どれが正解?就職活動で企業に伝えるべきメールアドレスとは

普段の連絡にはスマートフォンのメッセージアプリが主流となり、メールを使う機会は減りがちですが、就職活動にメールは必須です。まずは就職活動用のメールアドレスを決めましょう。主なメールの種類と特徴についてご紹介します。

就職活動で大学メールを使うメリットとデメリット

企業とのメールのやりとりでは、送受信ができなかったり遅れたりしないかというのが最大の懸念ではないでしょうか。就職活動の際に大学のメールを利用すると、以下のような2つの大きなメリットがあります。

・信用力がある。メールアドレス自体が大学に在籍している証明となる
・管理体制がしっかりしているので、メール利用トラブルの心配がない

大学が管理しているメールなら、アクセス障害が発生する恐れは低く、企業に送信したメールが迷惑メールに振り分けられる可能性も極めて低いです。迷惑メールの判定は、@マーク以降の「ドメイン」によって決まるため、大学のドメイン「.ac.jp」を使っていれば企業側もスムーズに受信できます。

ただし、大学のメールはあくまでも、学生と大学の教職員が、学業及び事務的な連絡手段として使用することを想定したものです。学校によって異なりますが、以下のような制約が存在する場合があることがデメリットです。

・学外からは送受信不可の場合がある(転送して読むことはできても、大学アドレスを使って返信できないなど)
・卒業などにより学生の身分を失った場合、ただちに利用できなくなる場合がある
・添付ファイルが制限されている場合がある(容量の制限や、exeなどの形式の実行ファイルの添付禁止)

これらのうち、「卒業するとメールアドレスが使えない」という制約がある場合、内定から入社までの途中でメールアドレスが使えなくなる恐れがあり、就職への影響が大きいと言えます。

大学のメールを就職活動に使いたい人は、メールを管理している情報センターなどにあらかじめ有効期限を確認し、その期日以降は別のメールアドレスに連絡していただくよう、企業の担当者にお願いしておきましょう。

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就職活動でキャリアメールを使うメリットとデメリット

携帯電話会社が提供しているメールサービス、いわゆるキャリアメールも、就職活動用に使えます。就職活動の際にキャリアメールを利用すると、
・メールチェックに最も手間がかからない
・パソコンが使えない外出先や、緊急時でも連絡が取りやすい
・ITスキルに自信がない人には最も使いやすい
・使いこなせば時間や手間をさらに節約できる
といった多くのメリットがあります。

何と言っても威力を発揮するのが外出先や、緊急時です。就職活動では、複数の会社の説明会や面接、就活イベント、さらにはテストセンターの受検など、同時進行の予定が非常に多くなります。前の予定が長引き、次の予定に遅刻しそうな時は電話連絡を入れることになっているケースが大半です。そのとき、キャリアメールで企業の連絡メールを受信していれば、対象のメールが探しやすく、電話アプリとの連携もスムーズにできるため安心です。

電車遅延により車内から連絡を取らなければならないとき、登録メールアドレスがキャリアメールになっていれば、スマートフォンから緊急のメールを送っても安心です。もし、キャリアメールを企業に登録しておらず、緊急時に初めて使った場合、本人確認ができないため、連絡を受け付けてもらえない場合もあるのです。

キャリアメールならではの便利な利用法もあります。機種によってはメール本文や添付ファイルをスマートフォンからコンビニの複合機で直接印刷できるアプリがインストールできます。パソコンやプリンターがなくても、またダウンロードなどの面倒な操作をしなくても必要な書類が印刷できれば、事務作業の手間が省けることは間違いありません。

このように便利なキャリアメールですが、以下のようなデメリットもあります。

・企業ごとに受信許可設定をしておかないとメールが届かないことがある
・送信者名やアドレスの文字列によっては、ビジネスマナーを疑われる
・アドレス変更のたびに企業にも変更連絡をする必要がある

中でも必ず確認が必要なのは、受信許可設定です。各キャリアのセキュリティー設定のためユーザー受信拒否と認識されていたり、利用中のスマートフォンで迷惑メール対策設定が行われていたりすると、企業からのメールが受信できない場合があります。登録した就職情報サイトや応募した企業それぞれのドメイン(アドレスの@以降の文字列)を受信できるように設定しておきましょう。

キャリア別の設定方法は以下の通りです。
■docomoスマートフォン
メールアプリ→メール設定→ドコモメール設定サイト→認証画面→指定受信/拒否設定を選んで選択
■auスマートフォン
メールアイコン→Eメール設定→アドレス変更・その他の設定→迷惑メールフィルター設定・確認→暗証番号を入力→受信リスト設定で「有効」を選んで登録
■SoftBankスマートフォン
My SoftBank→メール設定の「Eメール」を選択→「迷惑メールブロック設定」の「次へ」を選択→「受信許可リスト」の「変更」を選んで登録
※詳しくは、使用している機種のマニュアル等を参照してください。

就職活動でwebメールを使うメリットとデメリット

webメールとは、インターネットに接続されていれば、ブラウザ(インターネット閲覧ソフト)を使ってどこからでも送受信できるというサービスです。

インターネット接続プロバイダーによっては、メールソフト向けのサービスと並行して、webメールのシステムも提供している場合があります。この場合、メールソフトとwebメールを並行して使うことも可能です。
また、OutlookやGmail、Yahoo!メールなどのwebメールは、その大半が無料で使うことができます。

就職活動の際にwebメールを利用すると、下記のようなメリットがあります。

・学校のパソコン、タブレット、スマートフォンなどあらゆる環境で使える
・受信メールはもちろん、送信履歴もどこからでも読めて便利
・一般的に受信可能容量が大きいため、メールが受信できなくなる心配が少ない
・PC、スマートフォンなどが万一故障して使えなくなっても代替手段が豊富

AndroidスマートフォンではGmailが標準アプリとなっていて、webメールはスマートフォンのおかげでますます使いやすくなりました。スマートフォンのメールソフトにwebメールを登録しておけば、キャリアメールと同じような利用法ができ、キャリアメールで挙げたものと同じメリットが得られます。

ただし、webメールには以下のようなデメリットがあります。

・特にフリーメールで送受信すると、自動で迷惑メールに振り分けられる可能性が高くなる
・フリーメールではメール遅延やアクセス障害などが発生することがある(利用料を支払っていないため十分な補償が受けられない)
・プロバイダー、フリーメールを問わず、不特定多数の人が使う端末ではセキュリティーへの警戒が必要(使用後のログオフ、パスワードの定期的な変更など)

最大の注意点は、迷惑メールへの自動振り分けです。フリーメールには、悪用防止のため非常に強力な迷惑メール判定機能が付いています。そのため、一斉送信メールへのフィルタリングが厳しく、企業から学生たちに一斉送信されたメールでさえ受信トレイに残らず迷惑メールフォルダに振り分けられてしまうといったトラブルも考えられます。受信トラブルを予防するためには手動で振り分け設定をし、企業や就職情報サイトのアドレスからのメールは自分で設定したフォルダに振り分けられるようにしておくと安心です。

逆に、自分が企業に送信したメールも送信サーバー上でフィルタリングされるため、100%送信成功するとは限りません。重要な用件をフリーメールから送信する場合は、自分あてに控え(BCC)を送信して確認するか、電話など別の手段でも念のため送信したことを連絡しておくと良いでしょう。

就職活動で伝えるメールアドレス、どれが正解?

これまで紹介してきたメールの種類別に、サービスの安定度(メール遅延やアクセス障害が発生しないか)を比較すると、「webメール(プロバイダーのメール)」と「大学のメール」が優れています。プロバイダーのメールを、自分のPCやスマートフォンで常に見られるようにしておき、ほかの端末でもwebブラウザから見られるように手順をよく覚えておけば、就職活動で困ることはないでしょう。

大学のメールも、学外への送受信に制約がないことが確認できれば、就職活動に最適なメールアドレスと言えます。スマートフォンで見られる機能が付いていれば必ず設定し、できない場合はスマートフォン用のアドレスに転送設定しておきましょう。

キャリアメールの場合、受信ブロックが作動するため多少のメール遅延が生じます。フリーのwebメールでもメール遅延が発生しますが、メールチェックの頻度を増やして遅延をカバーするなどの対策が取れれば、利用しても差し支えはないでしょう。

最近、利用者が増えてきた「格安SIM」は、キャリアメールの代わりにプロバイダーと同等の独自アドレスのメールを提供し始めています。格安SIMユーザーであれば無料、または安価(UQ mobileの場合、月額税抜200円)で利用できる上、メールボックス容量が無制限や大容量(楽天モバイルの場合15GB)を売りにしており、従来のキャリアメールより利便性が向上しているのが特徴です。プロバイダーのメールや大学のメールが使えなければ、このようなサービスの利用を検討するのも良いでしょう。

ここまでにご紹介したメールアドレスのいずれも持っていない場合は、プロバイダーのメール専用プランを利用する方法もあります。メールアドレスのみ利用したい場合、ODNなら月額料金税抜200円、OCNなら月額料金税抜250円といったプランがあります。フリーメールのYahoo!でも、月額料金税抜277円でYahoo! BB会員と同等のサービスを受けられる「セキュリティーパック」というサービスがあります。このようなサービスを、就職活動中だけでも利用するようにすれば安心です。

登録が簡単な完全無料のフリーメールは、一時的にメールアドレスが欲しい人が即時にメールアドレスを借りられるように提供されているものです。企業にフリーメールを伝えるということは、「本当のメールアドレスは教えたくない、あまり信頼できない」という意味合いにも取られます。普段LINEなどのメッセージアプリを使っていて、すぐにメールアドレスを用意できないという場合は、その事情を企業に話し、一時的に無料のアドレスを使わせてほしいと許可を得るようにすれば、マナー違反になるのを防ぐことができます。

就職活動に使うメールアドレスの注意点

企業に登録するメールアドレスの注意点について、

(1) 情報セキュリティーの面
(2) ビジネスマナーの面

以上の2点から、それぞれ見ていきましょう。

(1) 情報セキュリティーの面――個人を容易に特定できるメールアドレスは避ける

個人情報保護法では、「記号や数字等の文字列だけから特定個人の情報であるか否かの区別がつかないメールアドレス情報」(経済産業省)は個人情報に該当しないとされています。

皆さんの履歴書は、個人情報にあたります。どの企業でも、誰でも入れない場所の引き出しに鍵をかけて保管、権限をレベル分けして責任のある人しか閲覧できないなどの対策を講じています。

一方、メールアドレスをそれほど厳密に管理するとなるとどうでしょうか。担当者レベルで面接日の調整をしたり、webテストの受検指示をしたりという日常業務に支障が生じてしまいます。もし、アドレスの文字列だけで個人が特定されるようなメールアドレスを企業に登録してしまうと円滑な業務の妨げにもなりかねませんので注意しましょう。

個人を特定してしまうメールアドレスでよくある例は、「姓、名、誕生日」や「姓、名、電話番号」が含まれているものです。自分でアドレスを設定する場合、覚えやすいからと言って、このような文字列を設定するべきではありません。

大学のメールアドレスの場合、「学籍番号@大学名.ac.jp」を使うと個人を特定してしまいます。対策として、大学によっては、学籍番号の部分を自分で決めたメールアドレスに変更できたり、別名メールアドレスを取得できたりする場合があります。

(2) ビジネスマナーの面――明らかな趣味・サークル用のメールアドレスは避ける

就職活動を始める前は、eメールを主に趣味の情報交換用に使っていたという人も多いのではないでしょうか。最近では、趣味を表現したメールアドレスが持てるプロバイダーも増えています。ディズニー・モバイルが提供する「disneymobile.ne.jp」や、Niftyの「サンリオキャラクターアドレス」、AKB OFFICIAL NETが提供する「akb48.ne.jp」、鉄道ファンに人気のJRのプロバイダー「CYBERSTATION(サイバーステーション)」、などが代表的なものです。自分で設定したメールアドレスであっても、ファンの芸能人の名前やスポーツチーム名、その他趣味の名前が付いたものはビジネス向きではありません。このようなメールアドレスを企業に登録してしまうと、公私混同しているという印象を与えてしまいます。

大学でサークル活動を熱心にしていた人も要注意です。メールアドレスにサークル名を盛り込んでいる場合は一目瞭然ですが、メールソフトや、webメール・スマートフォンメールを設定した際に、差出人名にサークル名を入れていることがよくあります。サークルを引退したのに、差出人名を変更し忘れているというケースが多いので注意しましょう。

なお、新しくメールアドレスを取得する場合、趣味とまでは行かなくても、お気に入りのブランド名などをメールアドレスに入れるのも避けたほうが無難です。自分のメールアドレスと似た文字列のメールアドレスが大量広告配信に使われてしまうと、自分のアドレスまで迷惑メールの送信元と判定されてしまう可能性があり、メールの安全利用上問題があるためです。送信トラブル防止のためにも、ブランド名やキャラクター名など、広告に使われやすい言葉をメールアドレスに使わないよう気を付けましょう。

就職活動で使うメールアドレスは使いやすさと相手に与える印象を考えて選ぼう

就職活動に使うメールアドレスは、自宅や大学のパソコンとスマートフォンの両方で使えるもの、メール遅延の可能性が少ないものが最適です。プロバイダーのwebメールや大学のメールなら、通信品質上も、企業への印象面でも安心ですが、その他のアドレスでも、企業へのレスポンスを素早くできれば問題ありません。

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著者:杉本 京子

産業カウンセラー/日本プロジェクトマネジメント協会(PMAJ)プロジェクトマネジメント・スペシャリスト
都内私立大学にて非常勤職員の傍ら、職業訓練講師や面接指導に従事。新卒・既卒者を対象に年間延べ100人以上の個別面接練習を行っている。