業界研究中の就活生必見!業界地図で知る国内自動車業界の動向

日本には、世界的にもシェアの高い自動車メーカーが数多く存在し、国を代表する産業のひとつともいえます。今回はそんな国内自動車業界を志望する方のために、業界地図から読み取れる業界構造、動向、成長戦略などをご紹介します。

業界地図で知る国内自動車業界の基礎知識

まずは、国内自動車業界について業界地図を見る際に理解しておきたい、基礎知識について触れておきましょう。

基礎知識としておさえておきたいポイントは、業界の裾野の広さと企業数の多さです。「自動車業界」というとトヨタやホンダなどの「完成車メーカー」を真っ先に思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、自動車産業に関わる企業は、そうした企業だけではないのです。

こんなにある!自動車関連企業

(1)自動車部品メーカー
まずあげられるのが、自動車部品メーカーです。1台の車に用いられる部品は3万点以上に上り、エンジン、ブレーキ、トランスミッションなど、それぞれの分野において専門のメーカーが存在します。部品メーカーは、個別の完成車メーカーに関連の深い「メーカー系」と、独立資本である「独立系」に分けられます。

企業例:デンソー(トヨタ系)、ジヤトコ(日産系)、矢崎総業(独立系)など

(2)タイヤメーカー
広義で見ると自動車部品メーカーに属しますが、消費者も直接購入することが多いパーツであるため、単独の市場として見られることが多いです。日本企業も世界的に高いシェアを持つ分野です。

企業例:ブリヂストン、住友ゴム工業、横浜ゴム、東洋ゴム工業など

(3)中古車買取・販売
自動車業界は新車だけでなく、中古車の流通もあります。新車の売れ行きが良いと中古車の在庫確保もできるため、実は完成車メーカーの動向に非常に左右されやすいビジネスです。

企業例:IDOM(旧ガリバーインターナショナル)など

(4)カー用品販売
タイヤやホイール、メンテナンス用品はもちろんのこと、カーナビやカーアクセサリーなど車に関わる製品全般を取り扱います。また、車検や修理の実施まで手がけていることが多いです。

企業例:オートバックスセブン、イエローハットなど

このように自動車業界にはさまざまな企業が含まれており、製品が完成し、販売されるまでの流れや、相互の関係について理解することが大切です。

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業界地図で知る国内自動車業界の最近の動向

次に、国内自動車業界の最近の動向についてご紹介します。主な動向としてあげられるのが、以下の3点です。

(1)国内新車販売数は2年ぶりに500万台超

日経業界地図2018年版によれば、2016年度は国内新車販売数が2年ぶりに500万台を超えました。日本自動車工業会の情報によると、特に普通車が前年比10.0%増の149万台、バスは15.8%増加して1万5,000台で伸長。2014年4月の消費税増税の影響を受けて近年需要が減少傾向であったものの、景気回復にも後押しされ需要は再び高まりつつあるようです。

(2)軽自動車は軽自動車税増、消費税増税後の販売数減少を脱せず

普通車の販売数が伸びた背景には、軽自動車の大幅な販売数減があります。日本自動車工業会の情報によると、軽四輪車の販売数は、前年比11.0%減の134万5,000台でした。この理由は、2015年4月からの軽自動車税の増税です。2014年4月の消費税増税以降自動車の販売台数が落ち込む中、追い打ちをかけるように軽自動車税が増税され、販売数を減らす結果となっています。

(3)ハイブリッド車・電気自動車(EV)の普及が進む

総務省統計局のデータによると、2016年時点での国内の自動車全体のうち、ハイブリッド車・電気自動車の割合は7.7%まで増えています。特に人気があるのが2015年末に全面改良されたトヨタの「プリウス」や、近年人気をキープし続けている「アクア」。今後はさらなる電動化が進むことに加え、水素、バイオ燃料、天然ガスなどガソリンに代わる燃料の自動車も増えるものと見られています。

業界地図で知る国内自動車業界の各企業間の関係性

次に、国内自動車業界の各企業間の関係性についてご紹介します。乗用車メーカーはトヨタ、日産、ホンダの3つのグループに集約されつつあります。それぞれの状況を見ていきましょう。(株式情報参考:日経業界地図2018年版)

(1)トヨタ自動車

・ダイハツ工業:トヨタ100%出資子会社、相互OEM(※)供給
・SUBARU:トヨタ16.8%出資、スポーツカーの共同開発、トヨタへのOEM供給
・スズキ:環境・安全・情報技術などで包括的な業務提携
・マツダ:環境技術などで業務提携、トヨタの5.1%、マツダの0.3%の株式持ち合い

※OEM:他社ブランドの製品を製造すること。Original Equipment Manufacturingの略。

(2)日産

・三菱自動車:日産約34%出資、共同購買、開発、物流など幅広い分野で提携

(3)ホンダ

他社が資本提携や業務提携、OEM供給などで関係を結ぶ中、唯一独立体制なのがホンダです。

このように、ホンダ以外の企業は資本提携や業務提携が進んでいる様子がうかがえます。そのほか、スズキはマツダと三菱自動車にOEM供給、日産とは相互OEM供給、日産とマツダも相互OEM供給を行うなど、前述のグループ分け以外の組み合わせでの連携もみられます。

また、資本提携や業務提携による業界再編の動きは、日本国内に限った話ではないことも同時に理解が必要です。現在の自動車業界・世界首位は、中国市場で好調な独・フォルクスワーゲンです。それを追いかけるのが2位のトヨタ、そして仏・ルノーと提携する日産という構図となっています。ここに米・ゼネラルモーターズが加わり、世界市場の「4強」体制へと近年変化をしてきました。厳しい競争を勝ち抜くために、日本国内でも各社提携を促進しているのです。

業界地図で知る国内自動車業界の成長戦略

最後に、国内自動車業界の成長戦略についてご紹介します。主にあげられるのは、以下の3つの戦略です。

(1)コネクテッドカーの開発・普及

「コネクテッドカー」とは、インターネットの通信技術を搭載し、センサーによる情報収集と、ネットワーク上での分析・解析を行うなど、これまでになかった価値を生み出す車です。

《こんなことが可能になる》

  • 緊急通報システム:事故時に自動で警察、消防などに通報
  • テレマティクス保険:運転状況(ブレーキ回数や加減速動作など)のデータを蓄積し、危険度に応じたより適切な保険等級を算出
  • 盗難車両追跡システム:盗難被害をスマートフォンに通知すると同時に、警備会社へ通報

(参照:総務省|平成27年版 情報通信白書|コネクテッドカー, http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h27/html/nc241210.html

コネクテッドカーの開発・普及には、自動車業界以外のIT技術も重要な要素です。例えばトヨタは、2017年8月にNTTやインテルと、コネクテッドカーの基盤を作るためのコンソーシアムを立ち上げました。

(2)自動車の電動化を加速

電気自動車の普及率はすでに高まりつつありますが、今後はさらにこの流れが加速する見込みです。2015年に合意されたCOP21「パリ協定」による温室効果ガス排出量を半世紀で実質ゼロにしていくという方針や、ヨーロッパの国や都市では2025〜2040年を目処にガソリン車禁止すると宣言している場所も増えてきています。こうした世界的な動きにより、国内各社も電動化への取り組みを強化しています。

(3)自動運転技術の向上・普及

もうひとつあげられるキーワードが「自動運転」です。映像や音波といったセンサーから感知できる情報を基に、AIが判断を行い運転する技術で、主に日本、アメリカ、ヨーロッパの自動車メーカーで開発が進んでいます。自動車メーカーだけでなく、ウェイモ(グーグル傘下)、アップルなどのIT企業もこの市場に参入している点は大きな特徴です。会社四季報業界地図2018年版の解説によれば、各社は2020年頃を目処に完全自動運転車の発売を目指しているようです。

国内自動車業界は日本の産業の要!業界の傾向をおさえて就活に生かそう

日本の産業の代表格ともいえる自動車業界は、完成車メーカーだけでなくさまざまな業種の企業が存在します。企業間の関係やこれから注力していく分野を理解することで、志望企業選びや面接での回答などに業界研究の内容を役立てましょう。

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著者:山崎えま

大手人材会社にて新卒就活ナビの大学向けプロモーションを担当。都内私立大学を中心に年間5,000名を対象とした就活ガイダンスや面接・グループディスカッション講座などを実施。現在は海外在住で就活・キャリアライターとしてコラム記事執筆を中心に就活生を支援しています。