【業界研究】医薬品業界志望の就活生必見!製薬会社の最新情勢

人々の健康を支える医薬品業界に興味・関心のある学生に向けて、国内外の製薬メーカーについての基礎知識をご紹介します。今後の展望や業界全体の動き、主要企業の概要や動向まで、しっかり業界研究を進めましょう!

医薬品業界を目指す際に知っておきたい製薬企業の種類

まずは医薬品業界について基礎知識から確認しましょう。

病院にかかり、処方箋を処方してもらう薬を「医療用医薬品」、ドラッグストアなどで誰でも購入できる薬を「一般用医薬品」と言います。専業製薬メーカーの多くは、両方の分野の薬を扱っていますが、医薬品市場の売上の9割は医療用医薬品が占めています。医療用医薬品はさらに新薬(先発医薬品)とジェネリック(後発医薬品)に分類できます。

従来は新薬メーカーとジェネリックメーカー、一般用医薬品をメインに扱うOTCメーカーという分類でしたが、業界の多角化や再編などの影響で、もう少し細かく、広域創薬型、領域特化型、ハイブリッド型、ジェネリック特化型、兼業メーカーといった分類もされるようになっています。

医薬品の国内需要は2016年実績で9兆5,025億円、そのうち外資製薬メーカーからの輸入額が3兆9,363億円と、約41%を占めています。(厚生労働省「薬事工業生産動態統計」)

一般用医薬品では、国内で流通している医薬品のほとんどが国内メーカーのものですが、医療用医薬品分野では世界で競争が激化しています。上記の分類ごとに、国内メーカー、外資メーカーの代表的な企業名をご紹介します。

  • 広域創薬型
    国内 武田薬品工業
    外資 サノフィ(仏)
  • 領域特化型
    国内 大正製薬
    外資 アッヴィ(米)
  • ハイブリッド型
    国内 第一三共
    外資 ファイザー(米)
  • ジェネリック特化型
    国内 沢井製薬
    外資 武田テバ(イスラエル)
  • 兼業メーカー
    国内 大塚ホールディングス
    外資 ジョンソンエンドジョンソン
  • OTCメーカー
    国内 ロート製薬

▽医薬品業界に関するクチコミはこちら
医薬/化学/化粧品の就活情報・新卒採用クチコミ - みん就(みんなの就職活動日記)

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医薬品業界の利益構造と今後の展望

国内市場では高齢化による医薬品利用の増加、世界市場では新興国の需要増加で、医薬品マーケット全体の伸びは引き続き堅調に予想されています。

しかし、分野ごとに課題も少なくありません。
製薬会社の売上高営業利益率は1割以上と、他メーカーと比較して高い水準を誇ってきましたが、特許切れ製品の増加・ジェネリック薬の普及・新薬値下げにつながる薬価改定が議論されるなど、高収益体制を維持するのは難しい状況が続いています。

特に新薬メーカーについて、収益に影響が大きいのが薬価改定です。
薬価基準は、医療保険から保健医療機関や保険薬局(保健医療機関等)に支払われる医薬品の価格を定めたもので、国によって決められています。その基準の改定が平成30年度(2018年度)から平成32年度(2020年度)まで3年間継続して、全品目に対して行われます。
抗がん剤「オプジーボ」の高額薬剤問題を背景として、年間販売額が極めて大きい品目の薬価を特例的に引き下げる「特例拡大再算定」が2016 年度から、導入されました。効能の追加により売上が急拡大する薬品の価格を随時見直すため、毎年薬価調査・改定の導入で、一気に高収益を得る構造は維持が難しくなっています。

ジェネリック薬に関しては、現在の数量シェア65.8%(平成29年9月薬価調査 集計値より)から、さらなる推進が見込まれます。平成29年6月の閣議決定において、「2020年(平成32年)9月までに、後発医薬品の使用割合を80%とし、できる限り早期に達成できるよう、さらなる使用促進策を検討する。」と定められました。

新薬開発については、研究開発費の増加に歯止めをかけるため、抗がん剤や神経・難病薬、精神疾患などこれまで有効な治療薬が少ない領域へ集中的に投資するビジネスモデルへと変化が続いています。自社開発での規模拡大ではなく、買収や連携を通じて有力な商品ラインナップを揃える動きはこれからも世界的に続くと予想されます。

業界地図を参考に大手製薬企業の事業内容と動向を押さえよう

最後に、業界をけん引する企業の概要と、最新の動向をチェックしましょう。2016年度国内医薬品メーカー売上高トップ5の企業をピックアップしてご紹介します。
各社ごとに、資本を集中して投下する分野や方法などに特色があるので、個別企業の企業研究は最新動向をチェックしましょう。

武田薬品工業

創業230年を超える長い歴史を持つ、国内トップの製薬メーカー。連結グループは連結子会社135社・持分法適用関連会社15社を合わせた151社。これまでも、大型買収を手掛け、直近では2018年01月に、バイオ医薬品企業であるTiGenix NV(本社:ベルギー)の買収を発表したばかり。

アステラス製薬

山之内製薬と藤沢薬品が2005年に合併し、発足したアステラス製薬。2017年03月に、胃炎、食道炎などの治療に用いられる「ガスター」などの長期収載品(先発医薬品)16製品の製造販売承認を売却すると発表。経営を泌尿器、がん、免疫科学、腎疾患、神経科学といった治療満足度が低い疾患領域の強化と、新疾患領域、次世代型ワクチンや再生医療などの新技術や新治療手段の獲得に集中する。

第一三共

「がんに強みを持つ先進的グローバル創薬企業」という2025年ビジョンを掲げる第一三共。高血圧など循環器領域を中心としたこれまでの事業から主力領域を転換するべく、新薬開発候補群であるパイプラインは、47の開発プロジェクトのうち、「がん」に24のプロジェクトを展開中(2017年10月時点)。

エーザイ

「ヒューマンヘルスケア(hhc)企業」を目指すエーザイ。セルフケア製品である「チョコラシリーズ」など、健康な人にも馴染み深い。新薬開発分野では、神経領域を戦略的重点領域として位置づけ、バイオジェン・インク(米)との共同開発・共同販売で、アルツハイマー病治療剤・多発性硬化症治療剤などの拡販を目指す。

大塚ホールディングス

大塚製薬を中心に、「トータルヘルスケアカンパニー」として医薬品だけでなく飲料や食品といった「ニュートラシューティカルズ関連事業」の両輪で健康に貢献する大塚ホールディングス。主力の統合失調症治療薬「エビリファイ」が14年10月に欧州で、15年4月に米国で特許切れとなるなか、買収や資本参加で海外の食品事業を拡大してきた。2017年7月にはカナダの食品会社デイヤフーズを買収。健康志向の高い顧客層にマッチした商品ラインナップを拡充し、大塚製薬の販路を利用して世界での売上高向上を目指す。

変革期にある医薬品業界は最新動向をチェックしておこう

製薬業界は、国内メーカー・外資系メーカー共に、大きな変革期を迎えていると言っても過言ではありません。業界紙や各企業ホームページのプレスリリースなど、常に最新の動向をチェックしながら、業界研究・企業研究を進めていきましょう。

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著者:沼田絵美

最低求人倍率0.98を記録した2000年卒。当時流行だった就職サークルをインカレで立ち上げ、某新卒就職サイト運営会社に企画営業として就職。東京・名古屋・大阪3都市で中堅から大手企業の採用支援に計10年携わった後、大学キャリアセンター相談業務を担当するキャリアコンサルタント、就職関連ライターとして独立。標準レベルキャリアコンサルタント資格であるキャリア・ディベロップメント・アドバイザー資格所持。