就活浪人は不利?留年との違いは?就活を続けるうえでのリスク

就活浪人や留年が次の就活にどんな影響を与えるのでしょうか。就活時間が増えて内定への可能性が広がるというメリットを考えますが、一方でそこには必ずリスクが発生します。リスク対処法など、最良の判断につながる材料を解説します。

就活浪人とは?新卒扱いされないの?

f:id:hito-contents:20171018164334j:plain出典:写真AC

就活浪人という言葉は学生側の言葉です。一旦卒業した者に対して、採用する企業側にあるのは「既卒者扱い」で採用方法としては「中途採用」というくくりになります。企業の中途採用は、本来は職務経歴のある人を望む場合が多いのですが、いわゆる「第二新卒」という形で、あまり職歴はないが将来性を買って、あえて卒業後間もない人材を探すことがあります。

中途採用への応募方法は、転職サイトが主催する合同企業説明会や、既卒3年以内の者も応募可能な「新卒者合同説明会」への参加などで可能です。中には通年採用を行っている企業もあるので、志望する企業のホームページなどにアンテナを張っておくと見つけることができます。

新卒採用のように時期を統制するようなものはなく、採用ニーズがあれば随時募集をかけるというやり方です。就活浪人を考える学生からすれば、翌年以降、こういった採用政策を持つ企業や通年採用を行っている企業への応募がひとつの選択としてあります。

就活浪人をするメリットとデメリット

ここでは就活浪人をするメリットとデメリットを整理してみます。

<メリット>

1.現役時代の不満足な就活から一転、新たな視点での就活ができる
内定がもらえなかった理由は、自分の能力や希望する仕事と企業のミスマッチが原因だったかもわかりません。新卒就職が目的でなくなると、いわば無期限で自己分析や企業研究ができます。ちなみに、好景気を反映して企業の採用意欲は旺盛で、一旦既卒者となっても、「既卒者も参加可能な新卒向け合同企業説明会」が頻繁に開催されており、応募機会は十分あります。

2.民間企業だけが「働く場所」ではないことに気付く
学生時代の就活は、一般企業向けに就活だったと思いますが、「働く」あるいは「職業」ということでは、無限の可能性があります。就活浪人を機会に、心機一転働き方について考える機会になります。たとえば、公務員への挑戦や自由業、自営業などの選択肢もあります。さらには、将来的な独立開業を目的にした就職や、公的資格取得に挑戦する人も増えてきています。

<デメリット>
1.モチベーションが続かない
卒業後はフリーになりますが、メリットにあるような期待感は最初はいいとしても、自己との長い戦いになりモチベーションが続かなくなる可能性があります。

2.生活維持のための収入がなくなる
働くことは端的には収入を得ることですが、卒業後の収入をどうするかが現実的に大きな問題となります。しかも、就職までに期間が長ければ長いほど切実です。

就活浪人に対する企業や担当者の評価

企業側は、就活浪人生に対してどんな評価をしているのでしょうか。また、新卒とどう区別しているのか、違いについて考えてみましょう。

まず、先述した通り、企業側に「就職浪人」という概念はないので、新卒採用のみを行っている企業にとっては、既卒なので対象外です。次に中途採用を行っていて、「第二新卒歓迎」と表現する企業は、成長性や将来性といった面で人物次第ですが、ある程度の興味を示します。
ただし、「第二新卒」は対象が卒業後数年間のイメージなので、応募してくる既卒者は2.3年の就職経験がある転職者もいて、彼らと比べると就職浪人であまり働いた経験のない応募者は結果的に評価が低くなります。つまり、仮にアルバイト経験を積んでいたとしてもそれだけでは得られない責任感や社会人マナーなどを不安視します。実際、面接では学生時代の就活の有無や、新卒就職をしなかった理由、これまで何をしてきたかを徹底して聞きますので、「就活浪人」という発想は企業への説得性はあまりありません。

就活留年とは?デメリットはあるの?

「就活留年とは」を簡単に言うと、就職活動を続けるために留年をすることです。では、就活浪人と就活留年の大きな違いはなんでしょうか。結論から言えば、留年は身分が学生のままなので、翌年に「新卒」として採用選考のテーブルに載ることが可能だということです。あくまで新卒での就職を目指すなら、就活浪人と比べメリットがあるのは事実です。では、翌年度の新卒採用にはどんな影響があるのでしょうか。メリットがある反面、デメリットもあります。

1.1年間の学費が新たに発生する
当然ですが、翌々年の4月入社を目指すわけですから、さらに1年、大学に籍を置くための学費が必要となります。どこから捻出するかは別にして、就活留年のために新たな資金を用意しなければなりません。

2.留年が与える就活への悪影響
企業側は留年をしたという事実は履歴書でわかりますが、留年理由は聞かないとわかりません。留年には必ず理由があり、どこかの時点で志望先の企業にその理由を説明する時がきます。ですが、書類選考の時点で落とされたら、理由の言いようもありません。また面接でも、納得のできる理由を面接官に伝えることができたらよいですが、怪しいと思われたらその時点で就活は終わります。

3.次年度の選考に乗り遅れている
就活留年を決意する時期はだいたい秋以降となると考えられます。しかし、この頃は夏のインターンも終わっていたり、また外資系などで本選考を終えている企業もあるため、わざわざ次年度に向けて留年まで決意しているにもかかわらず、スタートが遅れてしまっているというリスクがあります。

面接で「なんで浪人・留年したの?」と聞かれた場合の対処法

就活浪人や留年を決意し、翌年再び就活をした時に面接で必ず聞かれるのが「なんで浪人したの?」あるいは「なんで留年したの?」という質問です。聞く企業側の方としては、これらに懐疑的なイメージを持っていて、さも悪いことをしたかのように質問をしてきますが、本人は決して悪いこととは思っていないというプラス思考の答えが必要です。

<就活浪人の回答例>
「はい、学生時代希望していた会社を数社受験いたしましたが、納得して入社しようと思った会社に出会えませんでした。内定をもらった会社もありましたが、よくよく考えたうえで辞退させていただきました。自分自身の性格から妥協することが嫌いで、また一生に一度のことである就活なのでリスクを承知のうえで卒業後も引き続き満足できる会社を探す決意をいたしました。」

<就活留年の回答例>
「就職のために留年するというのは私自身本意ではありませんでした。しかし、昨年度の就活を振り返ると本当に不満足な就活だったと言わざるを得ません。ひとつは企業研究が浅くて企業を表面的にしか捉えられなかったこと、もうひとつは自己分析が不十分で何がやりたいか定まらないままの就活だったという2点です。」

<共通の締めの決心>
尚、浪人(留年)した以上は、日々を中途半端に過ごすようなことをせず、この1年間固い決心で自分の成長と能力向上に取り組んでまいりました。具体的には〇〇です。今となっては一切後悔をしておりません。

もし就活浪人や就活留年になったら、どう過ごすべき?

前段の浪人(留年)した理由を聞く質問に加え、必ず聞かれるもうひとつの質問が「1年間(半年間)何をしていたの?」です。もちろん、企業研究はじめとする就活がメインですが、企業側が答えとして欲しいのは前向きな自己啓発に費やした1年です。したがって、浪人(留年)を決意した以上、心掛けたいのは次のような目標を持った日々の生活です。

1.志望職種に役立つ資格取得、人的ネットワークづくり、目指す仕事に役立つ趣味や特技の拡張、ビジネスマナーの勉強
2.志望業界・企業研究に役立つ自己啓発、セミナー・研修への積極的参加、具体的な企業情報の収集と研究
3.ビジネスマン、組織人の自覚を養うためのアルバイト(1.2.に関連する業務が中心)

就活浪人になるかどうかは、リスクを理解したうえで決断しよう

このように就活浪人や就活留年は、就活が思うようにいかないと判断した時点で選択肢のひとつとしてありえますが、一方リスクが伴うというのも事実です。またリスク回避の方法を実行したからと言って、それが前年に勝る就活となり成功を約束するものではありません。慎重な判断のうえに立った行動が求められます。

関連リンク

就職浪人のクチコミ・掲示板 - みん就(みんなの就職活動日記)

 

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著者:GAKUSUI

◆一部上場企業で人事・採用・能力開発を約15年経験。採用では、新卒を中心に面接官はじめ採用選考実務と管理職(採用課長、能力開発部次長)を経験。
◆採用業務だけでなく、人事異動、能力開発、教育訓練等トータルで経験。
◆上記企業で営業部、販売部、企画部で実務から管理職まで経験。また、転職経験もあり(中堅商社6年、国家公務員2年)。
◆新卒専門のキャリアコンサルタント(国家公務員)として直接大学生に対面指導。模擬面接、ES添削、自己分析指導等、就活カウンセリングの実務全般を2年間経験。その間、大学キャリアセンターと連携し講演実績あり。