おかしな敬語に注意!アルバイト先で気をつけたい敬語~接客編~

あなたは大丈夫?アルバイトで使いがちな「バイト敬語」とは?今すぐ改善したい接客中のバイト敬語

バイト敬語とは?

「バイト敬語」とは、接客業などで間違えた表現のまま使われている、違和感のある敬語のことです。敬語に自信のない若者たちが、過剰な表現やあいまいな敬語を使っているのを、お客様が頻繁に耳にするようになり、世間一般に定着したのではないかと考えられます。
接客業で間違った敬語を使うと、接客マナーの質が低いと思われるだけではなく、お客様に不快感を与えてしまうことにもなりかねません。事実、2013年度の文化庁の「国語に関する世論調査」では、よく耳にするおかしな言い回しに対して「不快に感じる」と回答した人は、約6割にのぼりました。もし、バイト敬語を使っているなら、すぐにでも改善したほうがよいでしょう。

バイト敬語の代表例

(1)「よろしかったですか?」
注文内容など、たった今聞いたことに対して確認を取る行為のため、過去形と現在形が混同してしまっています。注文を聞いた時間はすでに過去ですが、確認しているのは”今”なので、現在形の「よろしいですか?」が正解です。また、「よろしかった?」という言い方は、決めつけているような印象を持たれることもあるので注意しましょう。

(2)「千円からお預かりします」
本来は、店員がお客様に伝える内容は、「千円から代金分の800円をいただき、200円をお返しする」ということです。「千円からお預かりします」という言い方は、「千円をお預かりします」と、「千円から800円をいただきます」を混同しています。「~を預かる」というのが正しい文法なので、「千円をお預かりします」が正解です。

(3)「~になります」
例えば、「化粧室はこちらです」を丁寧に言おうとして、「化粧室はこちらになります」という言っているのをよく耳にします。本来、「~になる」は尊敬語ではなく、変化を示す言葉です。そのため、正しくは「こちらでございます」と言うようにしましょう。

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【飲食店のアルバイト】よく使う接客の敬語の例

普段、何気なく使っている敬語や、店舗などでよく耳にする敬語には、間違った物も多く存在します。ここでは、レストランやカフェなど、飲食業の接客アルバイトにおいて、間違って使いがちな敬語について解説します。

(1)予約の名前を尋ねるとき

×:「お名前を頂戴できますか?」
〇:「お名前を聞かせていただけますか?」 
△:「お名前をお聞かせいただけますか?」

「頂戴する」は「もらう」の謙譲語、つまり、物をもらうときに使う敬語なので、名前を聞くときに用いるとお客様に失礼になります。この場合は、「お名前を聞かせていただけますか?」や「お名前をお伺いできますか?」などが適切でしょう。よく耳にする「お聞かせいただけますか?」は、厳密に言えば二重敬語なので間違いです。しかし、より丁寧な言い方として広く認知されている表現なので、使っても特に問題ないと言えます。また、「お聞かせいただいてもよろしいでしょうか?」は、冗長な言い回しと捉えられる可能性があります。頭にクッション言葉を付けて、「恐れ入りますが、お名前をお聞かせいただけますか?」と言うほうが好ましいでしょう。

(2)予約の名前を告げられたとき

×:「鈴木様でございますね」
〇:「鈴木様でいらっしゃいますね」

「ございます」は「ある」の丁寧語です。「ある」は物の存在を示す動詞で、人の存在を示す動詞は「いる」です。したがって、「いる」の丁寧語である「いらっしゃる」を使うようにしましょう。

(3)お客様にどうするのか尋ねるとき

×:「コーヒーと紅茶と、どちらにいたしましょうか?」/「ご注文はいかがいたしましょうか?」
〇:「コーヒーと紅茶と、どちらになさいますか?」/「ご注文はいかがなさいますか?」

「いたす」は、「する」の謙譲語。つまり、自分の行動についてへりくだって言う言葉です。選択するのは自分ではなくお客様なので、「する」の尊敬語の「なさる」が正解です。

(4)「~のほう」という言い回し

×:「メニューのほうをお下げいたします」
〇:「メニューをお下げいたします」

「お席はこちらのほうになります」、「お料理のほうをお持ちいたしました」、「お会計のほうをお願いいたします」など、「~のほう」という言い回しも接客業でよく耳にします。より丁寧な言い回しと思って使っている人が多いようです。しかし、もともと、「ほう(方)」は、方向を示すとき、複数のうちのひとつを指すとき、物事をぼやかすときなどに使う言葉なので、単に物を指し示す場合は、「メニューをお下げいたします」が適切です。
複数のうちのひとつや方向を示すときなど、状況や使い方によっては、正しい言い回しの場合もありますが、あまりに多用されるようになったので、不快感を示す人が多いのも事実です。「~のほう」は、なくても(取ってしまっても)意味が通じるため、極力使わないようにしたほうが無難でしょう。

【販売のアルバイト】よく使う接客の敬語の例

続いて、スーパーやコンビニ、各種店舗の販売のアルバイトで、頻繁に使われるものの、間違いやすい敬語について解説します。

(1)来店のお礼を述べる場合

△:「本日はご来店いただきましてありがとうございます」
〇:「本日はご来店くださいましてありがとうございます」

「していただく」は「してもらう」の謙譲語で、「してくださる」は「してくれる」の尊敬語です。本来の言葉の意味からすると、「していただく」は、相手に何かを依頼した場合に用い、「してくださる」は、相手が自主的に何かをしてくれた場合に用いる言葉だと言えます。しかし、文化庁の「敬語の指針」によると、「いただく」には、恩恵を受けるという意味もあるとされています。「ご来店いただきまして」も間違いというわけではありませんが、本来の意味も含めると、「ご来店くださいまして」のほうが、好ましいと言えるでしょう。

(2)了承する場合

×:「了解いたしました」
〇:「承知いたしました」、「かしこまりました」

「了解した」は、同等の立場や目下の人に対して用いる言い回しです。そのため、例え、「いたしました」という謙譲表現をしたとしても、「紹介した」をお客様に対して用いると失礼にあたります。「承知いたしました」や「かしこまりました」と言うようにしましょう。

(3)会計時に金額を告げる場合

×:「5000円になります」
〇:「5000円でございます」

「~になる」は変化を表す言葉なので、商品の金額を告げる場合は、「5000円です」をより丁寧に表現した、「5000円でございます」が適切です。ただし、セールなどで表示金額から何割引きという場合は、元の金額から変化するので、「(2割引きなので)4000円になります」と言っても問題ありません。

(4)ちょうどの金額を受け取ったとき

×:「5000円ちょうどお預かりします」(「5000円ちょうどお預かりいたします」は△)
〇:「5000円ちょうど頂戴します」(「5000円ちょうど頂戴いたします」は△)

会計時の「お金を預かる」という言い回しは、お釣りがある場合に、一旦代金以上の金額を預かる、という意味が含まれています。したがって、お釣りが発生しない場合は預かるわけではないので、「頂戴します」が適切です。また、「お預かりいたします」や「頂戴いたします」は二重敬語ですが、一般に許容されている表現のため、使っても問題はないでしょう。

アルバイトでも正しい敬語を意識して接客しよう!

バイト敬語に代表されるように、間違った敬語が当たり前のように使われているケースが多いため、間違えていることにすら気付いていない可能性があります。普段使っている敬語を一度見直して、正しい敬語で接客できるように意識しましょう。

参考

[1]国語に関する世論調査 | 文化庁
[2]http://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/kokugo_yoronchosa/index.html
[3]2018.2.5

[1]敬語おもしろ相談室 | 文化庁
[2]http://www.bunka.go.jp/seisaku/kokugo_nihongo/kokugo_shisaku/keigo/index.html
[3]2018.2.5

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著者:福田 結希

食品会社の研究開発および製造、人材コンサルティング会社に所属していた経歴を持ちます。また、現在までに飲食店ホールおよび調理補助、パン屋店員、配送業務、衣料店員、事務・営業事務、受注業務、リゾートバイトなどの多種のアルバイトやパートを経験してきました。