暇な時にはスマホでゲーム!そんな方も少なくないはず。身近なゲームだからこそ、「これを作る現場は面白そう」と感じてる方は多いのでは?ここでは業界未経験でもゲーム業界に転職可能なのかについて考えてみたいと思います。
未経験でもゲーム業界に転職することは可能?
かつて「ゲーム」と言えば家庭用ゲーム機で楽しむコンシューマー向けゲームが主流でしたが、2011年以降の「スマホの爆発的普及」とともに、オンラインゲーム・ソーシャルゲームに主役の座を取って代わられました。2018年、世界のゲーム市場規模は15兆円を超え、3年後の2021年には20兆円を超えると予測されています。世界的な市場拡大傾向の中、国内ゲーム業界の人材ニーズはまだまだ高いといえます。
ゲーム業界では多彩な人材が求められる
今話題のスマホゲームといえば「キングスレイド」「グランドサマナーズ」「ロードモバイル」などが挙げられますが、ヒットの要因となっているのは「抜群の企画力」であり、「アイデアを形にする技術力」でしょう。業界全体が拡大傾向にある中で出身分野を問わない幅広い人材が求められており、現に異業種から参入してきた人材が多数活躍しています。
業界関係者曰く、業界経験よりも「ゲームが好き」という思いこそが大事というゲーム業界。少しでも興味があるならチャレンジする価値は十分です。
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出典:fotolia
ゲーム業界への転職を目指す人が知っておきたい「職種」
「ゲーム」から連想される職種といえば、やはりプログラマなどのエンジニア系のイメージが浮かびますが、実際には幅広い職種があります。ゲーム開発はプロジェクトとして進められることが多く、ゲームプランナー・ディレクター・デザイナー・アートディレクター・サウンドクリエイター・デバッカーなど様々な職種のメンバーが集まって開発を行います。
代表的な職種についていくつか紹介しましょう。
ゲームプランナー
ゲームのアイデアを考えるのがゲームプランナー。ゲーム業界の中でもっとも就職人気の高い職種です。ゲーム全体の企画・設計を行い開発のベースとなる仕様書を作成します。
ディレクター
いわゆる監督的立場で開発プロジェクトを統括していく仕事です。プロジェクトの予算・工程・品質などを管理するのがおもな役割です。
デザイナー
ゲームに登場するキャラクターや背景など、ゲーム内のグラフィックをデザインする仕事です。
プログラマ
キャラクターなどのグラフィック、サウンドなどすべての要素がゲームとして動くためのプログラミングを行う仕事です。
サウンドクリエイター
ゲームの世界観に沿って効果音、BGMほか各種サウンドをクリエイトするのが役目。主題歌などを手掛けることもあります。
デバッカー
実際にゲームをプレイしてバグなどの不具合がないか、仕様書通りに仕上がっているか、ゲームとして満足いくクオリティに仕上がっているかを検証する仕事です。
未経験転職者が多いゲーム業界
ゲーム業界での仕事はおもにクリエイター職が多く、職種ごとに高い専門性・スキルが求められるものと、未経験からでもスタートできるものとに分かれます。
実務経験、専門スキルが求められる職種
ディレクター、サウンドクリエイター、デザイナー
業界未経験からスタートしやすい職種
ゲームプランナー、プログラマ、デバッカー
ゲーム業界において特に人手不足であるのがプログラマ。「プログラミング経験ゼロでも採用可」とする企業が多く、転職先としては狙い目です。また専門スキルがなくともユーザー視点で開発に参加できるデバッカーはゲーム業界の登竜門として人気があります。
ゲーム業界への転職に必要なスキルや資格とは?
前項で紹介したおもな職種について、それぞれどんなスキル・経験が必要となるか紹介します。
ゲームプランナー
ゲームプランナーに求められるのは、高い企画力と折衝力。ユーザーが何を求めているかを敏感に察知し、オリジナリティ溢れるゲームを企画するセンスが要求されますが、この仕事には業界経験の有無よりもプランナーとしての実務経験のほうが重要といえます。
ディレクター
企画から開発までの全工程を管理するため、高いマネジメント力が必要となります。またゲーム制作の全工程に深く関わるため、企画・デザイン・エンジニアリングなど総合的な知識が必要となり、ゲーム制作の現場を熟知している経験者に限定されるようです。
デザイナー
デザイナーは他の職種に比べてスペシャリストの色合いが濃く、デザインの基礎を学んだ上で実務経験を積んだ人がほとんど。未経験からデザイナーへ転職するのは難しいといえるでしょう。
プログラマ
ITスキル全般と各種プログラミング言語の知識が必須です。ただしゲーム業界では慢性的にプログラマが不足しており、未経験者をゼロから育成し戦力化している企業も多いため、意欲さえあれば未経験から始めることも可能。ただし、一人前のプログラマとなるためにはそれなりの期間を要しますので、スクールなどで学ぶなどの準備をしてから転職されることをおすすめします。
デバッカー
実際にゲームをプレイするのは一見楽しそうですが、あらゆる操作を試して不具合がないかをチェックするには「すべてに目を配る丁寧さ」と「長時間検証を行う根気強さ」が必要です。ゲーム業界の登竜門としてここから始める人が多いようです。
サウンドクリエイター
デザイナー同様に専門性の高い仕事です。音楽に対しての深い知識・作曲能力・ゲームの世界観を表現するセンスが求められます。
職種ごとに必要なスキル・経験を見極めよう
高度な専門性を要求されるものから、経験ゼロからでもスタート可能なものまで、ゲーム業界には多彩な仕事があります。著名なゲームプランナーの中には業界経験ゼロでデバッカーからスタートした方もいます。ゲームが好きな方なら、チャレンジする価値は十分あると思います。
ゲーム業界への転職・求人の探し方
ゲーム業界の求人は、おもにIT関連職種もしくはクリエイター職として公開されています。求人情報の探し方として次の3つの例を紹介します。
(1)転職サイトで探す
無数にある転職サイトですが、「業種特化型」「職種特化型」「派遣専門」などそれぞれに特色があります。近年はクリエイター職専門の転職サイトも増えており、ゲーム業界の求人は比較的探しやすくなっているのではないでしょうか。
まずはそのサイトの特色を見極め、IT関連職とクリエイター職から絞り込んでいくよいでしょう。
(2)転職エージェントで探す
転職サイトと同様にそれぞれ得意業界を持っていることが多いので、IT系・クリエイター系に強いエージェントを選ぶ必要があります。またデザイナーやサウンドクリエイターなど専門性の高い職種の場合、クラウドソーシングのプラットフォーム上にも求人情報が紹介されています。
(3)企業の公式Webサイトから探す
ゲーム業界の仕事は総じて多忙であり、業界内での人材の流動性も高いため通年採用を行う企業が多くなっています。実際にゲーム会社のWebサイトをご覧頂ければわかる通り、ほとんどの企業が中途採用の募集要項を掲載していますので、企業のWebサイトは常にチェックしておいたほうがよいでしょう。直接応募の場合、転職活動を短期化できるメリットもあります。
ゲーム業界への転職は未経験でも挑戦する価値あり!
ゲームが好きであることこそがゲーム業界で活躍するための条件。専門性が発揮できるものから未経験でもスタートできるものまで、多彩な仕事があるのがゲーム業界の魅力です。ゲームに興味があるという方なら、経験にとらわれずチャレンジする価値はあると思います。
関連リンク
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フリーランスライター
1989年リクルート入社。情報誌の企画・制作業務に携わる。
2001年フリーランスとして独立。現在は企業向けに人材採用・教育、広報関連のコンサルティング業務と各種メディアでのライティングを行う。
1965年生まれ・52歳 栃木県在住