携帯をチェックしてたら応募企業の人事担当者から着信あり・・・
「すぐに折り返さなきゃ」と何も考えずに焦って電話をすると、思わぬ失敗の恐れがあります。ここでは企業へ折り返し電話をする際の心得についてご紹介します。
就活で電話をもらった場合、折り返す前に準備したいこと
企業からの電話に出られなかった場合、折り返しの電話は速やかにするのがベターですが、その際いくつか注意すべきポイントがあります。
電話を折り返す前に注意したいこと
(1)留守番電話にメッセージがないかをチェック
面接日程の連絡など、重要な用件の場合はメッセージを残す場合がほとんど。その場合、先方はメッセージが伝わることを前提としているので、概要を把握した上で折り返すべきでしょう。また、「不明な点がなければ折り返し不要」とのメッセージが残っている可能性もあるので、留守電チェックはお忘れなく。
(2)メモを用意する
電話の内容を忘れないよう必ずメモを用意しましょう。面接の日時・場所など重要なことはメモしておくことが大切です。
(3)スケジュール帳を用意する
面接の日程確認などの場合、すぐさま答えられるようにスケジュール帳は必須。確認して再度連絡するというのは準備不足が露呈しますし、他の予定とのダブルブッキングになったら最悪です。
電話をかける際の注意点
(1)時間帯に注意する
「担当者は多忙な日々を送っている」ということを念頭に置き、電話をかける時間帯には配慮しましょう。朝早い時間帯、昼休み、就業時間間際の時間帯は避け、「始業から2時間後・終業2時間前」を目安にするとよいでしょう。一般的にこの時間帯は比較的業務に余裕が生まれやすいとされています。
(2)静かな場所からかける
外出先から連絡する場合、混雑した場所や電波状態の悪い場所は避けましょう。騒音で聞き取れなかったり、電波状態が悪く途中で切れたりすると相手に悪い印象を与えてしまいます。
▽電話をかけるのも待つのも緊張の連続!
選考の電話待ちが耐えられないのクチコミ・掲示板 - みん就(みんなの就職活動日記)
出典:fotolia
就活での折り返し電話のマナー(1)電話口での会話
次に、電話を掛ける際の注意点を見ていきましょう。実際の電話のやり取り例をもとにポイントを紹介します。
やり取り例
企業:株式会社○○人事部△△でございます。
学生:お忙しいところ恐れ入ります。私、○○大学〇年生の■■と申します。先ほど採用担当の○○様よりお電話を頂きましたが、あいにく講義中のため出ることができず折り返しのご連絡を差し上げました。恐れ入りますが、○○様がお手すきでしたらお繋ぎいただけますでしょうか?
ー担当者に繋いでもらうー
ポイント
(1)まずは電話に出た方に対し「お忙しいところ恐れ入ります」「お世話になっております」などきちんと挨拶し、就活生であることがすぐにわかるように学校名と姓名を名乗る。(同じ大学で同姓の者がいる場合もあるので、フルネームを名乗る)
(2)次に用件を簡潔に述べる。この場合、採用担当の○○さんから電話をもらったが、出られなかったため折り返しの電話をしたということを伝える。
(3)担当者が業務中であることに配慮した言い方で、電話をつないでもらうようお願いする。
電話はビジネスマナーの基本
企業に電話をかける場合はマナーに注意しましょう。挨拶、言葉遣いはもちろん、簡潔に用件を伝えることも重要です。電話のかけ方が悪いと相手に不快な印象を与え、選考結果に悪影響を与える可能性もあるので要注意。相手は忙しいビジネスパーソンですので、失礼のないよう心がけ相手への配慮を忘れずに。
就活での折り返し電話のマナー(2)担当者との会話
次に担当者に繋いでもらったあとのやりとりでの注意点です。
やり取り例
担当者:お電話かわりました。採用担当○○でございます。
学生:お忙しいところ恐れ入ります。先ほどお電話頂戴いたしました○○大学の○○と申します。今、お時間のほうは大丈夫でしょうか?
担当者:大丈夫ですよ。
学生:ありがとうございます。先ほどは講義中のため電話に出られず失礼いたしました。お電話頂いた件のご用件を賜りたくお電話差し上げました。
担当者:折り返しのご連絡ありがとうございます。早速ですが、〇〇さんに面接にお越し頂きたくご連絡差し上げました。●月●日●●時弊社8階人事部までお越しいただけますでしょうか?
学生:はい。●月●日●●時に8階人事部ですね。必ずお伺いいたします。
担当者:ありがとうございます。それでは●月●日●●時にお待ちしておりおります。詳細はレジュメをメールでお送りいたしますのでご確認ください。
学生:こちらこそ宜しくお願い致します。本日はお忙しいところお時間を頂きありがとうございました。
ポイント
(1)まず「お忙しいところ恐れ入ります」などお礼を述べ、相手が多忙でないかを丁寧に尋ねる。
(2)大学名・氏名を名乗り、用件(電話を頂いた件のご用件を伺いたいなど)を伝える。
(3)用件を忘れないよう必ずメモをする。
(4)電話の最後に「貴重なお時間を頂きありがとうございました」などお礼を述べる。
電話での印象は面接に影響する
電話のやりとりでの「話し方、声のトーン、言葉遣い」などで、相手に与える印象は変わります。言葉遣いが良くない、正しい敬語が使えていない、覇気がないなどは良くない印象を与えてしまいます。また留守電にメッセージを入れているのに確認していない、面接の連絡なのにスケジュールを把握していないなどは就職の本気度すら疑われてしまいます。マイナスの先入観を持たれないよう注意しましょう。
就活での折り返し電話のマナー(3)担当者不在の場合
最後に、電話をかけたが相手が不在だった場合についてご紹介します。
やり取り例
企業:株式会社○○人事部△△でございます。
学生:お忙しいところ恐れ入ります。私、○○大学〇年生の■■と申します。先ほど採用担当の○○様よりお電話を頂きましたが、あいにく講義中のため出ることができず折り返しのご連絡を差し上げました。恐れ入りますが、○○様がお手すきでしたらお繋ぎいただけますでしょうか?
企業:申し訳ございません。只今○○は外出しておりまして、16:00の帰社予定となっております。戻り次第○○より折り返しお電話差し上げるよう伝えますがいかがいたしましょうか?
学生:私のほうからかけなおします。16時以降に再度お電話差し上げたいと存じますが、何時頃でしたらよろしいでしょうか?
企業:本日18時より全体会議がございまして○○も参加を予定しておりますので、16時以降18時までは在席しておると思いますが。
学生:ありがとうございます。それでは16時半に再度お電話させていただきます。○○様にその旨お伝えいただけますでしょうか?
企業:かしこまりました。伝えておきます。私△△が承りました。本日はお電話ありがとうございました。
ポイント
(1)相手が不在の場合、相手の都合が良さそうな時間帯を確認し、かけ直す旨を伝える。
(2)電話をしたこと・再度かけ直すことを伝えてもらうようにお願いし、取り次いだ方の名前を聞いておく。伝言が伝わらない可能性もあるので、リスクヘッジの意味で必ず聞いておきましょう。
相手は多忙なビジネスパーソン、「連絡のすれ違い」に用心しよう
担当者が多忙で、かけ直しても不在が続くと先方からの折り返し対応を薦められることがあります。その場合は謝意を表し受け入れ、こちらからも再度電話すると伝えましょう。担当者が多忙な場合なかなか電話ができないことが多いので、相手からの折り返しがなくとも電話をかけやすくなります。
企業への折り返し電話はマナーを押さえてスマートに
企業へ折り返し電話をかける際、まず相手は忙しいビジネスパーソンであることを忘れずに。顔が見えない相手だからこそ、マナーを押さえた対応ができないと印象を悪くしてしまいます。電話ひとつが就活の結果を左右しかねないので、十分な注意が必要です。
関連リンク
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フリーランスライター
1989年リクルート入社。情報誌の企画・制作業務に携わる。
2001年フリーランスとして独立。現在は企業向けに人材採用・教育、広報関連のコンサルティング業務と各種メディアでのライティングを行う。
1965年生まれ・52歳 栃木県在住