転職によって年収は下がる?年収を下げない転職をするポイントとは

「転職はしたいけれど年収が下がるのが心配」そう感じている方は少なくないことでしょう。ここでは転職すると年収は下がりやすいのかどうか、また年収が下がっても転職すべきと判断する時はどんな場合なのかについて解説します。

転職することによる賃金の変動の傾向とは

厚生労働省発表の「平成29年雇用動向調査」によると、平成29年1年間の転職入職者のうち、「前職に比べ賃金が増加した割合」という割合は36.2%、「減少した割合」が33.0%、「変わらない割合」が29.2%となっています。全体的には賃金が増加した割合が減少した割合を上回っています。

年齢層別に賃金変動の傾向を詳しく見てみると、45歳未満の転職入職者は「増加した割合」が高くなっていますが、45歳~54歳では「変わらない割合」がもっとも高く、45歳~49歳で36.5%、50歳~54歳では36.1%となっています。また、60歳を超えると一気に賃金が減少した割合が高くなり、60歳~64歳の賃金が減少し割合は65.2%となっています。

調査内容を見る限り、必ずしも転職すると年収が下がるのではなく「年齢が若いほど年収は増加しやすく、年齢が上がると年収は減少しやすい」という傾向にあるようです。

年齢が若くとも年収が下がる可能性あり

確かに割合としては「増加した」が高くなっていますが、減少した割合も少なくないため油断はできません。経験の有無・職種の違いなどそれぞれの転職事情によっては転職で年収が下がる可能性はあるということを覚えておきましょう。

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転職で賃金が下がりやすい業種とは

では、転職後に年収が下がるのはどんな場合でしょうか?

未経験の業種への転職の場合

転職してからの一定期間は前職よりも下がる可能性が高く、その後の年収増は実績次第と言えるでしょう。未経験業種への転職では経験職種であっても戦力化までにある程度の時間を要するため、スタート時の給与は抑えられるのが一般的です。

支給額に占めるインセンティブの割合が高い職種の場合

金融系や不動産系の営業職などは固定給ではなく、基本給+インセンティブの給与体系を採用している場合が多く、業績次第で収入は大きく変動します。この場合、入社後の一定期間は固定給を支給しインセンティブなしとするケースが多く、入社1年目は給与が下がる可能性大となります。但し、インセンティブが支給されるようになれば、あとは自分の業績次第で収入アップが可能となります。

給与交渉が不十分だった場合

業種・職種を問わず、転職時の給与交渉は必要です。面接時に前職での年収を聞かれたら基本給・賞与・インセンティブ・諸手当をすべて含んだ金額を答えておくことが重要。年収の内訳を詳細にし、金額を明確にしておきましょう。転職先企業はこの金額をベースに給与額を決定するので、入社後にどのくらいの年収を希望するかを明確に伝えておかないと、希望額を下回る可能性が高くなります。

賞与分の年収が下がるのは仕方なし

転職1年目の場合、賞与は支給されないか一時金としてある程度の額が支給されることがほとんどで、年収ベースでは収入額は下がるのが当たり前。そのため転職1年目については「年収ダウンもやむなし」とし、2年目以降にどれだけ年収アップが見込めるかを考えていきましょう。

年収が下がっても転職すべき人、するべきでない人

「年収が下がっても自分は転職すべきか?」
こんな悩みを抱えている人は以下のポイントについてyes・noチェックしてみてください。

Check1.現職では自分のやりたいことができそうもない

Check2.より良い環境で仕事がしたい

Check3.キャリアアップすることが最優先である

Check4.実現させたい夢がある

Check5.収入額に強いこだわりはない

以上のチェックポイントにひとつでもyesがあれば転職を検討してみてもいいかもしれません。3つ以上yesならあなたは「年収が下がっても転職すべき」と言えるでしょう。

Check1と2は仕事・職場に対する満足度についての確認です。
「充分な能力があるにも拘わらず、大きな仕事を任せてもらえない」
「やりたいことを提案しても聞き入れてもらえない」
「周囲に尊敬できる人・目標となる人がいない」

やりたいことをやれない、モチベーションが上がらない環境で仕事をすることほど不毛なことはあります。こうした不満を日々抱いている人は、すぐにでも環境を変えるべきと言えるでしょう。

Check3と4は仕事の価値観とキャリアビジョンについての確認です。キャリアビジョンを明確に描いている人にとって会社は自己実現の場です。「今の職場では自分の将来がイメージできない」という人も転職という選択がベストかもしれません。

年収をできるだけ下げないよう転職するには

異業種・異職種への転職の場合、転職後の年収は下がりやすくなりますが、転職活動の工夫次第で年収を下げない転職も可能となります。

(1)転職市場での自分の市場価値を最大化してアピールする

異業種・異職種であっても、これまでの経験・スキルは必ず生かせるはず。自分の強みを明確にし、転職後にどう生かせるを面接時にアピールしましょう。

(2)転職エージェントを活用する

転職のプロであるエージェントは心強い味方となります。企業の採用ニーズを汲んでベストの人材をアテンドするのがエージェントの役目であり、プロの視点であなたの転職人材としての市場価値を分析してくれます。また入社前の給与交渉をお願いすることも可能なので、より希望に添う転職が可能になります。

どんな場合でも給与交渉は行ったほうがよい

募集要項にある給与額はあくまで目安です。正式な給与額は、前職での年収額をベースに、経験・スキル・実績などを加味して決定されます。面接の際に希望年収を聞かれたら具体的な金額を伝えましょう。内定後、提示された金額が希望額を下回る場合は、面談での条件交渉を申し出てみましょう。その際には、交渉の根拠を具体的に示すことがポイントです。

転職で年収は下がらないことも。特に45歳未満では増加の傾向

統計データによると、45歳未満での転職は年収が下がりにくい傾向にあります。年齢が若いほどその傾向は強いため、20代~40代前半で転職を考えている方は今が決断のチャンスと言えるでしょう。

参考

[1]平成 29 年雇用動向調査結果の概況
[2]https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/18-2/dl/gaikyou.pdf
[3]2018.11.26

関連リンク

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著者:平野輝樹

フリーランスライター
1989年リクルート入社。情報誌の企画・制作業務に携わる。
2001年フリーランスとして独立。現在は企業向けに人材採用・教育、広報関連のコンサルティング業務と各種メディアでのライティングを行う。
1965年生まれ・52歳 栃木県在住