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こんな敬語はNG!面接で就活生が間違えやすい言葉遣い・言い回し

ビジネスでは必須の敬語も学生にはあまり馴染みのないものですね。普段、アルバイトなどで間違った敬語とは知らずに使っていて、面接で失敗する学生も多くいます。そこで、間違いがちな敬語や言い回しについて確認しておきましょう。

ここに掲載されている情報は、 掲載日(2017年10月26日)時点の情報です。最新の情報と異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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【面接でありがちなNG敬語1】「了解しました」「参考になりました」

敬語とは相手に敬意を払う言葉遣いのことで、下記の3種類があります。

・尊敬語:主に相手の動作を表現する時に相手を上に見て使う
・謙譲語:主に自分の動作を表現する時に自分の立場を下げて使う
・丁寧語:丁寧にいうことで敬意を払う

ただし、丁寧語は何でも「です」「ます」と丁寧にいえばいいという訳ではありません。大切なのは相手の地位や立場と自分との関係です。丁寧だと思われる言い回しでも、目上の人に対して使ってはいけない言葉があるので注意しましょう。
例えば、「了解しました」や「ご苦労様でした」は同等や下の立場の人に対する言い回しで目上の人に使うと失礼に当たる言葉です。「承知いたしました」「お疲れさまでした」が正しい使い方になります。また、「大変参考になりました」という言い回しも良く使いますが、これも目上の人に対して失礼です。「参考」という言葉は、「相手のいうことや考えを自分の足しにする」という意味があり、自分のために利用するというニュアンスが強くなります。「おかげで学ぶことができた」という感謝の意を込めて、「勉強になりました」という言い回しを使うようにしましょう。

出典:写真AC

【面接でありがちなNG敬語2】二重敬語に注意!「拝見いたしました」「お越しになられる」

古典の文法では、敬語を二重三重に並べて最上級の尊敬表現をする「最高敬語」が存在しますね。しかし、現代の日本語では、敬語を二つ並べる「二重敬語」は好ましくない使い方とされているので注意しましょう。二重敬語が好ましくないのは、回りくどい言い回しであるからです。

例えば、「拝見いたしました」は、「見る」の謙譲語である「拝見する」と、「する」の謙譲語である「いたす」を並べています。ひとつの言葉に敬語を2度重ねている二重敬語になってしまっています。この場合は「拝見しました」が適切です。

また、「お越しになられる」は、「来る」の尊敬語である「お越しになる」と「する」の尊敬語である「~られる(される)」を並べているので、「お越しになる」もしくは「お見えになる」という言い方が望ましいです。同じように、「ご覧になられる」「お帰りになられる」などの、「お~になる(ご~になる)」+「~られる」という言い回しはすべて二重敬語になることを覚えておきましょう。

【面接でありがちなNG敬語3】「~させていただく」を多用しない

「お休みさせていただきます」「連絡させていただきます」などの言い回しは、謙譲表現としてつい使ってしまいがちですね。確かに「~する」の謙譲語には違いないのですが、単にへりくだった言い方という訳ではなく、使っていい状況と好ましくない状況が存在するのです。
文化庁が2007年に出した「敬語の指針」によると、「~させていただく」は、自分の行為について許可を求める必要がある、かつその行為をすることで自分が恩恵を受ける場合に使う言い回しとしています。つまり、この二つの条件を満たしていない状況では、あまり使うべきではないと考えておくほうが良いでしょう。

例えば、自分の上司に対して「お休みさせていただく」というのは、休みを取るお伺いを立て、自分に恩恵があることなので正しい使い方と言いえます。
しかし、面接の際は、へりくだった言い方をしようとして「御社を志望させていただきました」などといってしまいがちですが、面接では面接官に許可を求める必要はありません。従って、「志望いたしました」というのが正解です。「~させていただく」という言い回しは、「~させていただいてよろしいでしょうか?」と許しを請うべき状況に限って使うと覚えておくとわかりやすいでしょう。

【面接でありがちなNG敬語4】「さ」が入った間違った敬語(行かさせていただきます等)

「~することができる」という意味を示す間違った言葉の使い方に、「ら抜き言葉」というものがあります。例えば、「食べることができる」という意味の正しい言葉は「食べられる」ですが、「ら」を抜いて「食べれる」と表現する人が増えているのです。ら抜き言葉は乱れた日本語の代表例といわれていますが、同じように「さ入れ敬語」というものも存在します。
例えば、「行かさせていただきます」「見させていただきます」といった言い回しです。
正しくは、「行かせていただく」「見せていただく」という、「動詞」+「~させていただく」を合わせた表現ですね。しかし、動詞の五段活用と「~させていただく」という謙譲語を混同してしまい、「行かさせていただく」と、「さ」をひとつ多く使っています。「さ入れ敬語」も「~させていただく」という表現の多用により起こりやすい間違いなので注意しましょう。

【面接でありがちなNG敬語5】「社長様」「課長様」はNG!役職には様をつけない

「〇〇社長様」「〇〇課長殿」などと役職に敬称をつけることもNG敬語のひとつです。「様」や「殿」をつけると相手に敬意を払う丁寧な言い方と思うかもしれませんが、「○○社長」や「○○部長」という呼び方は、単に役職を示しているのではなく敬称の意味を含んでいます。そのため、「人事部の〇〇課長様はいらっしゃいますか?」というではなく、「人事部課長の〇〇様」と呼ぶのが正解です。
ちなみに、社外の人に対して、自社の人間のことを話す際には、「〇〇部長は席を外しております。」などといわずに、「〇〇は」と呼び捨てにするのが正解です。これは、自社の立場よりも社外の人の立場が上という考えに基づいています。このことは、ビジネスの常識としては基本的なことです。インターンをする予定のある人は覚えておきましょう。

【面接でありがちなNG敬語6】「~になります」「よろしかったでしょうか」も間違い

「こちらになります」や「以上でよろしかったでしょうか」などという言い回しも良く聞くのではないでしょうか。これは、「アルバイト敬語」と呼ばれるもので、正しい敬語ではありません。「アルバイト敬語」が一般に普及したのは、コンビニエンスストアやファミリーレストランが急成長した1990年代といわれています。社会経験がほとんどなく、敬語の使い方を理解していないアルバイトの若者が使っていた言葉が次第に広まって定着してしまった言い回しです。他にも、「1000円からお預かりします」、「〇〇のほうで」など、違和感のあるアルバイト敬語がマスコミなどでも取り上げられるようになりました。

よく間違われるアルバイト敬語と正しい敬語がこちらです。

×「こちらになります」
○「こちらでございます」

×「よろしかったでしょうか」
○「よろしいでしょうか」

アルバイトで先輩などが使っていると同じように使ってしまいがちですが、普段から正しい敬語を使うように意識することが、就活や将来就職した時のためになります。

【番外編・面接でNGな若者言葉】「ちょっと」「~というか」「~的」にも要注意

社会人としてNGとされるのは、間違った敬語の使い方だけではありません。いわゆる「若者言葉」や「友達感覚言葉」もビジネスの場で使ってはいけない言葉遣いです。例えば、「~ていうか」、「~的な」、「マジで」、「~みたいな」などの言い回しや、語尾伸ばしや語尾上げ口調は若者言葉の典型例なので、面接や採用担当者との会話の中で絶対に使ってはいけません。
それ以外にも、「ちょっと(とても)」、「めっちゃ・めちゃくちゃ(とても)」、「すごい○○(すごく)」など、友達と話すような口語表現にも注意しましょう。

また、「全然大丈夫」という言い回しのように、普段から使うことが多い表現の中にも、間違った言い回しで使っている言葉があります。もともと「全然」という言葉は、「全然~ない」というように否定語とセットにして使う表現です。「全然、大丈夫ではない」というのが正しい使い方で、「大丈夫」を強調する意味で「全然」を使うのは間違っています。本来は「全く問題ありません」や「大丈夫です」というのが正しい言い回しです。

面接で正しい敬語を使えるようになろう!

正しい敬語を使うことはビジネスマナーの基本です。就活にも同じことがいえます。面接や会社説明会などで正しい敬語を使えると好感度や信頼度がUPします。間違った敬語の使い方をしっかり理解して、正しい敬語を使えるように普段から練習しておきましょう。

参考

[1]敬語の指針
[2]http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/sokai/sokai_6/pdf/keigo_tousin.pdf
[3]2017.8.7

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就活における大失敗のクチコミ・掲示板 - みん就(みんなの就職活動日記)

福田 結希

著者:福田 結希

人材コンサルティング会社に約8年間所属。主に、新卒採用試験(主に集団面接、グループディスカッション・プレゼンテーションなどの評価)、企業研修等でのコンピテンシーアセスメント等に関与していました。