石油業界に興味がある就活生必見!業界研究に役立つ知識まとめ

幅広い産業や人々の生活に欠かせないエネルギー源である石油。今回は、私たちの社会になくてはならない石油業界を志望する方のために、業界研究をする際に注目すべき基礎知識、市場動向、課題、成長戦略などをご紹介します。

就活前に要チェック!石油業界の業界研究で押さえておきたい基本項目一覧

石油業界の業界研究を行う前に、そもそもどのような内容を押さえておくべきなのか、理解が必要です。本記事では下記の4つの項目について順番に説明をしていきます。

(1)石油業界の基礎知識と業界地図
石油業界では、同じ業界に属していても、石油製品の精製・販売を主に行う「石油元売り系」と、原油・天然ガスの開発生産を行う「石油開発系」に企業が分けられます。それぞれどのような企業が属し、どのような特徴があるのかを理解しましょう。

(2)石油業界における市場動向
石油業界の市場動向を理解するひとつの指標として、燃料油の販売量の推移があげられます。それと同時に、販売量に影響を与えるほかの産業の動向などを理解しましょう。

(3)石油業界が抱える課題
日本は原油の殆どを輸入に頼っていることや、ガソリンなどの燃料油の需要減少が進む中でこれからの収益源の確保が求められています。それぞれの具体的な状況と、企業に求められる対応について理解しましょう。

(4)石油業界での成長戦略
石油の需要減少の中で各社が注目するのが、新しいエネルギー源を軸とした事業確率です。具体的な企業事例を交えて、どのような施策があるのかを理解しましょう。

ここからは以上の内容について、それぞれ詳しく説明していきます。

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業界研究1:石油業界の基礎知識と業界地図

まずは、石油業界の基礎知識と業界地図について見ていきましょう。

基礎知識として押さえておきたいのは、業界の構造です。石油業界では、前述の通り石油製品の精製・販売を主に行う「石油元売り系」と、原油・天然ガスの開発生産を行う「石油開発系」に企業が分けられます。

それぞれに属する主な企業と特徴は、以下の通りです。

《石油元売り系》

(1)JXTGホールディングス
国内の元売り企業の中で5割ものシェアを持つトップ企業。石油関係の事業は、ホールディングス傘下のJXTGエネルギーが手がけ、ガソリンスタンドの「ENEOS」「エッソ」「モービル」「ゼネラル」で知られる。

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(2)出光興産
国内元売り2位。元売り4位の昭和シェル石油との合併に向けての動きを進めているが、難航中。そのひとつの理由が、出光興産創業家が合併に反対していることで、増資して株式取得するなどの動きを見せている。一方で、現在の出光興産経営陣は、2018年春を目処に2社の原油・需給部門、調達部門、環境安全部門の事務所の統合を目指している。

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(3)コスモエネルギーホールディングス
国内元売り3位。傘下にはコスモ石油と丸善石油化学などがある。アブダビ政府系投資会社が筆頭株主で、同国での石油開発生産に強みがある。

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(4)昭和シェル石油
国内元売り4位。前述の通り、出光興産との合併を目指している。同社の株式情報によれば出光興産が同社の株式の31.2%を所持し、筆頭株主である。

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《石油開発系》

(1)国際石油開発帝石(INPEX)
石油・ガス開発国内1位。豪州での大型ガス田開発が現在の注力事業。日経業界地図2018年度版によれば、経済産業大臣を筆頭株主(18.9%)としている。

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(2)石油資源開発(JAPEX)
石油・ガス開発国内2位。これまで国内ガス田開発を主に手がけてきたが、現在は海外事業にシフトしつつある。日経業界地図2018年度版によれば、経済産業大臣を筆頭株主(34%)としている。

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(3)三井石油開発
石油・ガス開発国内3位。三井グループ17社により設立され、東南アジア中心に展開。日経業界地図2018年度版によれば、三井物産が70%出資するほか、経済産業大臣も20%出資している。

三井石油開発の掲示板・クチコミ - みん就(みんなの就職活動日記)

「石油元売り系」は業界再編により2強体制へとシフトしている最中であること、「石油開発系」は株主の状況から政府とのつながりが強い業種であることがうかがえます。

業界研究2:石油業界における市場動向

次に、石油業界の市場動向を見ていきましょう。主なポイントは以下の2点です。

(1)燃料油の需要は1995年をピークに減少が続いている

石油連盟のレポート「今日の石油産業2017」によれば、1995年には年間約2億4,540万5,000キロリットル販売していました。しかし、2016年には約7割の1億7,692万4,000キロリットルまで減少しています。特に需要減少は著しいのが重油で、火力発電の燃料が天然ガスや石炭にシフトしたことが大きく影響しています。

(2)人口減少、エコカー・電気自動車(EV)、省エネ化などにより今後も需要減退

日経業界地図2018年度版によれば、ガソリンや灯油などをはじめとする燃料油は、今後も年率1〜2%のペースで需要減少が進む見込みです。その要因は消費者である人口が今後減少すること、エコカーや電気自動車(EV)のさらなる普及、あらゆる製品の省エネ化などがあげられます。

エコカーなどの普及が影響し、ガソリンスタンドの減少は加速しています。日経業界地図2018年度版によれば、ピークの1994年には約6万件以上あったのに対し、2016年にはセルフ給油所も含めて約4万件近くまで減っています。

このような厳しい環境への変化に対し、十分な競争力確保のために、前項でご紹介した出光興産と昭和シェル石油の合併、それに伴う業界再編が進んでいるという実態があります。

業界研究3:石油業界が抱える課題

次に、石油業界が抱える課題について見ていきましょう。主なポイントは以下の2点です。

(1)日本の石油業界は輸入に依存している

帝国書院の統計地図によれば、日本はエネルギー資源が乏しく、原油の99.7%(2015年時点)を輸入に頼っています。日本は1970年代のオイルショックを受けて以降、輸入元が中東地域に偏らないよう分散化させていました。しかし、現在は再び中東地域からの輸入の割合が高くなっており、昨今の中東情勢などの影響で供給が不安定化する可能性も危惧されています。そのほかにも、新興国での需要が増すことで原油価格があがる可能性なども考えられ、石油業界の企業はこうした変化に耐えうる経営基盤が求められています。

(2)石油の国内需要減少のため、関連製品の開発・販売やグローバル展開が急務

前項でも触れた通り、日本国内の石油需要が確実に減り続けていることは大きな課題です。この状況に対し、主に2つの打ち手があげられています。ひとつは、関連製品の開発・販売の強化です。ガソリンなどの燃料油の販売だけでなく、潤滑油や機能材などの石油製品の開発・販売をさらに強化する動きが見られています。2つめは、グローバル展開です。新興国では燃料油の需要がこれからもしばらくは伸長していく見込みです。特にアジア市場での事業展開を強化する企業が多く、今後就活生も注目すべきポイントとなっています。

業界研究4:石油業界での成長戦略

最後に、石油業界で取り組まれている成長戦略について、実例を交えてご紹介します。多くの企業が取り組むのが、「石油に代わるエネルギー事業」です。

(1)電力事業を新たな事業の柱に育てる(JXTGエネルギー)

JXTGホールディングスのエネルギー部門であるJXTGエネルギーでは、2016年4月の電力小売全面自由化に伴い、「ENEOSでんき」という名称で家庭用電力小売業に参入しました。この事業は次世代の新たな柱のひとつとして、期待がされています。

(2)再生可能エネルギー事業への取り組み(出光興産)

出光興産では、子会社の出光グリーンパワーなどを中心に、再生可能エネルギー(石油などの有限な資源ではなく、太陽光や風力などの自然界に常に存在するエネルギーのこと)事業に注力しています。風力発電、太陽光発電、バイオマス発電、地熱発電など幅広い手法で電源開発を行い、電力小売事業も同時に拡大を目指しています。

(3)ガスサプライチェーンの強化(国際石油開発帝石)

国際石油開発帝石では、中長期ビジョンのひとつとして「天然ガスをコアとする総合エネルギー企業へ」というフレーズを掲げています。具体的には2020年代前半に国内のガス供給量を25億㎥まで引き上げることを目標に、海外のガス田開発から供給に至るまでのサプライチェーン(原料から消費者の手に届くまでのプロセスのこと)の強化を図っています。

業界研究で得た知識を石油業界の面接で生かそう!

石油業界は国内需要の減少により、今後さらに市況が厳しくなっていく可能性が高いです。一方で、各社は次世代の柱となる事業の確立にも注力しています。こうした業界の特徴や今後に向けての動向を参考に、面接などの場でこれから自分がどのように携わりたいのか、伝えられるように準備してみましょう。

参考リンク

(1)JXTGホールディングス株式会社 有価証券報告書 2018.03.20
https://www.hd.jxtg-group.co.jp/ir/library/report/2016/pdf/jxtg_jp_yh_fy2016.pdf

(2)出光興産 再生可能エネルギー 2018.03.20
http://www.idemitsu.co.jp/nenryo/hatsuden.html

(3)国際石油開発帝石 ビジョン・中期経営計画 2018.03.20
https://www.inpex.co.jp/company/vision.html

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著者:山崎えま

大手人材会社にて新卒就活ナビの大学向けプロモーションを担当。都内私立大学を中心に年間5,000名を対象とした就活ガイダンスや面接・グループディスカッション講座などを実施。現在は海外在住で就活・キャリアライターとしてコラム記事執筆を中心に就活生を支援しています。