【業界研究】損害保険業界志望の就活生必見!基礎知識や動向をまとめ

自動車事故や自然災害など、偶発的な損害を補償する損害保険業界に関心のある学生のみなさん、業界の全体像は把握していますか?主要な企業グループと、それらグループの動向や業界全体の動きについて、基礎知識を解説します!

損害保険業界の基礎知識と利益構造

損害保険業界とは

自動車事故や自然災害など、偶発的な損害を補償する損害保険業界。「海上保険」と呼ばれる、航海上の事故によって発生した損害 (海損) を填補する保険からその歴史がはじまりました。代表的な損害保険商品として、自動車保険や火災保険、傷害保険が挙げられます。

これらの保険の販売を扱うのが、全国206万人が従事し、約20万点ある損害保険代理店です。代理店が取り扱う保険料は約9割と、その多くが保険代理店を通じて集められています。

損害保険会社は保険代理店を通じて保険契約者から保険料を集め、被保険者や被保険物に対して損害が生じた際に保険金を支払います。

一般事業会社の「売上」にあたる正味収入保険料は、8兆2,439億円(一般社団法人日本損害保険協会加盟26社の平成28年度決算数字より)と、その業界規模は日本経済を支える大きなものです。

さらにそのうち、支払われた保険金は全種目合計で4兆7,675億円となっています。預かった保険料と支払った保険金の比率のことを「損害率」と言い、2016年度は63.4%になりました。災害の発生状況などにより、損害率は毎年増減します。

生命保険との違い

保険は、「保険業法」という法律で規定されています。保険業は「生命保険固有分野(第一分野)」「損害保険固有分野(第二分野)」「生命保険・損害保険のいずれにもあてはまらない保険(第三分野)」という3つの分野にわかれており、生命保険固有分野と損害保険固有分野については、同一の保険会社による営業は禁止されています。そのため、生命保険業界と損害保険業界は別の会社なのです。現在は、子会社を通じて相互参入が可能です。

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業界研究に欠かせない損害保険業界を取り巻く最新動向

1996年に改正された保険業法によって自由化がはじまった損害保険業界。合併によるコストの削減などにより、保険業法改正の翌年1997年に39.2%だった事業費率(保険料収入に占める運営費の割合)が2016年には32.1%にまで下がるなど、収益構造は改善が続いている状況です。2017年3月期の連結純利益は、損保大手各社とも過去最高数字を更新しています。

収益状況好調の理由はコスト削減のほかにも、広範囲にわたる大規模災害の減少や、自動車事故率の低下といった理由があります。
一方、2018年には、その事故率の低下によって、損害保険の保険料の4割~5割を占める自動車保険料の参考純率(損害保険各社が加盟・組織する損害保険料率算出機構が算出した保険料の基礎となる数字)が平均8%引き下げられます。参考純率の引き下げを受け、損保各社は保険料を参考純率の引き下げと同程度値下する予定です。この参考純率の引き下げは2003年6月に6%引き下げられて以来、約15年ぶりとなるもので、各社の収益にどのように作用するかに注目が必要です。

保険の自由化は、商品や保険料率の競争を促しただけではありません。消費者と保険商品との接点である販売チャネルが多様化していることも大きな変化です。
たとえば東京海上日動火災保険は、NTTドコモと2010年に損害保険事業で包括的な業務提携を開始。NTTドコモを通して、サイクル保険や1日自動車保険の販売を行っています。最近の商品開発では、訪日外国人向け新型海外旅行保険の付帯サービスとしてNTTドコモ翻訳機能を提供するなど、異業種間の提携による相乗効果を生んでいます。

また、損害保険会社が他業種のサービスへ進出するケースもあります。損保ジャパン日本興亜ホールディングスは2016年、介護大手のメッセージを株式公開買い付けで子会社にし、社名を「SOMPOケアメッセージ」に変更。保険金給付の代わりに、介護サービスを提供する「現物給付型保険」を視野に入れ、介護事業との相乗効果を狙う戦略です。

そのほかにも、ペット保険の増加、自動車保険の新型商品開発、海外進出の強化など、損保業界を取り巻く最新動向は常に日経金融新聞や企業ホームページでチェックしておきましょう。

業界地図を参考に大手損害保険会社の事業戦略を押さえよう

1996年以降、吸収・合併を繰り返してきた損害保険業界。国内シェアの9割を占めるとされている、東京海上HD、MS&ADHD、SOMPOHDの3大メガグループについて、構成会社と事業戦略、得意とする商品などをご紹介します。

東京海上ホールディングス

主な構成会社:東京海上日動火災保険・東京海上日動あんしん生命・日新火災海上など世界に展開する子会社245社および関連会社32社より構成。
三菱グループに属する東京海上ホールディングス。日本だけではなく海外での保険事業に注力しており、利益全体に占める海外保険の割合を全体の4割超に引き上げ、国内と同程度を目指して強化に取り組む。2015年10月には、HCCインシュアランス・HD(英)を約9,400億円で買収。アジアを中心に海外の損害保険会社の買収を引き続き狙う。

MS&ADインシュアランスグループホールディングス

主な構成会社:直接出資する5つのグループ国内保険会社(三井住友海上、あいおいニッセイ同和損保、三井ダイレクト損保、三井住友海上あいおい生命、三井住友海上プライマリー生命)と8つの関連事業会社を有する。三井のブランドを活かし、通販型保険マーケットでの拡充を狙う。
海外事業ではアジアに注力。マレーシア、インドネシアなど新興著しいASEAN10ヵ国のすべてに拠点を持つ世界唯一の損害保険グループであり、域内総収入保険料第1位のプレゼンスを誇っている。(MS&AD調べ・2015年度収入保険料ランキングに基づく)

SOMPOホールディングス

主な構成会社:国内損害保険事業5社(損害保険ジャパン日本興亜株式会社、そんぽ24損害保険株式会社など)損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険株式会社、SOMPOケアメッセージ株式会社、ほか他事業も子会社に持つ。損保ジャパン日本興亜ホールディングスから2016年に商号変更。
介護事業や住宅リフォーム事業など、幅広い事業展開やデジタル技術の活用により、お客さまの幸せな人生をサポートする「安心・安全・健康のテーマパーク」への進化を目指す。

損害保険業界!業界分析は念入りに

損害保険業界の保険料収入は、車や家の販売状況に直結します。現在の景気の回復傾向に続いて収入増加が見込める損害保険業界。また、海外事業への展開にも注目です。このような状況下、各社がどのような事業戦略を練っているのかを押さえたうえで、面接に臨みましょう!

参考

[1]日本損害保険協会 | SONPO
[2]http://www.sonpo.or.jp/
[3]2018.3.24

[1]日本経済新聞社
[2]2017年08月29日
[3]日経業界地図 2018年版
[4]日本経済新聞出版社

関連リンク

生命保険/損害保険の就活情報・新卒採用クチコミ - みん就(みんなの就職活動日記)

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著者:沼田絵美

最低求人倍率0.98を記録した2000年卒。当時流行だった就職サークルをインカレで立ち上げ、某新卒就職サイト運営会社に企画営業として就職。東京・名古屋・大阪3都市で中堅から大手企業の採用支援に計10年携わった後、大学キャリアセンター相談業務を担当するキャリアコンサルタント、就職関連ライターとして独立。標準レベルキャリアコンサルタント資格であるキャリア・ディベロップメント・アドバイザー資格所持。