就活の「妥協点」はどこ?就活生が知っておくべき5つのポイント

「内定はもらったけど第一志望じゃない」「内定後にいろいろ調べたところ悪い噂を目にしてしまった」など「この会社で本当にいいのかな?妥協していいのかな?」という悩みは誰も抱えるものです。ここでは自分なりの就活の「妥協点」を見つけてもらうために、5つのポイントを解説します。

妥協すると「将来のキャリア」が危ない?

まず知っておきたいのは「将来のキャリア」との関係です。
企業には「社格」というものがあり、大企業や上場企業、規模は小さくとも誰もが知っている企業や話題性のある企業などは一般的に「社格が高い」と言われます。この社格を妥協して就職を決めてしまうと、転職の際に苦労することになります。というのも一般的に社格が低いところから高いところへの転職は非常に難しいとされており、逆に社格が高いところから低いところへの転職は比較的簡単にできるとされているからです。

これには様々な理由がありますが、その1つは「経験値の差」です。
社格の差は経験できるビジネスの規模や仕事のやり方・考え方に直結します。例えば1,000億円規模の事業を扱っている企業と1億円規模の事業しか扱っていない企業とでは、同じ期間に積み上げられる経験値に大きな差が生まれるのです。したがってしっかり考えずに就職を決めると、転職の時に行きたい企業に行けないという状況に追い込まれてしまう危険があります。

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妥協すると「待遇面」で満足できない?

「休日日数が少ない」「住居手当が出ない」「子育て支援がない」など待遇面で気になる部分がある場合は、基本的に妥協はNGです。
働き始める前はモチベーションが高いので「それくらいなら仕事のやりがいがあれば我慢できるでしょ」と思うかもしれません。しかし残念ながらその高いモチベーションが、ずっと高いまま持続することはありません。モチベーションは仕事をする上で起きる良いこと・悪いことの影響を受けて、必ず上がったり下がったりするものです。モチベーションが下がった時に大切なのが待遇面です。「今の企業での仕事が嫌になることもあるけど、ここほど子育て支援が充実している企業はなかなかない」と思えれば、辞めずにその場で踏ん張れるはず。逆にそれがなければ我慢できずに辞めてしまう可能性も高くなります。もちろん仕事のやりがいだけで頑張り続けられる人もいるかもしれません。しかしたいていの人の場合「ちょっと気になるけど、我慢できるでしょ」は思い込みなので注意しましょう。

妥協すると「企業への先入観」ができる?

明確に「この企業を妥協点にして就活を終えよう」と決断した場合は、「企業への先入観」に注意が必要です。というのも「今いる企業は妥協した企業だから」と考えて働き始めると、どうしても悪い点ばかりが目に入ってしまうからです。

・「残業が思ったより多い」→「妥協した企業だからなあ」
・「休日出勤が1ヶ月に一回はある」→「妥協した企業だからなあ」
・「上司が理不尽な理由で怒る」→「妥協した企業だからなあ」

このように他の企業でも起こり得るようなことでも、企業への先入観が「妥協した企業だからなあ」という言い訳につなげてしまいます。最悪の場合、仕事が楽しくないことや自分が成長しないことまで「妥協した企業だから」という理由で片付けかねません。もし企業を妥協するのであれば、このような先入観を持たないで済む企業を選ぶようにしましょう。

それでも「妥協する」人が知っておくべきこと

「やっぱりここで就活を終えたい」という最終的な決断をする前に、知っておくべき2つの統計データがあります。

1つ目は文部科学省の平成27年度の「学校基本調査」のうち「卒業後の状況調査」についてです。これによれば「大学院等への進学者」(就職し、かつ進学したものを含む)が全卒業者の11.0%、「一時的な仕事に就いた者」が2.1%、就職も進学もしていない者が10.3%という結果が出ています。これらの中には「就職浪人・就職留年を選んだ人」が一定数いると考えられます。つまり妥協せずに「もう一年就活をする」という決断をしている人も、ある程度存在するのです。2つ目は平成27年度に実施された就活生へのアンケート調査です。この調査では最初に内定を取得してから就活を続けた人が回答者1757人中57.5%もいたことがわかっています。就職浪人・就職留年とまではいかなくとも、半数以上の就活生は、妥協せずに自分の納得のいく企業を追求しているのです。

「妥協しない」人が知っておくべき就活マナー

「妥協しない」という選択をした場合、どうしても発生する問題が内定を出してくれた企業への対応です。「内定承諾書には法的拘束力はないから、とりあえず承諾をしておいて企業には隠れて就活を継続する」なんて行為は言語道断。完全なるマナー違反はもちろんのこと、内定辞退にともなって生じた費用について損害賠償を求められる可能性もあります。内定承諾書自体に法的拘束力がなくとも、損害賠償の可能性について軽視してはいけません。企業は内定承諾書を受け取ればそれに基づいて新入社員を受け入れる準備を進めます。「あの学生と一緒に働くのが楽しみだ」と思っている人もいるでしょう。そんな人たちを騙すようなやり方は、これから社会人になる人間としてやってはいけないことです。「妥協しない」と決めた場合の選択肢は2つ。1つは「潔く内定辞退する」です。この場合は辞退の理由を丁寧に伝え、できる限り企業側にも納得してもらえるように誠意を見せましょう。2つ目は「企業に相談する」です。企業によっては決めきれない理由や、確実な返事ができる期日などを伝えれば、決断までの時間を与えてくれるところもあります。その可能性に賭けて、自分の胸の内を正直に打ち明けることも大切です。

就活の妥協点は「自分で」決めるべし

社会に出れば自分の人生に対する責任は自分で取らなくてはなりません。就活で妥協するかどうかも同じです。くれぐれも「親が言ったから」「先輩が言ったから」という理由で決めてはいけません。「妥協する」「妥協しない」どちらを選ぶにしても、後悔のないよう自分できっちり判断しましょう。

関連リンク

内定もらったけど妥協して終えるか蹴って続けるかのクチコミ・掲示板 - みん就(みんなの就職活動日記)

 

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監修:小室直子

臨床発達心理士
中級教育カウンセラー
東北福祉大学大学院修士課程卒業後、専門学校専任講師、大学の非常勤講師として心理学系科目の講義を行うかたわら、のべ200名の就職支援の経験を持つ。