外資系企業の年収が高いのは本当?新卒の初任給の決まり方を解説

「外資系企業=高年収」というイメージを持っている人は多いでしょう。実際に日系企業と比較して高年収で、新卒であっても給与が評価や職種によって異なることも珍しくありません。具体的にどのような仕組みなのか説明していきます。

外資系の年収高い理由とは?

まず、外資系の年収が高い理由を明らかにしておきましょう。主にあげられるのは以下の5つのポイントです。

(1)企業そのものが高収益をキープしていることが多いため

前提として、高年収を実現できる企業は、企業の高収益であることがあげられます。各業界において世界トップクラスの知名度やシェアを持ち、効率よくお金を稼ぐ仕組みが成立している企業であってはじめて、高い年収も実現されます。

(2)優秀な人材を囲い込むため

次にあげられるのは人材確保の観点です。企業が高収益を保つためには優秀な人材が欠かせません。他社に負けないようにするためには、高い年収の提示が必要な要素になります。

(3)海外でビジネス展開を進めるにはリスクが伴うため

また、外資系ならではの理由として、海外でビジネス展開をするリスクがあるという点があげられます。一般的に、為替の変動や世界情勢などさまざまな要素に影響を受け、急に撤退といったリスクが考えられます。その分、給与を高く設定しているというケースは珍しくありません。

(4)インセンティブの割合が多いため

外資系の給与体系は業績に応じたインセンティブが多く含まれ、トータルでより高い給与を得られるケースが多いです。

(5)退職金や福利厚生がほとんどないため

外資系企業は、日系企業が持つような退職金制度や福利厚生を持たないことが一般的です。その分給与が高く設定されていることが多いと言えます。

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外資系が年収を公開していない理由

外資系は高年収であるという認識がある一方で、詳細は非公開というケースも多いのが特徴です。その理由は以下の2点です。

(1)他社からの引き抜き防止のため

1つは他社からの引き抜きを防ぐためです。前項でもご紹介した通り、外資系の給与が高い理由の1つとして優秀な人材の囲い込みがあります。場合によっては「現在の会社より高い給与を払うから、うちへ来てほしい」というオファーもありえます。こうした状況は企業としては未然に防ぎたいものです。そのため、公には給与を開示しないというのが一般的となっています。

(2)年齢給ではなく職種や能力によって給与が決まるため

もう1つの理由が、多くの日系企業のように年齢で一律に給与が決まっていないためです。外資系企業の場合、職種や能力によって新卒ですら給与が違うことも普通です。そのため、一概にいくらということが難しく、そうした理由もあって給与は非公開となっていることが多いです。

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外資系の給与の計算方法と昇給カーブ

次に、外資系の給与の仕組みについて説明していきましょう。

(1)年俸制

まず外資系の多くの企業は年俸制で、1年間の給与が決まっています。それを12等分するかたちで支給されるケース、16等分して4か月分を夏冬のボーナスに充てるケースなど、対応は企業によってさまざまです。

(2)ベースサラリーとインセンティブの仕組み

外資系企業は職能給(能力によって給与が変動する仕組み)を取り入れている企業が多く、職能ランクによってベースサラリー(日本でいう基本給)が決まります。これに加えて、個人業績に応じて金額が変動する賞与、すなわちインセンティブが支給されるのが一般的です。

(3)入社後どのように給与が上がっていくのか

査定によって職能レベルが上がっていけば、給与も上昇していきますが、入社後3年目まではベースサラリーの割合が多いことが一般的です。それ以降になると自身が責任を負う売上金額などに応じてインセンティブは高くなります。そのためベースサラリーとインセンティブが同等、もしくはインセンティブの方が高くなるということもありえます。

給与カーブで言えば、日系企業が低いところから徐々に右肩上がりで上がっていくのに対して、外資系企業はスタートラインから高いことが特徴です。一方で、上がり方は職能給によるところなので右肩上がりとは限りません。また、外資系は離職を余儀なくされるケースも多いため、途中で大きく下がることも少なくないのが特徴です。この点の詳細は次項で説明していきます。

注意したい外資系の「UP or OUT」とは?

元々高水準である給与がさらに上昇する可能性がある一方で、外資系企業には厳しい成果主義に基づくリスクがあることも理解しておきたいポイントです。

「UP or OUT」という言葉がよく用いられますが、評価される成果を出せれば昇格・昇給(UP)、成果が出せない人は退職(OUT)と言われるほど、外資系の成果主義はシビアです。それ故に、入社後働き続けられる保障はなく、実際に離職率の高さも外資系企業の特徴となっています。

こうした側面も考慮すると、外資系で一時的に高い年収を獲得したからと言って、必ずしも生涯年収が高くなるとは限らないのです。実際に、外資系に定年まで勤め続ける人は多くはありません。外資系に勤めて早期リタイアする人、外資系企業を渡り歩く人、日系企業に転職する人、起業する人などキャリアの選択はさまざまです。

入社してみなければ、自分自身がどのような道に進むことになるかはわからないという人の方が多いと思いますが、こうしたリスクがあることは理解しておきましょう。

外資系でも年収が高い業種と年収の目安

リスクはあっても、よりシビアな環境で仕事のスキルを磨き、高い年収を得たいという方も少なくないでしょう。そこで最後に、外資系のなかでも年収の高い業種と年収の目安についてご紹介していきます。

No.1:金融

外資系金融企業は外資系企業のなかでも特に年収が高い業種です。証券会社、保険会社などさまざまな分野がありますが、特に投資銀行の給与水準が高いと言われています。入社3年で1,500万程度の給与も珍しくないようです。企業によって差はありますが、一般的なベースサラリーは以下の通りです。

  • 新卒アナリスト:800万円〜
  • アソシエイト:1,100万円〜
  • ヴァイスプレジデント:1,500万円〜
  • マネージングディレクター:2,500万円〜

これに加えてインセンティブがベース給の30%〜100%上乗せされるため、非常に高い金額を得られることがわかります。また、年収が一定額を超えると現金ではなく株式で支払われる仕組みも一般的です。

No.2:コンサル

次にあげられるのがコンサルです。コンサルは外資系金融企業に比べるとスタートラインの給与は高くはありませんが、昇級するとベースサラリーが大きく上昇します。一般的なベースサラリーは以下の通りです。

  • アナリスト:400万円〜
  • アソシエイト:800万円〜
  • プロジェクトマネジャー:1,500万円〜
  • プリンシパル:2,000万円〜
  • パートナー:3,000万円〜

トップクラスのコンサルティングファームになると一番下の等級であっても500〜650万円程度のベースサラリーとなっているため、企業による差は大きいです。また、3年目を過ぎるとベース給が1,000万円を超えることが多いようです。

No.3:IT

ITは細かな業種の違いが幅広いですが、ハードウェアやソフトウェアのメーカーやベンダー、ITコンサル、Webサービスなどが主な事業です。こうした企業群の新卒入社時のベースサラリーは、400万円〜500万円程度の企業が多く日系企業の新卒よりは給与水準が高いですが、一方で昇級の機会が少ないことが特徴です。その分、インセンティブの割合がベースサラリーの30〜40%程度と高い水準にあり、業績次第で給与が高くなる可能性があります。

また、職種によって給与の差が出やすいのも特徴で、優秀なエンジニアには高い給与が提示されるなど、個人による差が大きいと言えます。

No.4:メーカー

最後にあげられるのはメーカーです。大手企業でベースサラリーは450万円〜550万円程度で、日系企業より高い水準であることがうかがえます。ただし、ここまでにご紹介した業種に比べるとインセンティブが少なく、若くしてより高額な年収を得るのは難しい業種であると言えます。その一方で、昇級ペースは日系企業より早いので、外資系企業間よりもメーカー間で比較した場合には高い水準と言えることが多いでしょう。

外資系は常に成果が求められるため高収入に

外資系企業は成果主義による給与システムで、ベースサラリーの上昇やインセンティブなどにより高い年収を手にすることができます。厳しさはあるものの、実力が伴えばその分明確に評価される環境とも言えるので、そうした環境に挑戦していきたいという方にはおすすめです。

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著者:山崎えま

大手人材会社にて新卒就活ナビの大学向けプロモーションを担当。都内私立大学を中心に年間5,000名を対象とした就活ガイダンスや面接・グループディスカッション講座などを実施。現在は海外在住で就活・キャリアライターとしてコラム記事執筆を中心に就活生を支援しています。