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【業界・企業研究】五大商社のトップ、三菱商事の理念と事業領域とは

頑強な事業基盤と企業理念の「三綱領」

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日本には五大商社と呼ばれる総合商社があります。そのトップに君臨するのが三菱商事です。自動車、電機、化学、食品、金融・保険などから成る三菱グループの中核であり、事業基盤が厚く、収益性や財務体質によってグループ全体を牽引しています。売上高比率(2015年3月期)では、生活産業が43%を占め、金属が16%。他の総合商社と比較して、金属資源の領域に強みがあります。

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企業理念には「三綱領」を据えています。三綱領は、1920年の四代社長である岩崎小彌太の訓諭から、1934年に旧三菱商事の行動指針として制定されたもの。1947年、旧三菱商事が解散後も、その精神が引き継がれています。

三綱領は、「所期奉公」、「処事光明」、「立業貿易」の3つの柱から成り立っています。2001年1月、グループ各社は時代に合わせて三綱領を現代解釈しました。三菱商事の企業理念ページには、以下のような社是が掲載されています。

■「所期奉公」
事業を通じ、物心共に豊かな社会の実現に努力すると同時に、かけがえのない地球環境の維持にも貢献する。
■「処事光明」
公明正大で品格のある行動を旨とし、活動の公開性、透明性を堅持する。
■「立業貿易」
全世界的、宇宙的視野に立脚した事業展開を図る。

伝統あるこの精神は、現在も三菱商事で働く社員の心に根付いています。企業理念を読み解くことで、「トレード」から地球環境・インフラ事業など「事業投資」に展開した総合商社の事業展開に関する理解を深めてください。

サケ市場に対する投資と非資源分野への展開

総合商社の扱う領域は、石油や石炭、LPGなどの資源分野と、食品や機械・プラントなどの非資源分野があります。資源価格の下落が続いた2015年は、総合商社に大きな打撃を与え、五大商社の収益も変動。しかし、三菱商事は資源以外の収益性を高めることにより、経営を安定させました。

資源分野で、三菱商事は製鉄用石炭で莫大な事業規模を誇り、石油や天然ガスでも数多くのプロジェクトに参画しています。しかし、五大商社の脱・資源依存化が進行する現在、それぞれの企業で純利益における資源比率は減少しつつあります。このような動向を踏まえて、三菱商事においても、従来の強みであった資源分野から別の領域の開拓を模索している状態といえそうです。

例えば、三菱商事は、2014年にサケの養殖と加工で世界3位のノルウェーの企業セルマックを1459億円で買収して、子会社化したことが注目されました。この買収で市場第2位の生産量を得ることになり、有望視されていました。ところが、その後の相場安などの咸鏡変化によって、苦戦しています。市場トップの企業をはじめ競合企業の動きが活発化し、厳しい状況にあります。
(参考:「三菱商事、サケ赤字で資源安とダブルパンチ」東洋経済オンライン 2015年9月12日 http://toyokeizai.net/articles/-/83201

学生のみなさんに親しみやすいところでは、三菱商事はコンビニエンスストアのローソンに出資し、傘下に置いています。ローソンで販売されている「焼さけハラミ」というおにぎりの一部には、買収したセルマックによるサケが使われています。
また、近畿圏や首都圏でスーパーを展開しているライフコーポレーションも三菱商事の傘下にあります。ちなみに日本ケンタッキー・フライド・チキンも完全な子会社でしたが、2015年に三菱が持分の一部を手放したことにより、現在は関連会社となっています。

食品の卸業には三菱食品があり、売上高は2兆円を超える業界の首位です。もともとは水産缶詰の国内販売会社でした。その後、三菱商事系の企業が合併、統合されて現在の企業になりました。プライベートブランド(PB)と呼ばれる各小売業の独自の製品は馴染みの深いものになりましたが、総合商社としての調達力を生かして、PBの提案も積極的に行っています。
食肉業界でいえば、ハムやソーセージの老舗である伊藤ハム、静岡県における業務用ハム・ソーセージの大手である米久に出資。この2社も三菱商事のグループ傘下にある企業といえます。

幅広い領域をカバーする総合商社の事業には、なかなかつかみどころがなく、理解することが難しいかもしれません。実際には、三菱商事は7つの営業グループに分かれています。以下の7つです。
・ビジネスサービス部門
・地球環境・インフラ事業グループ
・新産業金融事業グループ
・エネルギー事業グループ
・金属グループ
・機械グループ
・化学品グループ
・生活産業グループ

ホームページなどを参考にして、関心のある部門に焦点を絞り込んで、企業研究を進めていくとよいでしょう。

また、商社の伝統的な仲介(貿易)事業を中心とした「トレーディング」から、人材を投入して新たなビジネスを創出する「事業投資」にビジネスモデルを展開してきたことも、総合商社をめざす学生であれば基本として知っておきたい知識です。

人間力豊かな、意志の強い人物を求める

総合商社トップの三菱商事は人間性を重視しています。というのは、企業が持続的に成長するための最大の資産は「人」であると考えているからです。

商社マンには、さまざまな企業との交渉力や調整力が求められます。このとき重要になるのは上辺のテクニックではなく、「この人なら任せられる」「この人と一緒に仕事をしたい」という信頼です。信頼は、プロジェクトを途中で投げ出さずに最後まで遂行する意思の強さ、誠実さ、責任感があってこそ生まれます。意志を支える強靭な体力も求められます。

国内はもちろん世界を舞台に、あらゆる仕事の可能性を拡げることができる三菱商事。個人の成長が、企業の成長を推進するエンジンになります。まずは総合商社の広範な事業領域を、じっくり研究するところから始めてはいかがでしょう。

参考資料

・ 『就職四季報 2016年版』東洋経済新報社
・ 『会社四季報 業界地図 2016年版』東洋経済新報社
・ 『日経業界地図 2016年版』日本経済新聞

関連リンク

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監修:小室直子

臨床発達心理士
中級教育カウンセラー
東北福祉大学大学院修士課程卒業後、専門学校専任講師、大学の非常勤講師として心理学系科目の講義を行うかたわら、のべ200名の就職支援の経験を持つ。