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素直に答えるべき?対策できる?就活におけるYG検査とは

就職活動のプロセスで必ず経験することになるのが性格検査です。現在では、性格で不採用になることはありませんが、答え方を知らずに不本意な結果に終わらないようにしたいものです。ここでは、有名なYG検査についてご紹介します。

YG検査とはどういった検査?どうして性格がわかるの?

YG検査とは、正式名称を「矢田部・ギルフォード性格検査」と言い、アメリカの心理学者が開発した性格検査を日本で実施しやすいようにアレンジしたものです。古く昭和33年に発売され、現在でも多くの企業が導入しています。

■120問に3択で答える心理テスト
検査方法は、人の性格を表す短文が合計120問読み上げられ、自分に当てはまるかどうかを約30分間で回答するというものです。専用の質問紙を使って鉛筆またはボールペンで回答します(消しゴムは使えません)。答え方は、「はい」「いいえ」「どちらでもない」の選択式です。

120の短文は、集計時に性格傾向別に分類され、「はい」と答えた場合は2点、「どちらでもない」と答えた場合は1点が加算されます。それによって、情緒安定性、社会適応性、活動性、主導性などが分析できるようになっています。

回答時の注意点は、「どちらでもない」と答えても1点が加算されてしまうことです。自分の性格とはちょっと違うと感じたら、「いいえ」と答えるのがコツです。

■読み上げを聞いて回答するという独特の実施方法
この検査の特徴は、試験監督者が質問を一定の間隔で読み上げ、それに合わせて受検者が回答するという「強制速度法」が採用されていることです。読み上げる人がいない場合は、読み上げCDを聞いて回答する場合もあります。

1項目の読み上げに3~4秒、回答に2~3秒と約6~7秒ごとに次の問題に進むため、考えすぎず直観的に回答する必要があります。また、全設問の読み上げが終わると質問紙は回収されるので、後で見直す時間はありません。

■回答を訂正する際のルールが独特
もし、回答を訂正したい場合は、「はい」や「いいえ」の〇を塗りつぶして●に、「どちらでもない」の△を塗りつぶして▲にすることで無効にできます。その上で、新たな○や△の印を記入しましょう。

無効にした回答の箇所や個数は判定そのものには影響ありませんが、企業の採用担当者が自ら採点できる検査であることから、回答への態度が採用担当者の印象を左右することはあり得ます。訂正が多い人は軽率な印象、○や△の形が不鮮明な人は手書きが苦手という印象を与えかねません。実際、webで効率的に実施できる性格検査が増えている中、YG検査を実施している企業は、対面コミュニケーションや手書き文書への対応力を重視していると言われています。

記入については実際の回答を行う前に練習をすることになっていますが、何社かの企業でYG検査を受ける経験をした上で、本命企業を受けたほうがスムーズに進むはずです。

▽適性検査に関する就活生のクチコミはこちら
適性検査ってのクチコミ・掲示板 - みん就(みんなの就職活動日記)

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出典:pixta

YG検査の結果はどういった結果タイプがあるの?企業は結果から何を見たいの?

YG検査では、性格特性を表す12因子から、性格を表す10項目の短文がランダムな順番で読み上げられます。それぞれの因子の強さによって、性格の傾向が以下の5つのタイプに分けられます。

A型:
全体的に性格特徴が平均的な状態です。バランスがとれた言動と協調性に優れていることが特徴で、人間関係でトラブルを起こすことが少ないと推測されます。一方、個性を発揮しづらく自己主張が強いほうではないので、ストレスを一人で抱えてしまわないようケアする必要があると見られることがあります。

B型:
活動的・外向的な性格タイプです。決断力や行動力など、B型の良い面を生かして優れたリーダーシップを発揮することが期待されます。その反面、情緒面に不安定な傾向が現れやすいのもB型です。職場環境に満足し、適応できるようサポートする必要があると判断されることがあります。

C型:
まじめでおとなしい性格タイプです。確実性・堅実性が高く、いつでも冷静・沈着でいられるため職場での信頼が厚い傾向が見られます。情緒的には安定していますが、消極的で内向的と判断されるため、職場で困っていることがないか周囲から働きかける必要があると見られることがあります。

D型:
情緒面が安定し、社会的適応が良く、活動的で対人関係も良いという優等生型の性格タイプです。統率力や調整力が評価され、職場のリーダーや管理者、企画職など幅広い適性があると見られます。しかし、人に良く思われたいという気持ちが強いのがD型の注意点であり、言動が一致しているか、自ら熟慮して行動しているか注視する必要があります。

E型:
個性的で芸術家タイプとも言われるのがE型です。独創性や専門性に優れており、プログラマーや生産技術者などエンジニア職全般、事務系なら経理や経営分析など専門職で高く評価される資質です。ただし、対人関係の構築は苦手な傾向があります。職場の人間関係がうまくいかないと、自分の殻に閉じこもってしまうのではないかと心配されやすいです。

以上が5つの型ですが、全員が5通りにきれいに分類できるわけではなく、それぞれ典型(標準類型)のほか準型、混合型といった判定が出る場合があります。

次に、採用選考での活用方法についてご紹介しましょう。まず認識していただきたいことは、5つのタイプには優劣はないということです。

独立行政法人労働政策研究・研修機構の研究(適性検査を活用した相談ケース記録の分析と考察=平成28年)でも、YG性格検査と就職困難性を示す相談特徴との間には、特に大きな関連性が見出されなかったことが判明しており、能力と性格とは別物であると結論付けられました。

つまり、営業職やサービス業などの対人業務では内向的なC型やE型は不利、などということは決してありません。B型やD型でないとリーダー候補になれないというのも誤解です。

そのことを念頭に置いて、企業がYG検査を利用する目的として最大のものは、面接の事前資料にするということです。限られた面接時間を有効に使うため、YG検査で判明した性格傾向に合わせて、応募者が答えやすい質問をするといった使い方です。A型の人には「あなたの強みと弱みは何ですか?」と自己主張をする機会を与えたり、C型の人には「何か質問はありませんか?」と話しやすい雰囲気づくりをしたりといった具合です。ただし、YG検査の結果よりも面接での振る舞いのほうが、人柄の判断材料として重視されます。

もう一つの目的は、精神的な自覚症状を問う一種のストレスチェックのような役割です。YG検査では、行動特性など人柄の判断に役立つ項目のほかに、抑うつ(みじめな気持ちになるなど)、緊張(赤面、汗をかくなど)、不安、怒りなどの自覚症状の有無にも回答します。面接では話しにくい話題ですので、YG検査の結果が重要になるのです。

もちろん、YG検査の結果は医学的な診断とは異なります。抑うつ性が出現=うつ病と判定され、不採用になるということはありません。ただし、心身が健康であるにも関わらず、上記のような質問に「はい」と答え続けてしまうと、情緒不安定になっていると判断されかねないので注意してください。

YG検査対策にやっておきたいこととは

ここまでに、YG検査の回答方法などを紹介してきましたが、いったいどんな質問が出されるのか事前に知りたい人もいるでしょう。YG検査の質問用紙は残念ながら個人向けには販売されていません。第三者サイトとはなりますが、似たものが体験できるwebサイトもあります。事前対策として、体験して慣れておくのも良いかもしれません。

webサイトでは、まずは素早く直感的に答えてみましょう。その結果が、自分が普段のエントリーシートや面接で答えている自己分析と一致しているのであれば、全く問題はありません。ただし、YG検査は、「どちらでもない」の回答でもその性格に1点が入る検査です。検査に慣れていないという理由で、本来全く当てはまっていなかったりするものに点数が入ってしまうと当然誤差が出ます。そこで、検査結果を振り返って、「どこを強く出し、どこを回避するか」を軌道修正していけば、本来の自分の持ち味がより鮮明になるはずです。例を挙げると以下の通りです。

■A型(平均的)の傾向があるが、平凡すぎると思われたくない場合
活動的かどうかを問う尺度に、意識して「はい」と答えるようにします。生き生きとしている、朗らか、テキパキとしているなどが当てはまります。

■B型(活動的・外向的)の傾向があるが、我が強いと思われたくない場合
思考面で内向的と判断されると、熟慮型と判定され、営業職や企画職への適性がより高まります。実行する前に熟慮(よく考える)するといったような項目です。

■C型(まじめでおとなしい)の傾向があるが、リーダーシップに欠けると思われたくない場合
服従性よりも支配性が強く出ると主導権を握れると判定され、冷静沈着なリーダータイプとみなされます。世話好き、話し好きや、喜んで仕事を引き受けることなどが、この尺度に当てはまります。

■E型(個性的)の傾向があるが、変わり者と思われたくない場合
社会的な内向性を軽減するよう意識すると、周囲への気配りができるという評価が高まります。自分から友達をつくることが少ない、聞き役になることが多い、人前に出るのが恥ずかしいなどと聞かれたら「いいえ」と答えるようにしましょう。

■職種別傾向と合っているかどうか、自己分析も大切
文部科学省「産業界のニーズに対応した教育改善・充実体制整備事業」に基づき産官学連携で実施された「企業が求める人材像調査」(平成25年度)の調査結果によると、営業・販売職では「協働力・説得力・創造力・達成力」、技術・設計・開発職では「分析力・冷静さ・状況対処力」、管理系では「組織化・遂行力・安定性」が優位であることが分かりました。これらの性格タイプでないと不採用になるということはありませんが、自分の性格傾向と一致している場合は自信を持って「はい」を選ぶと良いでしょう。

YG検査を受けるときに注意したいこととは

YG検査では、同じ尺度の質問がまとまって読み上げられるわけではなく、ランダムに登場することが特徴です。それぞれの質問がどの型を想定したものか予測するのは良いのですが、あまり深読みしすぎないように気をつけましょう。

■情緒安定性への質問には常識で回答を
質問の中には、一見どのタイプに当てはまるのか分かりづらいものがあります。例えば、正しいことは何があっても実行するとか、気が散ると他のことをしても良いのかといった質問です。これらは、安定した心理状態であるかを判定するための質問であり、常識的な判断ができるかどうかもYG検査では見られていることに注意しましょう。

■優等生になりきるのは禁物
協調性や活動性が満点で、劣等感や神経質さが全くない――、そのような一見完璧に見える回答は、防衛本能が強すぎて自分をさらけ出せない人、自己像が確立されていない人など、精神的に未熟と判断される確率が高くなります。

つまり、最もいい人になりきった回答が、最も社会人らしくないという判断になってしまい、企業によっては性格検査で不採用にすることもあり得ます。そのため、架空で理想の自分になりきることは避けましょう。

■別のタイプになりきると面接で損することも
例えば、希望する職種では積極性が強く求められると思い込み、C型・E型のような内向的な人やA型のような中間的な人が、エントリーシートから性格検査まで、全て外向的・活動的な回答を揃えたとします。書類の上ではつじつまが合っているように見えても、面接での振る舞いまでは偽ることが難しいと言えます。

YG検査を実施している企業の中には、面接にも科学的手法を取り入れているケースが多くあります。性格検査で外向的と答えた人には、面接で就職活動に対する情報源の多さ、情報量の多さ、情報収集の効率などを集中的に聞いて、矛盾なく答えられるかを確認するといった具合です。

情報に振り回されず、一人でじっくり本などを読んで考えるのが得意な内向的=熟慮型の人が、面接で外向を装って失敗するのはもったいないことです。面接のことまで考え、正反対のタイプを装うことのないよう注意してください。

■「元気すぎ」から配属後に苦労することも
YG検査には、情緒の安定とは関係なく、さまざまなシチュエーションで「元気か」「疲れるか」といった質問が繰り返し出てきます。これらに対し、全て元気であると答えてしまうと、過剰にタフな人と判断されることがあります。
職場によっては、新規事業・新規開拓など成果を出すのが難しい仕事や、シフト勤務など通常よりも体力が必要な仕事、顧客対応中心の「感情労働」と言われる仕事など、心身ともに非常にタフな人が求められることも事実です。本当にチャレンジ精神旺盛な人ならいいのですが、自信がないのにタフな人と判定されると、配属のミスマッチが起こるかもしれません。
適度に休むのは自然なことです。バランス思考を得意とするA型の人が最も上手に「はい」と「どちらでもない」の使い分けができると想定されますが、他の型の人も、意識して「どちらでもない」を織り交ぜてみてはいかがでしょうか。

YG検査は自分にどのような傾向があるのかわかるため、1度簡易検査をしてみて対策を練ることが大切

YG検査では性格傾向が5つの型に分類されるのが特徴です。職種別の傾向も存在するため、自己分析を行い、どのような尺度を強調して答えるべきか考えておくのが得策です。なお、非常識な回答や完璧な優等生を装った回答は、社会人として未熟とみなされ不利になります。事前にwebサイトなどで練習しておくと安心です。

参考

[1]資料シリーズNo.175「適性検査を活用した相談ケース記録の分析と考察」|労働政策研究・研修機構(JILPT)
[2]http://www.jil.go.jp/institute/siryo/2016/175.html
[3]2017.12.3

[1]平成25年度 企業が求める人材像調査 インターンシップ・PBL調査 報告書
[2]http://www.sneeds-kansai.jp/file/ispbl_jinzai.pdf
[3]2017.12.3

関連リンク

適性検査ってのクチコミ・掲示板 - みん就(みんなの就職活動日記)

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著者:杉本 京子

産業カウンセラー/日本プロジェクトマネジメント協会(PMAJ)プロジェクトマネジメント・スペシャリスト
都内私立大学にて非常勤職員の傍ら、職業訓練講師や面接指導に従事。新卒・既卒者を対象に年間延べ100人以上の個別面接練習を行っている。