文系が理系職志望で就職活動する際のポイントと活躍できる職種とは?

文系から理系職に就くことは可能で、「手に職をつけて働ける」「給料の伸び率が高い」などの理由で人気があります。一方で、ある程度の準備をしておくことも、就職活動を成功させるポイントです。応募できる職種や動向を見てみましょう。

まずは、文系が就職活動で目指せる理系職をチェック!

文系に向いている理系職の一例を挙げると、ソリューションエンジニアという職種があります。これは、お客様の課題解決を技術的な立場から支援し、ハードウェア(機器)、ソフトウェア、ネットワークなどを一元化して提案、導入、管理していくという仕事です。もちろん、ソフトウェアなどを設計するシステムエンジニアや、実際の開発を行うプログラマーにも文系出身者がたくさんいます。

皆さんに身近なWi-Fiや携帯電話基地局など、さまざまなネットワークの設計、構築、運用などを行うネットワークエンジニアという職種もあります。

対人業務の比率が多い職種では、ヘルプデスクテクニカルサポートといった職種も文系出身者に人気です。電話・メールでユーザー(利用者)からのお問い合わせに答えたり、現地に出張して保守や修理などを行う仕事となっています。

企画寄りの職種では、Webサイト開発全般の管理を行うWebディレクターという職種もあります。ECサイト(ネットショップ)やSNS(ソーシャルネットワーク)などが増えているため、求人も増加傾向です。

会社によって文系出身者が応募できる職種の例としては、エンジニアリングと呼ばれる、ビルや工場、プラントなどの設備設計や管理を行う仕事にも可能性があります。

ハードウェア開発では、機械設計、電気回路設計などは出身学部が限られますが、全学部を対象とした求人もあるのであきらめずに探してみましょう。

研究職も理系学部を対象とした求人が多いものの、現在注目を浴びている人工知能やビッグデータ分析などの分野にも全学部を対象とした求人があります。

このように、幅広い分野で文系出身者が活躍できるチャンスがあるのです。

f:id:hito-contents:20171122174816j:plain出典:pixta

文系が就職活動で理系職を目指すメリットとは?

理系職、特に設計系の業務に求められるのはドキュメンテーション能力、つまり文章力です。仕様書と呼ばれる、これから作る製品の説明書を書くことが重要な仕事であるからです。文章に加えて、図示する力や、分かりやすく説明する力も求められます。これらは、文系の授業やゼミで重点的に訓練することが多いため、得意としている人が多いのではないでしょうか。

また、顧客と話をして課題を発見し、解決策を考えるといった問題解決のスキルが高く評価されます。文系学部にはフィールドワークを取り入れている授業も多くあるため、実践的な題材で問題解決型学習を行った人も多いはずです。

最近のゼミでは討論会も活発です。学外で行われる討論会に参加し、自分たちとは全く違う視点から質問を受けながら、話す力を磨いた人もいるでしょう。

このような「聞く力」「書く力」「話す力」を合わせたものが、仕事に役立つコミュニケーション能力です。自信を持ってアピールしましょう。

就職活動を有利に!理系職を目指す際に持っておくと有利な資格

理系職を知るためにもおすすめの資格は、国家試験でもある「ITパスポート」です。試験内容は、ストラテジ系(経営全般)、マネジメント系(IT管理)、テクノロジ系(IT技術)の3分野で構成されています。マネジメント系やテクノロジ系は独学になるかもしれませんが、ストラテジ系は学部によってはこれまで学習した知識が十分に生かせる試験です。

普段の勉強の成果を生かすのなら、マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)のエキスパートを取得しておくこともおすすめです。Excelエキスパートではマクロのスキルも証明できるため、単なる事務処理プラスアルファのことができるというアピールになります。

Webサイトを作るための基本的なスキルとなるHTMLやCSSも、独学で学ぶことが可能です。履歴書に書けるように、「ホームページ制作能力認定試験」(サーティファイ)のような資格を取得するのも一つの方法でしょう。基礎が身についたら、Web制作に関わるアルバイトやインターンシップを経験して、その実績をアピールすることも効果的です。

また、経営学、社会学、心理学などの授業で、統計ソフトの「SPSS」を使って分析を行った経験があれば、資格を取得していなくても、アピールすると有利になるでしょう。

なお、どの領域のエンジニアを目指すにしても、前提知識である各種業務を詳しく知っていると非常に有利です。すでに日商簿記2級・3級や宅建などを取得していたり、勉強中である場合は、文系資格だからといってあきらめず、今後の仕事に生かしたいという意欲をアピールしましょう。

文系が理系職を目指して就職活動する場合、重要なポイントとは

■早めのスタートがカギ
文系から理系職を目指すべきかどうか、その適性には自分だけでは気付きにくいものです。少しでも興味のある人は、学校や新卒ハローワークなどの支援機関でキャリアカウンセリングを受けましょう。資格取得やインターンシップ応募・参加には、ある程度の日数が必要です。早めに方向性を決めておくことで時間を確保できれば、本格的な就職活動が始まるまでに間に合わせることができます。

■複雑な業界構造を理解しよう
IT業界でもエンジニアリング業界でも、多くの企業がピラミッド構造(多重下請け構造)を形成しています。このうち、自分はどの場所に位置する企業に就職したいのか、どんなエンジニアを目指したいのかを決めておかなければなりません。そうでなければ志望理由が考えられず、面接でも的はずれな自己アピールをしてしまいます。

ITシステムの場合は、システムを使うユーザー企業と、そのシステム子会社が発注者であり、受注するIT企業を元請(もとうけ)企業、そこから業務委託を受ける二次請け、三次請けなどの企業があります。

どの企業にもSE(システムエンジニア)が所属していますが、ユーザー企業やシステム子会社のSEは業務のほうに精通しており、元請企業は業務をシステム化するための計画・管理が専門、下請企業は製造(開発の実作業)の技術を得意としています。

自分は業務寄りのエンジニアを目指したいのか、技術寄りのエンジニアを目指したいのかによって、志望する企業が異なってきます。業界研究と企業研究を入念に行いましょう。

就職活動で気を付けたい!文系が理系職を目指す際の自己PR方法

(1)専攻分野のアピール方法
大学でどのような分野を学んだか、という質問への対策は文系職を受けるときも理系職を受けるときも変わりはありません。自分が選んだ研究テーマや選択動機、どのように論点を深めていったのか、調査した事例、自分なりの見解、実社会でどう生かせそうかなど自信を持ってアピールしましょう。

プログラミング言語は、入社後に教育するという方針をとっている企業も多く見られます。むしろ幅広い教養(リベラルアーツ)を身につけた人材の需要が高まっているという背景から、文系領域への評価が高まっているのです。

(2)リーダーシップのアピール方法
理系職のどの職種を目指す場合も、決め手となるのは「調整能力」です。関係者の意見調整、スケジュール調整、予算の調整など多岐にわたります。ゼミやサークルでリーダーになった人はもちろん、補佐役であっても渉外や会計などで力を発揮していた人は高く評価されるでしょう。

(3)面接での逆質問のコツ
逆質問は、文系出身で理系職を目指すことへの不安を解消するために活用しましょう。技術職で採用されても、営業や一般事務に配置転換されないか不安な人は、「文系出身者が現在どんな仕事に就いているのか」について実例を教えてもらいましょう。

プログラミング言語が未経験の人は、学びたいことを強くアピールした上で、研修制度や入社前にどのような勉強をすればいいか聞いてみるのも一つの方法です。

理系職なら、就職活動後の働き方が広がるかも!?

会社員が就ける職種の中で、最難関と言われ、もちろん収入も高い仕事の一つに「コンサルタント」という職種があります。文系では戦略コンサルタントや経営コンサルタントなどの選択肢がありますが、それらは鋭い洞察力や発想力といった才能やセンスが必要とされ、必ずしも努力だけでなれるものではありません。

一方、理系職の場合、システムエンジニアとして就職しても、難易度の高い案件を数多く経験し、最新技術への豊富な知識を身につけることで、ITコンサルタントに昇格できるチャンスがあります。

プロジェクトマネージャーという職種も高収入で、責任が大きくやりがいがあります。この職種も、一つの会社で経験を積み、昇格するケースもあれば、転職してキャリアアップするケースも多いことが特徴です。

また、特定のプログラミング言語や業務領域に詳しくなった人は、専門家として独立するケースも多くあります。フリーのエンジニアは、仕事の内容や勤務地、勤務時間などを自ら選んで働くことができます。事務所を開き、複数の企業から業務を受託して、手広くビジネスを行っている人も数多くいます。

これからの時代、必ずしも同じ会社で定年まで働くとは限りません。転職に強く、独立も視野に入れられる理系職を選択するメリットは大きいと言えるでしょう。

理系職でも、自信を持って就職活動しよう!

技術職や研究職について、学部を問わず採用を行っている会社は意外と多くあります。学校やハローワークなどへの早めの相談でチャンスを逃さず、文系の強みが生かせる職種にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
エントリーシートや面接対策には、理系職と言っても特別なことを準備する必要はありません。これまでに習得したパソコンスキルや資格を、自信を持ってアピールしましょう。

参考

[1]【ITパスポート試験】情報処理推進機構
[2]https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/index.html
[3]2017.9.17

[1]ホームページ制作能力認定試験│資格検定のサーティファイ│あなたのスキルアップを応援します|
[2]http://www.sikaku.gr.jp/web/hp/
[3]2017.9.17

関連リンク

文系でSE志望のクチコミ・掲示板 - みん就(みんなの就職活動日記)

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著者:杉本 京子

産業カウンセラー/日本プロジェクトマネジメント協会(PMAJ)プロジェクトマネジメント・スペシャリスト
都内私立大学にて非常勤職員の傍ら、職業訓練講師や面接指導に従事。新卒・既卒者を対象に年間延べ100人以上の個別面接練習を行っている。