長所がないなら短所を探せ!?嘘をつかずアピールポイントを作る方法

なぜ企業はESでアピールをさせるのか

「長所がない、みつからない」と悩む就活生は、意外と多いのではないのでしょうか。

まず、企業は何のためにESを書かせるのか、という目的を考えておくことが大切です。多くの企業では、就活生の人間性や採用後に就活生が発揮する「コンピテンシー(高業績者がもつ行動特性)」を持っているかどうかを判断するためにESを書かせています。さらに面接でESで書かれた内容について質問を重ねます。したがって、ウソをついてはいけません。背伸びをした理想像も避けましょう。作られた人物像はすぐに見抜かれます。面接で困って冷や汗をかくことになります。

加えて、抽象的なイメージでは説得できません。「チャレンジ精神があります」と書いたとしても、20年あまりの人生でチャレンジした具体的なエピソードがひとつもなければ、自己PRにはなりません。

さらに、入社後の適性も採用担当者のチェックポイントです。アクティブな学生を求めている企業で「穏やかな性格が長所です」と主張したとしても、面接官は「配属して大丈夫かな?」と首を傾げることになります。

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短所を発見すると長所が見えてくる

ますます長所が分からなくなって頭を抱えてしまった就活生もいるかもしれませんが、長所を探す方法があります。それは逆説的に「まず短所を探し、その短所を裏返して長所に変えること」です。

例えば「人見知りをする」性格が、あなたの短所だったとします。しかし、これは「慎重に人間関係を築くことを大切にする」と言い換えられることができないでしょうか。長所と短所は表裏一体であり、短所の発見から長所がみつかることがあります。

実際にビジネスでは、自分から猛烈に売り込む営業がトップセールスマンではない場合があります。お客様の話を傾聴する「聞き上手」が、ずば抜けた営業成績を記録しているケースも少なくありません。つまり、短所だと思っていることが、最大の武器になる可能性も秘めています。

短所を発見したら、最初に述べた採用担当者の選考ポイントを考慮して、論理的なブレがないように「長所化」していきます。「長所はわからないけれど、短所ならいくつでも挙げられる」という就活生にはおすすめです。

自分にとっての「当たり前」を見直す

短所を長所に変えるという方法以外に試したいのは、「自分には当たり前だと思っている習慣をもう一度点検する」ことです。意識下に沈んで無意識化している習慣に光を当てると、それが長所になることがあります。固定観念になっている思考をやわらかくほぐして、思考の枠組みを拡げてみましょう。

たとえば「毎朝5時に起きてスマートフォンでニュースをチェックしている」とします。自分には当たり前で長所ではないと考えているかもしれませんが、毎朝続けているとすれば「最新情報を収集し、情報感度を高める努力を毎日欠かさずに行っている」という立派な長所です。「毎朝同じ時間に起きる」ことも「規律を尊重している」と言い換えれば、長所として見直すことができます。

当たり前の習慣を見直すヒントとして、次のように複数の軸から360°自分を見直します。そして、長所になりそうなことをピックアップしてみましょう。

  • 時間軸:長期的に継続していること。「中学生の頃から剣道をやっている」など。
  • 空間軸:特定の場所に詳しいこと。「地元の喫茶店はすべて制覇している」など。
  • 人脈軸:人間のつながりで特長的なこと。「親戚のおじいさんと話すのが好き」など。
  • 趣味軸:幼い頃から究めていること。「電車の写真を撮り続けている」など。
  • モノ軸:コレクションしていること。「アンティークなミニカーを収集している」など

ただし、そのまま書いただけでは自己PRにはなりません。もう一段階上の思考から捉え直す必要があります。

「親戚のおじいさんと話すのが好き」であれば、「世代を超えた人と円滑にコミュニケーションできる」のように。親戚のおじいさんから聞いた話で最も印象に残っているエピソードと、その意味付け(職人としての厳しさを知ったなど)を心掛けてください。

「いいとこ探しワークショップ」をやってみる

どうしても自分の長所がみつからないときは、友達の力を借りるのも方法のひとつです。「いいとこ探しワークショップ」をやってみてはいかがでしょう。

やり方は簡単です。用意するものは、参加者が5人なら20枚のカードもしくはメモ。喫茶店などに5人の友達を集めて、それぞれ自分以外の4人の「いいところ」を3つ書きます。そうするとカードを交換すると、他人から見た自分の長所が12個集まります。
重複している長所もあるかもしれませんが、重複しているということは、それが他人から強く意識されているということです。「え! こんな自分をいいと思ってくれているんだ」と客観的な発見ができることもあります。

「美点凝視」という言葉があります。他人の欠点に目を向けるのではなく、長所に目を向けた方が人間関係はうまくいく、という教えです。入社後の社員研修で学ぶことがあるかもしれません。しかし入社前に学んでおいて損はありません。

他人はもちろん自分の長所にも目を向けることは大切です。就活を通じて、長所があなたの自信を支えるものとなります。ときには厳しい通知をいただいてグラグラ揺らぎそうになるかもしれませんが、あなたの人格が否定されたわけではありません。自分の長所を信じてくださいね。

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監修:小室直子

臨床発達心理士
中級教育カウンセラー
東北福祉大学大学院修士課程卒業後、専門学校専任講師、大学の非常勤講師として心理学系科目の講義を行うかたわら、のべ200名の就職支援の経験を持つ。