「女性が輝く先進企業表彰」選考委員が教える! 女性が10年後も笑顔で働く会社選び

エントリーシートの作成や、目の前に迫った面接の準備に追われがちな就職活動。やらなきゃいけないことが次から次へとあって、本当に大変ですよね。今日明日のことに追われる中で、なかなか未来のことを考えることは難しいですが、少し立ち止まって考えてみてください。今あなたがエントリーしようと思っている企業は、5年後、10年後も笑顔で働けそうでしょうか?

給料や福利厚生も企業を選ぶ際に重要ですが、女子学生の皆さんはその企業が「女性にとって働きやすいかどうか」をまずは考えてみるのがとても大切です。

今回は、内閣府「女性が輝く先進企業表彰」選考委員を5年連続で務める窪田真之さんに「女性が輝く企業」の選び方を聞いてみました!

▼お話を伺った方

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楽天証券経済研究所 チーフ・ストラテジスト 窪田真之さん

慶應義塾大学経済学部を卒業後、住友銀行に入行。その後、住銀バンカース投資顧問、大和住銀投信投資顧問にて、日本株のファンドマネージャーとして25年間運用を担当。さまざまな日本企業の浮き沈みや動向をウォッチしてきた、企業の成長を見抜くプロフェッショナル。2013年からは内閣府「女性が輝く先進企業表彰」選考委員。少年野球のコーチを13年間務め、息子さん二人の就職活動を支援したパパでもある。

この5年間で女性に対する企業の姿勢が大きく変化

――11月2日に開催された、「女性が輝く先進企業」平成30年度の表彰選考委員会。今年の選考会を終えた感想をお聞かせください!

窪田さん:「女性が輝く先進企業」の選考というのは、女性の役員・管理職登用への取組や実績について功績がある企業を内閣府が表彰する制度のことで、私はこの表彰選考委員を5年連続で務めさせていただいています。
今年の候補企業ラインナップとその企業のさまざまなデータを見て、日本全体で女性の活用を進めるための「働き方改革」が一段と進んでいることに感銘を受けました。5年前は、「女性が輝く企業」候補が少ない中での選考でしたが、今年は企業の意識改革が目覚しく、ハイレベルな競争になり、選考委員としても力が入りました。表彰は12月頃になる予定です。

――5年前と現在とでは、具体的にどのようなところが変わりましたか?

窪田さん:5年前、企業側の人事は「女性を活用しないといけない」という義務感で改革を進めているという雰囲気だったのですが、今は仕事と家事・育児、時には介護を夫婦で分担する社員がどんどん増えてきたため、企業側が社員の働きやすさや生産効率を上げるために制度改正を求められるようになり、必要に迫られて改革を進めているという企業が増えてきたように思います。大義名分や企業のイメージアップのためではなく、そうしないと良い社員が残らず、企業が生き残れないと痛感しているようですね。

――産休・育休の取得率は上がってきたのでしょうか?

窪田さん:はい、順調に上がってきています。特に今年びっくりしたのは、男性の育児休業取得率が、急速に上昇していることです。
選考委員になった当初は、男性の育休は「取得率0%」である企業が普通でした。今年は、大手金融機関の中に男性の育休取得率が60~80%と大躍進している企業もあり、「イクメン」を支援する企業が増えてきたのだなと実感しますね。今までは、夫婦で同じ会社に勤めていない限り、男性の育休を推進するメリットは企業側にはなかったんです。つまり、企業としては「うちの男性社員が育休を取得したら、奥さん側の企業が得するだけじゃないか」という解釈だったんですね。しかし、現在ではそういう「自分の会社だけの損得」ではなく「社会全体で取り組むべき改革だ」という社会的意義が根付き始めているのを感じます。

――女性が働く環境を改善するためには、産休・育休時期の女性を支える“男性”の働く環境も改善されないといけない、ということですね。

窪田さん:そうですね。さらに言うと、残った社員へのバックアップ体制が整っているかどうかも重要ですよ。適切なバックアップ体制がないと、産休に入る女性や育休を取る男性社員の部署では残った社員が苦労することになり、産休・育休を取りにくいムードが広がります。

――女性が働きやすい環境=みんなが働きやすい環境になるんですね。

窪田さん:その通りです。これから就職する学生さんは、共働きで家事・育児・介護を夫婦で分担していく必要があると考える世代。これらの改革は会社選びをする際にとても重要です。真に働きやすい企業になっているかどうか、女性側のデータだけでは実態が隠れてしまう部分も多いので、男性側の働きやすさにも注目して会社を選ぶようにするといいですよ。
男性も女性も、本当に働きやすい会社かどうかを見るよい視点が「働き方のバラエティが豊富かどうか」。たとえば、在宅勤務、テレワーク、フレックス勤務、短時間労働など柔軟な働き方を推奨し、社員が育児や介護と両立して働ける制度を整えている企業は、結果的に女性が輝く企業かどうかの選考基準としても、ポイントが高いですね。

――長年、日本企業の株価推移を見続けてきた窪田さんから見て、「社員の働きやすさ」と「株価(業績)」は連動しているものなのでしょうか?

窪田さん:これまでは、そういう視点がありませんでしたが、最近では、企業の業績だけではなく、社会貢献度や企業倫理、働き方改革の浸透も視野に入れて、投資先を選ぶ必要が出ました。モラルが低く働き方改革が進んでいない企業が、重大な不祥事を起こし、株価が急落する例が多いからです。
投資家は近年、銘柄を選ぶとき、財務データだけでなく、非財務データも見ています。E(環境)・S(社会的責任)・G(ガバナンス:企業統治)の3つを総括した「ESG情報」という言葉が今、投資家の間でホットキーワードなのですが、女性の活躍推進企業データベースは、G(ガバナンス)を評価するための重要なソースとなっています。欧米企業に比べると、日本企業のESG情報の開示は始まったばかりですが、今後、一段と重視されるようになると思います。

――女性が活躍できるかどうか、というポイントが、間接的に株価や企業の評価に影響する時代が来たということですね!

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10年後も女性が笑顔で働ける会社の探し方

――就職したい企業や業界がどれくらい女性活用を進めているのか、私たちが具体的に知る方法はありますか?

窪田さん:厚生労働省が公開している女性の活躍推進企業データベースを見てみるといいでしょう。現在、「男女別の平均勤続年数」「男女別の男女別の育児休業取得率」「管理職に占める女性労働者の割合」など、現在10,008社の、女性が働く上で重要なデータが公開されています。実際に、自分が見たい企業や産業のデータを検索してみましょう。

女性の活躍推進企業データベースの使い方

まず、トップページで、「学生・休職中の方」のタブをクリックします。すると、具体的な条件を入力できる検索ページが開きます。

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調べたい企業名が分かっている方は具体的な企業名を入力します。広く情報を集めたい方は、詳細検索をクリックします。

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詳細検索の画面がこちらです。

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こちらの、「えるぼし認定」「くるみん認定」「イクメン企業アワード」など、働き方改革に熱心な企業を示すキーワードを選択しておくと、該当する企業がリストアップされます。
ちなみに、えるぼし認定というのは、女性活躍推進法に基づいた認定制度です。必要な行動計画を策定し届け出をした企業で、女性の活躍推進が優良な企業を厚生労働大臣が認定します。「くるみん認定」は少子化対策を計り、子育て支援など一定の基準を満たした企業や法人などを厚生労働省が認定します。「イクメン企業アワード」は男性労働者の育児参加を積極的に促し、業務改善を図る企業を厚生労働省が表彰します。

就職活動で大切なのはワクワクすること!

――とても興味深いですね!女子学生だけでなく男子学生も、就活前にチェックしておきたいですね。

窪田さん:ぜひ男子学生にも活用してもらいたいです!さらにこれらのデータを見る際、いくつかのデータを合わせることで企業の取り組みが「本気かどうか」を見抜くコツをお教えしましょう。
例えば、女性の平均勤続年数をチェックする時、必ず男性の平均勤続年数も合わせて確認してください。男性に比べて女性が極端に短い場合、その企業はやはり男性優遇が基本スタンスであって、女性は途中で辞めていかざるを得ない空気があるのではと推測できます。さらに、女性管理職比率も見てください。長く勤められるだけでなく、能力のある女性がきちんと評価されてキャリアアップできる土壌があるかどうかも大事です。女性管理職比率は日本ではまだ低く、10%を超えているだけでも高いほうです。ただ、金融・小売・サービス業では、女性の管理職比率が20~30%を超えている企業も出てきています。
業界や企業、時には地域ごとに差分を見てみてみると、自分が目指す業界や企業で、10年後、自分がどんな風に働いているか想像しやすいと思います。

――大変なことも多い就職活動ですが、10年後を想像できるとなると、ワクワクもできますね。

窪田さん:そう!就職活動で一番大事なのはその「ワクワク」だと私は思います。就職活動真っ最中の学生さんは、将来が見えてこないので「ドキドキ」はしても「ワクワク」するのはなかなか難しいかもしれません。仕事の内容もよく分からないし、企業の雰囲気も知らないのに、何にワクワクしていいか分からない…という方は、まずは「働くことで自分だけのお金がもらえる」という点でワクワクすることから始めてはどうでしょうか?単純なことですが、それは「社会・経済の一員になる」という大きな一歩です。
例えば、すぐに攻略できるゲームは飽きるのも早いのですが、難易度が高くて攻略しにくいゲームはなかなか飽きないでしょう?仕事というゲームは、攻略・成功するまでに数年単位の時間がかかり、24時間のうち7時間以上を使う、大掛かりなゲームです。そして、今よりできることが増える3年後、5年後、10年後のほうが確実に面白くなるゲームなんです。仕事が自分に何を与えてくれるのか、今すぐわからなくてもいい。ひとまずはそのゲームのスタートラインにいること、そして、自分のお金を稼いで人生をコントロールできることにワクワクしてください。あなたがワクワクしているかどうかは、企業の面接官に必ず伝わりますよ!

――窪田さん、貴重なお話をありがとうございました!

関連リンク

女性総合職として働いているのクチコミ・掲示板 - みん就(みんなの就職活動日記)

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著者:楽天証券の投資・経済情報メディア「トウシル」編集部

楽天証券の投資情報メディア「トウシル」編集チーム。「お金と投資をもっと身近に」をテーマに、政治・経済とお金の関係など、日々の生活や仕事にも役立つ情報を、初心者からプロフェッショナルにまで、分かりやすく提供しています。
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