【アンケート考察】好きな商品&サービスから始める業界・職種研究

就職活動が本格化していく中で、業界研究を進めてはいるものの、なかなか興味を持てる会社や仕事が見つからない人も多いのではないでしょうか。そこで「自分が好きなものや興味があること」から仕事を探す方法をお伝えします。

「気になる商品」から企業を探す

f:id:hito-contents:20180329110308j:plain「2019年卒学生アンケート調査」2017年9月 みん就調べ

就職活動を始めたことで、普段使っている製品がどんな企業で作られているのか、結び付けて考える学生は多いです。日頃から目にしている、実際に使用している製品やサービスであれば愛着もありますし、商品の理解もしているのでゼロから企業研究を行うよりハードルが低いでしょう。BtoBビジネスをしている企業より仕事のイメージがしやすいと考える学生が多いようです。

また同調査では「テレビCMや電車内の動画広告を見て興味を持ち、企業研究した企業はありますか」という質問に対し、44.3%の学生が「ある」と回答。就職活動をしていると自然と世の中の気になる商品やサービスにアンテナが立ち、それをきっかけに志望企業を探しやすくなります。

その商品に惹かれるということは、その会社の考え方や社風と合う可能性も高いです。「気になる商品・サービス」からスタートする業界研究や企業研究は、ストレスなく進めることができるオススメの手法です。

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商品・サービスは企業の顔である

商品やサービスは、その企業の考え方や社風、戦略、持っている技術などをすべて凝縮した「企業の顔」です。誰の悩みやニーズに応えたいのか。そのためにどんな商品・サービスを練り上げ、どんな価値を提供するか。他社と違いどんな特徴を出していけるのか。各企業が真剣に考え、技術や知識を磨き創り上げた結果が商品・サービスと言えます。そのため、商品・サービスの特徴はそのまま会社自体の考え方や社風を表していることが多いです。

例えば、医療機器メーカーは1つのミスが人命に繋がるため、安全性の意識が特に高く、社員も比較的真面目な人が多いです。機械の製品開発コストも高いですし、アイデアを製品化するプロセスでは多くの人が関わり、何度も検証を行い石橋を叩いて新製品が生まれます。そのため、こういった企業ではチームできっちり仕事をするという意識が求められます。

また、旅行会社であれば、顧客に楽しさや刺激を与えることが仕事であるため、明るい人が集まりやすいでしょう。新商品開発についても、1人の担当が年間に数十の旅行企画を立てるなど、自分1人のアイデアを形にするということができます。このように会社の「商品・サービス」次第で仕事内容も、社風も、社員像も異なります。

「気になる商品」から始める業界・職種研究 ①商品の5W1Hを考えよう

「商品が好き」という想いがあっても、ただ漠然とそう感じているだけでは企業研究にも自己分析にも繋がりません。どこが「好き」なのかを分解し、具体的に好きなポイントを整理することが重要です。そこでオススメなのが5W1H法です。

5W1H法では、だれが(Who)、いつ(When)、どこで(Where)、なにを(What)、なぜ(Why)、どのように(How)で商品・サービスが使われるシーンを分解する方法です。例えば「冷凍食品」を例に挙げて説明します。

・だれが(Who)
4人家族の主婦。子どもは中学生と小学生。フルタイムでパートをしているため忙しく、中学生の娘のお弁当作を時には手抜きしたいと思っている。しかし、同時に栄養バランスも気にしており、毎回冷凍食品は良くないかなと思っている。
・いつ(When)
平日の朝6時頃
・どこで(Where)
家庭の台所
・なぜ(Why)
その日は「夕食の作り置きがなかった」「小学生の息子の世話に時間がかかった」「寝坊した」「疲れていた」などでお弁当作の時間がとれなかった。
・どのように(How)
時間のかかるメインのおかずとして冷凍ハンバーグをお弁当に入れた。それ以外は簡単に作る卵焼き、常備菜のきんぴら、ミニトマトで済ませた
・なにを(What)
冷凍食品のハンバーグ。ボリュームがありながら5種の野菜が練り込まれており、栄養価も高い

ポイントとしては、特にWhoとWhyについてはなるべく具体的に想像することです。自分自身がどう感じているかだけではなく、その商品・サービスを使っている顧客がどんな悩みや思いを持っているのかを詳細に考えてみてください。ここで出てきた人物像や商品選定理由、ニーズがその企業にとっての顧客や解決したい課題となります。

これを行うことで、その企業のミッションや何に向き合っているかが自分の頭で深く理解ができます。この例の冷凍食品であれば、「時短」「健康」に加え「ラクしたいが冷凍食品に頼る罪悪感を持つ主婦の想いを軽くする」といったことも企業のミッションかもしれません。

「気になる商品」から始める業界・職種研究 ②5W1Hの中で、どこが一番ピンと来るか

5W1H法をすべて埋めた上で「どこに一番共感できるか」「面白いと思えるか」は人によって違います。どこが面白いと思うかによって、主に「人派」「モノ派」「戦略派」に分かれます。

例えば「Who」。その商品が対象としている「人」に共感ができたという方。前述の冷凍食品であれば、忙しいお母さんを手助けしたい、負担を軽くしたいと思う方は「人派」と言えるでしょう。就職活動では「忙しいお母さんを助けられる企業は?」という軸で仕事を探すと良いでしょう。
また、「What」、その商品の技術やモノ自体がどう作られているかに興味がある人は「モノ派」なので、そのモノを作っている会社は他にないか探してみてください。
中には「5W1H全部の構造」と言う方もいます。これは企画や戦略に興味がある「戦略派」です。こんなニーズに対しこんな商品を企画したということ自体に興味がある層です。この場合は各社の経営戦略に注目し、面白いと思える企業を探すか、企画・マーケティング職のキャリアパスがある会社を探しましょう。

ぜひ、いくつか興味のある商品・サービスを題材に5W1H法を埋めてみてください。自分が何に興味があるのか価値観が見えてきます。「5W1Hすべてに共感ができる」という商品があれば、それを作っている企業はあなたにとって親和性の高い就職先かもしれません。

「気になる商品」から始める業界・職種研究 ③商品が提供されるまでをフローにする

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学生は自分たちの生活に身近なBtoC企業を就職先として意識しやすいのですが、BtoC企業は多くの企業の中のほんの一部です。「その商品が好き」「○○の悩みを持った人に応えたい」といった思いを実現できる企業はBtoC企業以外にもたくさん存在しているので、「隠れたベストマッチ企業」を見つけ出してみましょう。そのためにオススメなのが商品が提供されるまでのビジネスフローを書いてみることです。これを行うことで「モノ」×「役割」という軸が生まれ、1つの商品を作るためにメーカー以外の人なども多様な手法で関わっていることが理解できます。

旅行を例にした場合、ビジネスフローは「企画や仕入れ」「販売」「サービス業務(レストラン、各アクティビティ、各交通手段等)」といったものが挙げられます。同じ旅行に携わるとしても、各役割によって仕事内容ややりがいは異なります。

・企画・宿や交通手段の仕入れ:自分のアイデアを形にしたい、宿・交通手段などのパートナーと円滑に業務を調整する。一般的にはJTBやHISなどの旅行代理店がこの業務を担っていることが多いです。
・販売・カウンター業務:
目の前のお客さんのニーズに応える商品を提案する。前述のJTBやHISなど大手旅行代理店に加え、近年ではネットの旅行プラン紹介メディアがこの業務を担う割合が上がっています。
・サービス業務:
各部門の専門家としてプロフェッショナルな仕事をする。旅館やレストラン、テーマパーク、海や山でのスポーツ等アクティビティ、JRやバス等の交通機関等の、多様な企業がこの業務を担っています。

ビジネスフローを書きだすと、その商品ができるまでにどんな関わり方があるかが見えてきます。もしかしたら、興味を持てる「商品を届けるための役割」は、その企業ではなく別の企業にあるかもしれません。自分が具体的に何に興味があるのか、ぜひ一度整理してみましょう。

好きだからこそ、頑張れる

「自分は何が向いているか分からない」「"お祈り"で心が折れる」など辛いことも多い、就職活動。でも、好きなことならきっと企業研究も楽しく調べられます。興味を持てるものがあれば、そのために足りないスキルを補っていこうと目標を持ち頑張れると思います。ぜひ「好き」を軸に就職活動を深めていきましょう。

関連リンク

業界研究のクチコミ・掲示板 - みん就(みんなの就職活動日記)

 

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著者:おくいはつね

2006年より人材系企業にて、中途採用営業、営業支援、新規事業を経験。その後、東証一部上場企業などの採用コンサルティングや組織開発、研修プログラム開発、新卒採用ツール企画制作などに携わる。慶應大学などの教育機関でキャリア開発ワークショップを実施。また人材育成領域の事業立ち上げやマーケティングも行っている。