就活の業界研究に役立てたい!人材業界の基礎知識まとめ

就活を進めるうえで視野を広げるために、さまざまな業界を知っておくことはとても大切です。今回は、労働者不足や働き方改革などで注目を集めている人材業界の動向や仕組みについて、基礎知識を中心に解説していきたいと思います。

人材サービスの種類と利益を生む仕組み

人材サービスを提供している企業にはいくつか種類がありますが、ここでは代表的なものを紹介したいと思います。

人材派遣

派遣会社が顧客企業に人材を派遣する仕組みのことです。働く人は基本的に派遣社員という立場になり、派遣会社が雇用する形になります。健康保険や年金保険などの社会保険料は、顧客企業ではなく派遣会社が負担し、派遣社員への給料も派遣会社から支払われることになります。ただし、実際に働く場所は顧客企業となるため、具体的な仕事内容に関しての指示は顧客企業がすることになります。

派遣会社は顧客企業から派遣料金を得て、そのうち派遣社員への賃金、社会保険料などを除いた額が派遣会社の利益となります。一般社団法人日本人材派遣協会によると派遣料金のうち派遣会社の利益になる部分はわずか1.2%とのことです。

人材紹介

正社員や契約社員といった人材を求めている企業(求人者)に求職者を紹介するのが人材紹介です。実際に求人者と求職者の間で雇用契約が結ばれた場合、成功報酬が求人者から人材紹介会社へ支払われることになります。

アウトソーシング

外部の専門会社に委託するアウトソーシングも人材サービスの1つです。情報システム関係の開発や運用、保守、法的部門や会計、教育などの業務を委託するケースが多いです。また近年ではクラウドソーシングというインターネット上でデザインやWeb制作などの受注、発注をできるサービスも登場しています。

▽人材業界に関するクチコミはこちら
人材の就活情報・新卒採用クチコミ - みん就(みんなの就職活動日記)

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人材業界は企業によって得意分野がちがう

人材サービスを提供している企業のうち、大手企業は対応している業界や職種の数が多いですが、一方で中小企業は特定の業界や職種に絞ってサービスを提供しているところが多いです。対応している業界や職種には以下のような分野があります。

  • ・一般事務(総務、経理、人事など)
  • ・技術者派遣
  • ・研究者派遣
  • ・軽作業派遣
  • ・製造派遣、請負
  • ・営業
  • ・農業

人材派遣では、一般事務職のニーズが最も大きく、一方でアウトソーシングでは製造関連の技術職の割合が大きいという特徴があります。また、近年では農業に特化した人材サービスや、シニアに特化した人材サービスなど、多様化が進んでいます。人材業界は中小企業が多いという特徴がありますが、今後は他社との統合や再編が世界規模で進んでいくと考えられています。

また、人材派遣や人材紹介とは異なりますが、求人広告を作成することや求人サイトを運営している企業も多くあります。マイナビやリクルート、エン・ジャパンといった企業が代表例です。マイナビやリクルートのように人材サービスだけではなく、学生の進学支援事業に取り組んでいる企業もあり、事業内容は多様化しています。

人材サービスを提供している企業といえばどこ?大手企業と事業内容を紹介

人材サービスを提供している企業は多くありますが、そのなかでも大手企業にしぼって、事業内容を紹介していきたいと思います。

リクルートホールディングス

国内で圧倒的シェアを誇るのがリクルートホールディングスです。海外や国内でM&Aを推進していて、世界的にみても規模の大きい人材系の企業です。

リクルートグループのなかで職業紹介サービスを担当しているのがリクルートキャリアという企業です。リクルートキャリアが提供しているリクナビやリクナビネクストは、もはや仕事選びのインフラといえるでしょう。適性検査であるSPIを開発しているのもリクルートキャリアであり、人材に関する幅広い事業を手がけています。

国内の人材派遣はリクルートスタッフィングとスタッフサービス・ホールディングスが、海外の人材派遣はスタッフマークなどの企業がグループ企業として事業を行っています。

パーソルホールディングス

人材派遣サービスのテンプスタッフ、転職サービスのDODA、アルバイト求人情報サービスのanなどを提供している国内の大手人材系企業です。パーソルホールディングス、パーソルテンプスタッフ、パーソルキャリアなど多くのグループ会社があります。オーストラリアの人材サービス企業を買収するなどしており、アジアやオセアニア地域にも拠点を設けています。

パソナグループ

人材派遣の草分け的存在です。人材派遣、人材紹介、キャリア支援、人事コンサルティング、教育研修の実施、福利厚生サービスなど、企業や労働者を支える事業を幅広く手がけています。クラウドサービスの導入支援、官公庁や自治体の行政事務代行なども行っています。

外資系企業

人材業界は外資系の企業が多いという特徴もあります。世界シェア1位のアデコグループ(スイス)、2位のランスタッドホールディングス(オランダ)、3位のマンパワーグループ(アメリカ)はいずれも日本に進出しています。

参考:日経業界地図 2018年版

労働者不足が追い風?人材業界の動向について

近年の日本は少子高齢化の進行もあり、労働者不足の状況が続いています。企業は人材をなかなか確保できないため、人材派遣や人材紹介といった人材サービスを提供している企業にとっては追い風となっています。人材業界の市場規模は年々上昇傾向にあるというデータもあります。(矢野経済研究所『人材ビジネス市場に関する調査』より)

2015年には労働者派遣法改正法が施行となり、人材業界に大きな変化をもたらしました。主な変更点は以下のとおりです。

  • 労働者派遣事業の許可制への一本化
  • 労働者派遣の期間制限の見直し(派遣労働者が同じ職場で働ける期間は、原則最長3年に変更)
  • キャリアアップ措置(派遣元事業主は、雇用している派遣労働者のキャリアアップを図るため希望者に対してキャリア・コンサルティングを実施するよう義務づけ)

人材業界を志望するのであれば、このような変化があったということを知っておきましょう。

また、近年では「HRテック」という人事労務の領域にクラウドや人工知能など新しい技術を融合したサービスに注目が集まっています。採用、育成・研修、配属、評価、健康管理など幅広い分野で活用されることが予想されています。実際に勤怠実績のデータを解析し、勤務意欲が下がっている従業員を探し出すことで離職を未然に防ぐといったサービスを提供している企業も出てきています。

人材業界は労働者不足が続くなかで重要な役割を担っている

人材業界は労働者不足が続くなかで重要な役割を担っています。人材サービスを提供している企業がどのように利益を生み出しているかを理解したうえで、業務内容に興味を持ったなら人材業界も志望先として候補に入れるといいのではないでしょうか。

参考

[1]賃金・社会保障 | 一般社団法人日本人材派遣協会
[2] https://www.jassa.or.jp/keywords/index3.html
[3]2018.3.15

[1]人材ビジネス市場に関する調査
[2] http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0461327_01.pdf
[3]2018.3.15

[1]日本経済新聞社 (編集)
[2] 2017/8/26
[3]日経業界地図 2018年版
[4]日本経済新聞出版社

関連リンク

人材の就活情報・新卒採用クチコミ - みん就(みんなの就職活動日記)

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著者:沖 圭祐

関西在住のライター、キャリアコンサルタント。 総合大学卒業後、大学受験予備校で進路相談の職員を経験。大学職員として勤務した後、ライター、キャリアコンサルタントとして独立。 現在では就職活動、転職活動、働き方といった分野を中心に記事を書いています。履歴書、エントリーシート、小論文作成のアドバイスや添削といった仕事もしています。食べることが大好きで、お土産やグルメの記事も執筆中。教員免許や国家資格であるキャリアコンサルタントの資格も所持しています。