から2020年6月まで限定で、対象店舗でキャッシュレス決済すると最大5%のポイント還元が受けられます。キャッシュレス決済の方法は、クレジットカード、デビットカード、電子マネー/プリペイドカード、スマートフォン。スマートフォンではバーコードなどを使い支払うことができます。これは影響を受けることが予想される中小店舗の売り上げを落とさないための処置です。

マイナンバーカードを活用

令和2年度に実施が始まる「マイナポイント」。マイナンバーカードとマイキーIDを作成し、民間キャッシュレス決済手段に一定額を前払いすればポイントが付与され、ポイントは小売店等で買い物に使えます。

そのほかにも、3歳未満の子育て世帯などを対象としたプレミアム付き商品券の発行・販売や、2019年10月以降に初回新規登録した自家用車の自動車税を引き下げるなど、さまざまな緩和策が実施されています。

また、出前や宅配が軽減税率の対象のため、外食産業の宅配サービスが増加するでしょう。面接でどんな質問がきても困らないように、日頃からアンテナを高くして情報収集に努めることをおすすめします。

今後はもっと上がる?各国の消費税と比較

とうとう10%の大台に乗ってしまった消費税。各国の消費税率と比較しながら、今後の見通しについて考えてみましょう。

各国の消費税

ヨーロッパ諸国では「付加価値税」として消費税が徴収されており、世界では150以上の国と地域で導入されています。消費税率が15%以上の国は、すべて欧米諸国です。

<各国の消費税率>
25%:デンマーク、スウェーデン、ノルウェー
22%:イタリア
21%:オランダ、ベルギー
20%:フランス、オーストリア、イギリス、
19%:ドイツ
15%:ニュージーランド
13%:中国
12%:フィリピン
10%:日本、韓国、インドネシア
7%:タイ、シンガポール
5%:台湾、カナダ

参照:(2019年11月10時点)
https://www.nta.go.jp/taxes/kids/hatten/page13.htm

今後の見通し

日本政府は2019年7月に「今後10年ぐらいは消費税増税の必要はない」と明言していますが、これも政権が変われば定かではありません。国民のなかには、「10%引き上げ以降もさらなる増税があるのでは?」「消費税はどこまで上がるの?」と考える人も少なくないでしょう。なぜなら、少子高齢化は進むばかりだからです。

また、各国の消費税率からも分かるように、すでに20%を超える国もあるなど、日本政府としては模倣しやすい状況と言えるのではないでしょうか。先のことは分かりませんが、今後はますます社会保障財源が圧迫されることは容易に予想できるので、段階的に引き上げられていくことを念頭に置いておいた方がいいかもしれません。

消費税増税を熟知して時事問題を乗り切ろう!

就活生でも馴染みの深い消費税に関して熟知しておけば、就活面接の時事問題も乗り切れるはずです。これを機会にメリット・デメリットをしっかり理解し、自分なりに消費税増税に関する考えをまとめておくといいでしょう。

参考

[1]No.6101 消費税のしくみ|国税庁
[2]https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6101.htm
[3]2019.11.10

[1]6「消費税」を知ろう 財務省
[2]https://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/zeisei2907_pdf/06.pdf
[3]2019.11.10

[1]よくわかる消費税軽減税率制度 国税庁
[2]http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/0018006-112.pdf
[3]2019.11.10

[1]キャッシュレス決済に対するポイント還元制度のこと | 政府広報オンライン
[2]https://www.gov-online.go.jp/cam/shouhizei/cashless/
[3]2019.11.10

[1]マイナンバーカードを活用した消費活性化策のこと | 政府広報オンライン
[2]https://www.gov-online.go.jp/cam/shouhizei/mynumber/
[3]2019.11.10

[1]プレミアム付商品券事業のこと | 政府広報オンライン
[2]https://www.gov-online.go.jp/cam/shouhizei/shouhinken/
[3]2019.11.10

[1]自動車の購入の支援のこと | 政府広報オンライン
[2]https://www.gov-online.go.jp/cam/shouhizei/jidousha/
[3]2019.11.10

[1]税の国際比較 | 税の学習コーナー|国税庁
[2]https://www.nta.go.jp/taxes/kids/hatten/page13.htm
[3]2019.11.10

[1]首相、消費税10%に引き上げ後「10年増税必要ない」 - 2019参議院選挙(参院選):朝日新聞デジタル
[2]https://www.asahi.com/articles/ASM735KP7M73UTFK01V.html
[3]2019.11.10

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著者:reisuke

人材派遣会社で数年間コーディネーターとして従事し、その後海外へ。現在は、ライター・翻訳者・日本語教師という3つの顔を持つ。政治・経済・教育を中心に幅広いジャンルで執筆中。