退職前に言っておきたい!上司に不満をスマートに伝える方法とは

退職前に上司に対して不満を伝える場合、伝え方を誤ると人間関係の悪化を招き、大きな禍根を残す可能性があります。転職後の新しい人生を快く迎えるためにも、双方が納得できるとなる正しい伝え方について考えてみましょう。

退職前の上司に対する不満の伝え方1:まずは感謝の言葉から始める

不満の内容はどうあれ、最初に感謝の気持ちを表しましょう。
いきなり本題を切り出すと相手も当惑し、話を聞いてもらえなくなるかもしれません。まずは話を聞いてもらえやすい環境を整えることが重要です。組織は人の集合体であり、組織が人を育てていきます。これまで同僚・先輩・上司・会社が自分を信頼し仕事をまかせてくれたこと、会社のリソースを活用させてくれたこと、その結果として組織が自分を成長させてくれたことに対する感謝は忘れてはいけません。

話を聞いてもらいやすい環境づくりを考えるなら、そのタイミングも重要です。忙しい時間帯を避けるのはもちろんのこと、事前に面談したい旨を伝えた上で改めて時間を割いてもらうようにしましょう。

現状に不満がなければ人は転職しません。しかし、すべての人が同じ不満を感じるものではなく、その不満はあなただけが感じるものかもしれません。ですから、伝える内容をじっくりと吟味し、相手の理解が得られるように工夫しなければなりません。

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退職前の上司に対する不満の伝え方2:前向きな内容に変換する

転職するためには、現在の職場を円満に退社しなければなりません。無用なトラブルを避けるためにも、不満をストレートに伝えることはせずに相手が納得できる前向きな内容に変換して伝えることが必要です。

仮にストレートに不満を伝えたとしたら上司はどう反応するでしょう?

●感情的になり決裂する
●管理能力を疑われることを懸念した上司が慰留してくる
●人事異動などの解決策を提示され退職しづらくなる

やはり相手の理解を得られる可能性は低く、円満退社は難しくなるかもしれません。あなたを有能な人材と評価しているなら、積極的に慰留される可能性も高くなりますし、「職場への不満」が転職理由ならば人事での解決策を提示されたり、職場で問題として取り上げられたり、大きな混乱をもたらす可能性も否めません。転職活動において前向きな転職理由を構成していったのと同様に、前向きな内容に転換するべきです。あくまで自分のキャリアビジョンを実現するための前向きな転職であることを理解してもらうようにしましょう。

退職前の上司に対する不満の伝え方3:正当性・客観性のある内容を伝える

上司の理解を得るためには、正当性・客観性のある内容でなければなりません。ひとりよがりな内容では、単なるわがままと捉えられてしまいます。伝える前に、内容を十分吟味しましょう。

たとえば「今の職場にはチャレンジできる環境ではなく、それが叶う環境を求めて転職したい」とあなたが考えていたとします。しかし、上司のあなたに対する評価が「積極性に乏しい」とか「チャレンジする意欲を感じない」というものだったらあなたの言葉に正当性を感じないでしょう。

目的はあくまで上司に退職を了承してもらうことです。職場環境の改善についてプレゼンするわけではないので、本質的な不満を理解してもらう必要はありません。あくまで変換した理由に正当性・客観性があることが重要なのですから、自分のこれまでの言動や実績を鑑みて、上司が納得できる内容にすることを心がけてください。

退職前の上司に対する不満の伝え方4:最後に今後のつながりも大事にしたい旨を伝える

転職したからといって、元の会社との関係が完全になくなるとは限りません。同じ業界ならば競合として客先でバッティングするかもしれませんし、異業種への転職であっても、元の会社が顧客となる可能性はあります。また近隣エリアに転職先がある場合は、通勤時や業務中にばったり出くわすこともあるでしょう。
「○○は前の会社とトラブルを起こして辞めた」などと悪い噂が広まってしまったら元も子もありません。自分が損をするばかりか、転職先にも迷惑をかけることになってしまいます。

円満退社をすることで、転職後の無用なトラブルを未然に防ぐことができます。退職時に快く送り出してもらうことができれば、転職後に元の職場の上司や同僚とのつながりを人脈として活用することもできます。組織内での関係から、人間同士の良好な関係としてのつながりを保つことができれば、自分にとっても大きな財産となるはずです。

不満別に見る!退職理由の具体的な伝え方例文集

最後に転職者に多い不満を例に、具体的な伝え方を紹介します。

(1)仕事に対する不満…裁量権がない、やりたいことをやらせてもらえないなど
                     ↓
はじめに、これまで自分を育ててくれた会社および上司・同僚の方々に心より感謝いたします。じつは自分自身のキャリアについてずっと考えてきたのですが、より幅広い裁量権を与えられるポジションで自分の力を発揮したいという思いが強くなっていることに気が付きました。熟考した結果、それを実現するためには環境を変えるしかないという結論に至りました。誠に勝手ではございますが、退職させていただきたく存じます。


(2)職場に対する不満…人間関係のもつれ、ロールモデルがいないなど
                     ↓
はじめに、これまで自分を育ててくれた会社および上司・同僚の方々に心より感謝いたします。長らく自分のキャリアについて考えてきましたが、自分には実現したいビジョンがあります。しかし今の環境ではその実現は難しいと感じています。自己申告での人事異動など、諸々の解決策を模索してみましたが、環境を変える以外に手立てはないという結論に至り、誠に勝手ながら退職させていただきたく存じます。


(3)会社への不満…保守的な経営、魅力に乏しい経営者など
                     ↓
これまで自分を育てていただき、またチャレンジの機会を与えていただいたことに感謝いたします。じつは自身のキャリアについてずっと考えてきたのですが、さらなる成長を目指すには同じ環境に留まるべきではないという結論に至りました。異なる経営観の下で、且つより経営と近いポジションにて新たなチャレンジをしたく、誠に勝手ながら退職させていただきたく存じます。

間接的に不満内容を伝える例をいくつかご紹介しましたが、この言い方にしなければならないというルールはありません。いくつかのポイントにさえ気をづければ、言い方は自由です。

■気をつけるべきポイント
(1)不満を直接口にせず、あくまで自分のキャリア実現のため転職する必要があることを明確にする
(2)慰留される隙をつくらない
(3)会社・職場に対する感謝の意を込める
(4)思い付き、逃げの退職という印象を与えない

転職理由はあくまで建前で構いません上司に納得さえしてもらえれば、あとは円満退社への道を考えるだけ。仮に強く慰留されたとしても、転職の意志が固いことを明確に伝えましょう。

時には黙して語らずが懸命なことも。前向きな気持ちで転職に向かおう。

「あの上司さえいなければ転職は考えなかったかもしれない」
「あなたが原因だと言わないと気が収まらない」

上司への不満が転職要因となっている場合、上司に直接不満を伝えておきたいと考える人は少なくないでしょう。しかし、上司に直接不満を伝えるという行為は、多くのリスクを伴う恐れがあるのでおすすめできません。

同僚、会社のために問題提起をしておきたいと考えるなら、社内の相談窓口や人事部門に伝えるのがよいかもしれません。問題を大きくしたくないという場合は、直属上司以外の信頼できる上司に相談してみてはいかがでしょうか。

転職という選択をしたなら、目指すは円満退社のみ。転職後の未来だけを考え、新たなキャリアに進んでください。

適切な時期を見極めて退職の意思と理由を伝えよう

退職を申し出る際には、納得できる退職理由であることもさることながら、申し出るタイミングも重要となります。上司が忙しい時に突然申し出たりするのは避け、じっくり話を聞いてもらえるように事前に面談の約束を取るのがベスト。

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著者:平野輝樹

フリーランスライター
1989年リクルート入社。情報誌の企画・制作業務に携わる。
2001年フリーランスとして独立。現在は企業向けに人材採用・教育、広報関連のコンサルティング業務と各種メディアでのライティングを行う。
1965年生まれ・52歳 栃木県在住