海外インターンシップの準備まとめ!ビザ取得費用なども解説

海外インターンシップを実現させるためのツアーやプランには、さまざまな種類があります。プラン選択のほか、語学学習、持ち物や保険のこと、国によってはビザの取得などの準備もあります。ここでは必要な準備項目を確認しましょう。

海外インターンシップに参加する意義

海外では、"internship"というと有給の仕事で、その会社への就職を前提として、仕事への適性を試すために体験就労することを意味します。日本の企業が行うインターンシップは、無給のものや企業説明会の意味合いが濃いものも多いので、日本のインターンとは異なるという点を押さえておきましょう。

海外インターンシップは、その職場に就職するためというより実習・研修を重視したものとなり、新たなスキルを身につける場所として活用できます。それぞれの職種をイメージしやすくなるため、企業選びや面接の際に役立ちます。また、日本では出会えないような人と一緒に働くことで、就職活動の意識が高まるでしょう。1、2年生であれば複数のインターンシップに挑戦することも可能です。数多くのインターンシップに参加することで、働くことへの目的意識が深まるメリットもあります。

一方でインターンシップに行くためには、語学の資格を持っているか、関連するスキルを大学で学んでいるかなどといった参加条件が設けられている場合があります。さらに、航空券や宿泊先まで自分で個人手配する必要があるケースもあり、どうしても手間がかかってしまうというデメリットもあります。準備期間を長めに取り、念入りに情報収集して計画的に渡航準備を進めていく必要があります。

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海外インターンシップに必要な語学力の準備

海外インターンシップに参加するためには、仕事をこなすための高い語学力が求められるので、語学力の心配をする人も多いかもしれません。インターンシップのプログラムによっては、語学研修が組み込まれているものもありますが、現地の語学研修は現地の言葉(英語圏なら英語)で行われるため、授業を理解するのも大変です。事前にある程度の勉強を済ませておきましょう。

事前に語学力を磨くにあたっては、「丸暗記できることは日本で済ませる」という方針が有効です。英語の場合、英文法や単語の暗記を重視します。文法・語彙学習を効率よく済ませるという意味では、TOEICや英検などの資格試験の勉強がちょうど良いでしょう。

TOEICの学習は、リスニングCDのついた公式問題集で自習するのが最も定番のやり方です。2018年1月現在、第3巻まで発売されており、価格は1巻あたり2,800円+税です。
また、大手資格専門学校(TAC、LEC、大原など)でもTOEICの資格対策講座が開講されています。DVDやwebでの通信教育で3万円台~、教室講座で4~6万円程度が相場です。多くの大学生協や書店で、パンフレットの閲覧や申込が可能になっています。

英検は、試験機関である日本英語検定協会が総合講座、短期集中講座を開講しています。受講料は級によって異なりますが、1万円台後半~3万円以内で受講が可能です。

ほかにも、対策教材は数多く市販されており、教材の貸し出しやeラーニングが実施されている大学も多いため、通っている大学で利用できるものを生かすと良いでしょう。

英語の場合、一般的には3,000語以上の語彙力があれば日常会話ができると言われています。TOEICでは460~600のスコア、英検では準2級、2級が目安ですが、参加するプログラムによっては、TOEICスコア730点以上が推奨されている場合もあります。渡航前の語学力を測るためにも受験を検討すると良いでしょう。帰国後に再度受験して成績アップすると、渡航の成果が明らかになり、就職活動時の自己PRにさらに効果的です。

海外インターンシップに必要なビザ取得手続きと費用目安

海外インターンシップの渡航先としても人気なのは、アメリカやカナダをはじめ、ヨーロッパ諸国、オーストラリア・ニュージーランド、そして東南アジアです。

アメリカに入国するためには、90日以内の滞在の場合はESTA(エスタ)という入国審査が事前に必要となります。さらに、到着時に入国審査官に英語で渡航目的を説明する必要があります。

昨今の情勢により、アメリカへの入国審査は非常に厳しくなっています。インターンシップで渡米する場合、観光であると偽って入国することはできません。さらに、有給の就労ではないという点を正確に説明する必要があります。実際、個人でESTAの申請を行おうとして、認証拒否になってしまうケースも発生しています。現状は、ツアー主催者や旅行代理店にESTAを代行してもらうほうが安心です。手数料はツアー代金に含まれている場合や、単体で申し込む場合は5,000円~7,000円程度が相場となっています。

カナダの場合は半年以内の滞在で、就労を行わない場合は観光ビザで渡航が可能ですが、事前にカナダ電子渡航認証(eTA)の取得が必要です。旅行代理店や代行業者に依頼するか、自分でオンライン申請をする場合は、申請料がクレジットカード決済で7カナダドル(約600円)となります。

オーストラリアへ渡航するには、「ETAS(イータス)」というビザが必要です。90日以内の観光・商用目的の滞在に必要なもので、無給インターンシップも対象となります。取得するには、旅行代理店や代行業者に手数料を払って依頼するか、自分でオーストラリア政府移民局のサイトにアクセスしてインターネットから申請する方法があります。インターネットで申請する場合の取得費用は、クレジットカード決済で20オーストラリアドル(約1,800円)です。

ニュージーランドは3ヶ月以内の滞在で、就労を行わない場合は観光ビザ(短期滞在ビザ)での渡航が可能です。ビザの取得は免除されており、パスポートだけで入国できます。パスポートの有効期限が入国時に3ヶ月+滞在日数分残っていることが必要です。

EU加盟国は90日以内の滞在で就労を行わない場合は、ビザなしでパスポートだけで入国できます。対象は「シェンゲン協定」に加盟している国で、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、フィンランドなど多くの国が含まれています。シェンゲン圏内では出入国審査がないため、現地到着後、別の国に旅行することも可能です。

海外インターンシップ参加に向けた航空券手配・滞在先の準備

海外インターンシップに行くには4つの方法があります。

まずは、通っている大学が準備するプログラムに参加することです。例えば、デザイン専攻の学生が現地学生との共同ワークショップに参加するなど、大学ごとに専攻分野に直結した海外経験を積み、就職に生かすためのさまざまなプログラムがあります。学校への申込で渡航準備が完結するだけでなく、選択科目として単位認定が受けられることもあるなど、メリットの多いインターンシップです。

もし自分の大学に希望するプログラムがない場合は、大学生協が企画するスタディーツアーを探してみるのも一つの手。全国どこからでも申し込める生協連のプランを見てみると、「ヨーロッパ・ピーススタディーツアー10日間」は368,000円、「フィンランド幼児教育・保育視察実習8日間」は278,000円(いずれも2018年度開催分)でした。

ボランティアツアーに興味があるなら、NGOやNPOが主催するツアーや現地支援を検討するのも良いでしょう。渡航前から国内ボランティア活動に参加して、問題意識を持ってから渡航すると、現地での生活もより充実するはずです。現地までの航空券は個人手配というケースも多くなります。

ツアーではなく個人で渡航したい場合は、「アイセック(AIESEC)」のような国際学生団体に所属してインターンシップ受け入れ先をマッチングしてもらうという方法もあります。この場合、航空券やホームステイを個人手配する必要があるなど、自分で動く度合いが非常に高くなります。

最後は、旅行代理店などを利用する方法です。ほかの手段と比べると費用が高くなりますが、プロに任せて準備万端で渡航したい人にはおすすめです。

旅行代理店探しに迷っている人のために、日本旅行業協会(JATA)が海外にも広報しているツアーオペレーター認証制度ができており、現在50社以上の企業が登録されています。ツアーの品質基準を満たした代理店を利用することで、より安心して渡航することができます。また、「地球の歩き方」や「留学ジャーナル」のような出版社が、旅行代理店とタイアップして、読者に人気のインターンシップをツアー化している場合もあります。
これらは、2週間程度で30万円以上の費用が目安となりますが、5~6日間のツアーや、東南アジアなど近距離のツアーを選択することで、10万円台の予算でも渡航可能なものがあります。

大手旅行代理店では、インターンシップ説明会が開催されています。渡航に慣れていない人は説明会に参加すると良いでしょう。また、複数の業者に見積もりを取ることはもちろん、担当者との連絡の取りやすさやプログラムの開催実績、費用の支払いについて疑問点がないか検討しましょう。

海外でいざというときの備え!海外保険への加入

もし現地でケガや急病に見舞われた場合は、日本の健康保険が一部適用されます。一旦は治療費を全額負担しなければなりませんが、「海外療養費制度」といって、海外の医療機関に支払った医療費の一部払い戻しを受けられる制度があります。しかし、日本の健康保険が適用されない治療は対象外となるほか、日本で治療した場合の金額に換算されるため、日本で治療を受ける場合と比べて割高になるケースが多くなります。

万が一の治療費を少しでも抑えるためには、海外旅行保険への加入がおすすめ。ケガや急病の場合、多くの保険会社が24時間電話サポートを受け付けており、提携病院の紹介や予約、電話での医療通訳、治療費がキャッシュレスになるなどさまざまな不安が解消されます。また、保険内容は渡航先でのケガや病気の治療費だけでなく、他人にケガを負わせてしまったり、他人の物を壊したりした場合の賠償責任、スマートフォンなどの携行品の破損・盗難などの補償があるとより安心です。

保険会社によっては、緊急歯科治療費や航空機遅延に伴う宿泊費を補償してくれるプランもあります。必要な場合は申し込んでおくと良いでしょう。

海外インターンシップで必要な携行品の準備

■国際学生証(ISICカード)
学生証の提示が必要な時や、公共交通機関、美術館などで学割の適用を受けたいとき、そして緊急時に大使館や病院などにつながるヘルプラインを利用したいときに役立つのが国際学生証です。パスポートの代わりとしての公式身分証明書になるため、視察など外出の多いインターンシップに参加する場合は、パスポート紛失予防にも役立ちます。
大学購買部や旅行会社などで発行の申込を受け付けており、取得費用は1,750円(オンライン・郵送申請の場合2,300円)です。

■国際運転免許証(国外運転免許証)
ボランティアプログラムに参加する場合など、現地で車の運転のお手伝いをする予定があるなら、国際運転免許証を取得することになります。運転免許証に記載されている都道府県の「運転免許センター(国外運転免許センター)・警察署・運転免許試験場」に申請し、手続きを行います。

■パソコンとWi-Fi
インターンシップ中にレポートなどを書きたい場合は、日本語PCがあると非常に便利。英語版PCはキー配列も日本のものとは違うため、使い慣れたPCを持って行かないと不便を強いられることになるでしょう。
PCとセットで用意したいのがポケットWi-Fi。ポケットWi-Fiがあると、どこでもネットが使える環境になりますし、携帯電話やスマートフォンの通信量を抑えることもできるのでとても便利です。1ヵ月程度の短期滞在であればレンタルWi-Fiがお手頃。事前に申し込んでおくと、出発する空港などで受け取ることができます。

海外インターンシップに必要な準備は日にちに余裕を持って!

海外インターンシップには現地研修や視察を主体としたもの、国際ボランティアなどさまざまな種類があり、大学や大学生協、非営利組織などのルートで参加可能です。航空券を個人手配する可能性があることが観光旅行との違いです。ビザや電子渡航認証が必要な国もあるため、早く渡航先を決めて計画的に準備しましょう。

参考

[1]UCT>テーマのある旅
[2]http://travel.univcoop.or.jp/pkg/index.html
[3]2018.1.14

[1]ツアーオペレーター品質認証制度
[2] http://www.tour-quality.jp/
[3]2018.1.31

関連リンク

インターン求人検索 - 楽天みん就 求人サーチ
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著者:杉本 京子

産業カウンセラー/日本プロジェクトマネジメント協会(PMAJ)プロジェクトマネジメント・スペシャリスト
都内私立大学にて非常勤職員の傍ら、職業訓練講師や面接指導に従事。新卒・既卒者を対象に年間延べ100人以上の個別面接練習を行っている。