おかしな敬語に注意!アルバイト先で気を付けたい敬語~職場編~

普段、何気なく使っている敬語ですが、間違いに気付かず使っていることも珍しくありません。特に職場内では、親しい間柄でも要注意です!そこで今回は、職場の仲間、上司や先輩に対する、敬語の正しい使い方をご紹介します。

アルバイトするなら知っておきたい敬語(尊敬語・謙譲語・丁寧語)の使い方

職場内でおかしな敬語を使っていると、上司や先輩だけでなく、お客様にも「マナーがなっていない」という印象を与えてしまいます。せっかく仕事を頑張っていても、敬語が使えていないことで、マイナスの評価をされてしまうのはもったいないですよね。そうならないためにも、敬語についてしっかりと理解し、正しい敬語を使えるようにしましょう。

敬語は、大きく分けると「尊敬語」・「謙譲語」・「丁寧語」の3種類が存在します。敬語を使ううえで多くの人が戸惑うのが、「尊敬語」・「謙譲語」・「丁寧語」の使い分けです。敬語の基礎となる部分なので、この3つの違いを明確にしておきましょう。

1.「尊敬語」・「謙譲語」・「丁寧語」とは?

(1)尊敬語
◎目上の人に対して、相手への敬意を示すために使う言葉
◎目上の人の行為、状態、相手にかかわる持ち物や人物について、言う場合に用いる
 ・相手の行為→動詞(おっしゃる、ご覧になるなど)
 ・状態→形容詞・形容動詞(お忙しい、お元気など)
 ・相手にかかわる持ち物や人物→名詞(お荷物、お連れ様など)
(2)謙譲語
自分の立場を相手よりも下げ、へりくだった表現をすることで相手を敬う
◎自分(身内も含む)の行為、状態を表すときに用いる

(3)丁寧語
立場や内容にかかわらず、丁寧な言葉遣いをすることで相手に敬意を示す

尊敬語と謙譲語の違いがわかりづらい場合は、「尊敬語の主語は目上の人」で、「謙譲語の主語は自分」と覚えておくとよいでしょう。

2.「尊敬語」・「謙譲語」・「丁寧語」の具体例

同じ言葉を「尊敬語」・「謙譲語」・「丁寧語」にするとどうなるのか、具体例を見ていきましょう。

(1)言う
【尊敬語】おっしゃる、言われる 【謙譲語】申す、申し上げる 【丁寧語】言います
(2)行く
【尊敬語】いらっしゃる、おいでになる 【謙譲語】うかがう、参る 【丁寧語】行きます
(3)する
【尊敬語】なさる、される 【謙譲語】いたす、させていただく(※) 【丁寧語】します
※「させていただく」は、相手に許可を得て、その恩恵を受ける行為の場合に用いる
(4)見る
【尊敬語】ご覧になる 【謙譲語】拝見する 【丁寧語】見ます
(5)食べる
【尊敬語】召し上がる、お食べになる 【謙譲語】いただく 【丁寧語】食べます

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アルバイト先での敬語の使い方【職場での会話】

次に、職場での正しい敬語の使い方について具体的に見ていきましょう。ここでは、職場内でよく見られる日常的なやり取りについて、いくつか例にあげてみます。

(1)出社時の挨拶
×:「おはようございます!本日も宜しくお願いします」
○:「おはようございます!本日も宜しくお願いいたします」
「お願いします」という言い回しも間違いではありませんが、謙譲語の「いたします」を使うほうが、より丁寧な言い回しになります。

(2)遅刻した場合
×:「出勤が遅くなってすみません」/「出勤が遅くなって申し訳ないです」
〇:「出勤が遅くなりまして申し訳ございません」/「出勤が遅くなりまして申し訳ありません」
「なって」は、丁寧語の「なりまして」が適切です。また、「すみません」・「申し訳ないです」は、謙譲語の「申し訳ございません」を使いましょう。「申し訳ありません」でも問題ありませんが、「申し訳ございません」のほうがより丁寧な印象を与えます。

(3)お客様の来訪を伝える場合
×:「お客様が来ました」/「お客様がお見えになられました」
〇:「お客様がいらっしゃいました」/「お客様がお見えになりました」
この場合の主語は「お客様」なので、丁寧語ではなく、尊敬語を使うのが正解です。「来る」の尊敬語には、「いらっしゃる」「見える」「おいでになる」「お越しになる」などがあります。ここで注意したいのが、「お見えになられました」という言い回しです。一見、正しいように思えますが、「お見えになる」と、「される(「する」の尊敬語)」からなる「二重敬語」となり、敬語表現としては好ましくありません。

(4)上司の元にお客様を案内したとき
×:「お客様をお連れいたしました」
〇:「お客様をご案内いたしました」
この場合のポイントは、目上の人が上司とお客様の複数存在することです。「お連れする」の「連れる」には、同伴する、仲間を引き連れるという意味があります。つまり、「お客様をお連れいたしました」は、上司に対して尊敬の念は示していますが、お客様を仲間や同伴者とみなしていることになるので、お客様に失礼にあたります。「お連れいたしました」ではなく、「ご案内いたしました」と言うようにしましょう。なお、同僚を上司の元に案内する際は、「〇〇さんをお連れいたしました」、身内や自分よりも立場が下の人を案内する際は、「〇〇を連れて参りました」という言い回しが適切でしょう。

アルバイト先での敬語の使い方【先輩・上司との会話】

上司や先輩に対する敬語も、間違いに気付かずに使っていることがよくあります。くだけた雰囲気の職場では、上司や先輩に対して、ざっくばらんに丁寧語で話すこともあるかもしれませんが、正しい敬語を知っているか知らないかでは大違いです。間違いやすい敬語について、しっかりと理解しておきましょう。

(1)返事の仕方
×:「了解いたしました」
〇:「承知いたしました」/「かしこまりました」
「する」の謙譲語である「いたす」を使っているため、正しい敬語と思えるかもしれませんが、「了解する」という言い方に問題があります。「了解した」は、同等もしくは目下の人に対する言い回しで、「わかった!」、「OK!」というようなニュアンスがあります。ですから、例え、「いたしました」という謙譲語をつけたとしても、目上の人に使うのは、失礼にあたります。目上の人に対しては、「承知いたしました」や「かしこまりました」を使うようにしましょう。「かしこまりました」のほうがより丁寧な言い回しになります。

(2)ねぎらいの言葉
×:「ご苦労様です」
〇:「お疲れ様です」
「ご苦労」には、同等もしくは目下の人に対して労をねぎらう、という意味があるため、目上の人には使ってはいけません。目上の人に対しては、「お疲れ様です」というのが正解です。一方、「お疲れ様」は、ビジネスマナーにおいて身分や立場に関係なく使える言葉とされるため、同僚や目下の人に対して使っても問題ありません。

(3)頼みごとをする場合
×:「~してもらえませんか?」
〇:「~していただけないでしょうか?」
「もらう」の謙譲語である、「いただく」を使うようにしましょう。また、頭に「よろしかったら」、「申し訳ありませんが」、「差し支えなければ」などのクッション言葉をつけると、より柔らかい表現になります。
多少の無理を聞いてもらうときや、「~してもらうと助かる」というニュアンスを伝えたいときに、「~していただいてもよろしいでしょうか?」と言うことがあります。敬語としては間違いではありませんが、なかには、冗長表現や過剰敬語と捉える人もいるので、注意が必要です。

(4)アドバイスをもらったとき
×:「参考になりました」
〇:「勉強になりました」
「参考」という言葉には、考えをまとめるときの手がかりや助けにする、判断材料として利用する、といった意味があります。つまり、考えの足しにすると受け取れるため、目上の人に対して使うのは失礼です。勉強させてもらった、という感謝の意味合いを込めて、「勉強になりました」と言うようにしましょう。

アルバイトの敬語は毎日の積み重ねで身につけよう

正しい敬語を身につけると、就活や社会人になったときに必ず役に立ちます。敬語は、「尊敬語」・「謙譲語」・「丁寧語」の区別と、その言葉の元の意味を理解すれば、思ったほど難しくはありません。迷ったら調べる癖をつけ、普段から正しい敬語を意識して使うことで、自然に話せるようにしていきましょう。

参考

[1]敬語おもしろ相談室 | 文化庁
[2]http://www.bunka.go.jp/seisaku/kokugo_nihongo/kokugo_shisaku/keigo/index.html
[3]2018.2.4

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著者:福田 結希

食品会社の研究開発および製造、人材コンサルティング会社に所属していた経歴を持ちます。また、現在までに飲食店ホールおよび調理補助、パン屋店員、配送業務、衣料店員、事務・営業事務、受注業務、リゾートバイトなどの多種のアルバイトやパートを経験してきました。