デザイナー志望の就活生必見!芸術系出身以外でデザイナーになるには

デザインの仕事に興味はあるけれど、美大や芸術学部、デザイン専門学校など、芸術系の学校に行っていないから無理なのでは…と自信をなくしていませんか?芸術系の学校出身でなくても、デザイン職に就ける方法をご紹介します!

就活前に知っておこう!デザイナー職にはどんなものがある?

デザイナーと言うと、「流行を敏感に捉え、スタイリッシュで洗練されたものを作る人」というイメージがあるかもしれませんが、実際にはトレンドかどうかに関わらず、私達の身の回りにある、あらゆるものに対して、デザイナー職の人が関わっています。
ファッションデザイナー(服飾デザイナー)はアパレルやブライダル商品、インテリアデザイナーは家具や壁・床・窓などの内装に携わることはイメージしやすいでしょう。
普段見ているネットショップやホームページを手がけるのはwebデザイナー、出版物のデザインはDTPデザイナーの仕事です。
また、商品のパッケージや広告物などをデザインしているのはグラフィックデザイナーです。エンターテイメント業界では、ゲーム作りに携わるキャラクターデザイナーやCGデザイナーなどもいます。
ほかにも、家電や生活用品などをデザインするプロダクトデザイナーや、もう少し設計寄りの、金型や部品などをデザインするインダストリアルデザイナー(工業デザイナー)といった職種もあります。デザイナー職と言っても、その活躍の場は非常に幅広いのです。

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就活前におさえておこう!デザイナーに向いている人材とは?

デザイナーは自分の好きなものを自由に作れる、というのは実は正しくありません。デザイナーをはじめとするクリエイティブ職と、芸術性を追求するアーティストは全く別のものです。企業で働くデザイナーは、自分のためではなくお客様のために制作を行います。時には自分の意見を曲げてでもお客様の要望を優先する、そんな顧客志向と柔軟性が企業のデザイナーにとって最も大切です。
芸術性は高そうだがこだわりが強く頑固な人よりも、大学で幅広い教養を身につけ、常識があり、人の話を聞くのが上手な人のほうが、企業のデザイナー職に向いています。
デザイナーは社内の人だけでなく顧客や店舗、工場など、立場の違う人とも会話をすることが多い職種です。どんな人とも話ができるコミュニケーション能力も高く評価されます。
才能やセンスはあったほうがいいですがそれが全てではありません。企業では、経験に応じて評価が高くなり、製品・業界に対する知識が豊富なこと、常に最新のソフトウェアを習得するなど、時代の流れに乗っている人が能力の高いデザイナーと言われます。企業のデザイナーは、才能よりも努力が重視されると言えるでしょう。
また、ものづくりに対する真剣さや根気があるかどうかは非常に重要です。例を挙げると、地道な作業に長時間取り組めること、一度でうまく行かなくてもあきらめずトライアル&エラー(試行錯誤)ができること、何事も人目につきにくい部分にも手を抜かずに取り組めること、どれだけ面倒でも手抜きや不正(人の真似など)をしないことなどです。

自分にこのような持ち味や強みがあるかどうか、まずは自己分析してみましょう。

デザイナーの就活では作品を準備しておいたほうが良い?

デザイナー職の一次選考では、作品審査を行うケースがよくあります。提出を求められた時に困らないよう、余裕を持って準備しておきましょう。

通常は、応募する業界で使うソフトウェアを使って制作します。グラフィックデザインソフトのAdobe IllustratorやPhotoshopはどの業界でも使う定番のソフトです。設計図作成ソフトのCADは、機械/建築/アパレルなど業務に特化した図面作成ができます。webデザインにはAdobe Dreamweaver(ドリームウィーバー)というweb作成支援ソフトもよく使います。
いずれも、家庭用パソコンに最初から入っているソフトではないので、ソフトを準備することが問題となります。学校のパソコンルームにソフトがインストールされたパソコンがあれば、そのパソコンと本などを使って独学するのも良いでしょう。
それが難しければ、資格対策講座の受講を通してソフトの操作を習得する方法もあります。国家検定ウェブデザイン技能検定やCAD利用技術者検定のような実技試験については、多くのパソコンスクールや専門学校で短期集中講座が用意されているのでチェックしてみましょう。試験勉強の過程でさまざまな制作物を作っていくことになるので、できた成果物は作品として残しておきましょう。作品が準備でき、資格を取ってスキルの証明になるというメリットの大きい勉強法です。

なお、作品審査ではなく実技試験を行う会社もあります。デザイン画や平面図を手描きで描く試験もあれば、パソコンを使って完成例通りに制作物を作る試験もあります。実技試験に備えてソフトの操作練習をすることはもちろん、デッサンなど物を正確に描くための基礎練習をしておきましょう。

デザイナーの就活で必要なポートフォリオって?

ポートフォリオとは、面接で自分のスキルに関するプレゼンを求められた場合に、使うツールです。持参するよう指示されている場合はもちろん、面接の案内に明記されていなくても、持っていると役立ちます。
プレゼンの手順としては、作品を見せながら、制作した目的、ターゲット(誰が何をするためのものか)、意図したイメージ、制作に使ったソフト、工夫したこと、制作時間について、順に述べていきます。
持参する作品は、パソコンで作ったものは出力してポケット式ファイルに綴じます。完成作品だけでなく、ラフスケッチなど制作過程が分かるものもファイリングすると良いでしょう。立体作品は、実物を持参しても構いませんが、写真を撮ってファイリングしても構いません。
プレゼンするための作品なので、好きに作ったものを何でもポートフォリオに入れて良いわけではありません。作品点数は少なくても良いので、目的を持って作った作品を選びましょう。

作品づくりのきっかけとしては、例えばデザインコンテストに応募することです。雑誌広告やインターネットを見ると、誰でも応募可能なコンテストがたくさんあります。何のためのデザインなのか、設定がはっきりしているのでプレゼン向きの作品が作れます。
何から手をつけていいか分からない人は、デザイン専門学校が実施している「作品制作講座」など、ポートフォリオ作りに役立つ講座を受講してみるのも一つの方法です。また、自治体や商工会議所がIllustratorやPhotoshopでお店の販促物などを作るための講座を開講している場合もあります。勤務中の人が対象のものも多いですが、学生でも参加可能かどうか問い合わせてみると良いでしょう。実務に即した実践的な作品が作れるようになるはずです。

未経験でデザイナーになるために就活で大切なことって?

デザイナーに必要なのは、デッサンやソフトウェア操作のような実技のスキルだけではありません。芸術系大学やデザイン専門学校の学生も、理論を体系的に学んでおり、専門学校ではさらに、ビジネススキルの学習にも力を入れています。芸術系以外の学部では、これらの分野をもっと専門的に学べる機会があるはずです。
理論では例えば、人間工学や都市工学、社会学、マーケティング、心理学などはデザイン論と密接な関連があります。
グローバル化が進む現在のデザイン業界では、文化人類学などの異文化理解の経験や、知的財産権など法律の知識への需要も高まっています。
ビジネススキルで重要なものの一つが企画のスキルです。普段の研究活動の中で、書籍・新聞などでの文献調査を経験していればリサーチ力が、ゼミでグループワークをしていればディスカッションや問題解決のスキルが身についていると言えます。実社会での課題に取り組むプロジェクトやフィールドワークなどの実習経験も、企画力アップに役立ちます。
このように、今の学部・学科で学んでいることの中にデザイナーに求められるスキルに関連することが数多くあるはずです。自分の専攻が、デザインの仕事にどう役立つかを考えながら、まずは今の研究をやり遂げましょう。

さらにデザインに特化して学びたい場合は、誰でも受験できる実務系の資格試験があります。多くの専門学校で採用されている「マルチメディア検定」や「プロダウトデザイン検定」は、学科の筆記試験なので特別な機材は必要ありません。公式問題集が市販されているため、独学で勉強することもできます。このような試験勉強をしておけば、未経験でも学習意欲が旺盛であるというアピールにもなり、自信を持って就職活動に臨むことができるでしょう。

デザイナーの就活で「なんで芸術系出身ではないのにデザイナーになりたいのか」と聞かれた場合の対処法

ここで、芸術系出身以外の学生に対して、よく聞かれる質問をチェックしていきましょう。

なぜ芸術系出身ではないのにデザイナーになりたいのか?

<質問の意図>
デザインという職種の理解、特にデザインをビジネスの工程として理解できているかどうかが問われます。
<回答をするにあたっての考え方>
今の学部・学科がデザイナーになる上で役立つと前向きにとらえて話しましょう。もし過去に、芸術系学部・学科への進学をあきらめたのだとしても悲観的に話さないことです。
逆に、趣味を生かしたいといった回答は、プロ意識に欠けると判断されるので避けましょう。また、IllustratorやPhotoshopが使えるからという理由だけではデザインを職業にしたいという理由には不十分です。また、子供の頃からの夢だったといった回答も、職業観に欠けると判断される恐れがあります。あくまでも、現在の学業に焦点を当てて話すことが大切です。
<回答例>
[方針1] 今の学部・学科でデザインに関連の深い分野を学ぶうちに、デザインの仕事をすることに興味がわいたから。
[方針2] インターンシップ/ゼミ/サークルなどで、社会の問題をデザインによって解決する経験を積んだから。
これらの方針に基づき、自分の経験を具体例として話せるように準備しておきましょう。

■3年後、5年後にはどのような職種に挑戦したいですか?

<質問の意図>
芸術系出身以外の学生を採用する場合、そのビジネススキルにも期待して幅広い領域で活躍してほしいという期待があります。デザイナーしかやりたくないといった固執がなく、企業活動全般に携わっていくキャリア意識があるかどうかが問われます。
<回答をするにあたっての考え方>
会社案内をよく読み、会社の育成方針やデザイナー職で入社した人のキャリアステップを参考にしながら、自分がめざしたい職種を答えましょう。
一般的には、グラフィックデザイナーやwebデザイナーならディレクターやプロデューサーなど企画全般に責任を持つ仕事、プロダクトデザイナーなら商品のプランナーやプロダクトマネージャーのような管理系の仕事、ファッションデザイナーなら企業によっては売れ筋商品を企画するマーチャンダイザー(MD)のほうがキャリアが上という場合もあります。
<回答例>
御社の育成方針にあるように、将来は○○などにキャリアアップし、売れ筋(需要)やコストを管理しながらこのビジネスを成長させることに貢献していきたいと思います。
※デザイナーとして大成したい、ゆくゆくは独立したいという目標を持っている人もいるかもしれません。独立する先輩が多いデザイン事務所などの場合は、デザイン一本で勝負したいという意気込みを語るのも悪くはないでしょう。

デザイナーになりたい就活生は、作品やポートフォリオなどを作り準備をばっちりしてアピールすることが大切

デザイナーにはテクニカルなスキルとビジネススキルの両方が必要です。ポートフォリオ制作などの事前準備をしておき、面接ではデザインと関連させて今の学部で学んでいることをビジネススキルとしてアピールしましょう。学業と両立して、デザインスキルを磨いてきたという学習意欲や向上心も高く評価されるはずです。

参考

[1]ウェブデザイン技能検定
[2]http://www.webdesign.gr.jp/
[3]2017.10.15

[1]CAD利用技術者試験
[2]http://www.acsp.jp/cad/
[3]2017.10.15

[1]ITCG-ARTS協会 | 検定
[2]https://www.cgarts.or.jp/kentei/about/multimedia/index.html
[3]2017.10.15

[1]プロダクトデザイン検定 日本インダストリアルデザイナー協会
[2]http://pdken.jida.or.jp/
[3]2017.10.15

関連リンク

デザイナー職を志望のクチコミ・掲示板 - みん就(みんなの就職活動日記)

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著者:杉本 京子

産業カウンセラー/日本プロジェクトマネジメント協会(PMAJ)プロジェクトマネジメント・スペシャリスト
都内私立大学にて非常勤職員の傍ら、職業訓練講師や面接指導に従事。新卒・既卒者を対象に年間延べ100人以上の個別面接練習を行っている。