[業界研究] 資金を動かす業界とは？

前回の記事では、「社会基盤を整備する」業界についてご紹介しました。 今回は「資金を動かす」業界として、銀行、証券、保険業界についてご紹介します。

銀行

銀行とは一言でいえば、お金を借りたい人と貸したい人を結ぶ仲介者の役割をしています。 預金を増やして、そのお金を融資し、その融資に対する利息を得ることが主要ビジネスととなります。しかし、実は役割によって、普通銀行、信託銀行、中央銀行と様々な種類があります。種類が違えば、提供する金融サービスや役割が異なります。 

 普通銀行には都市銀行、地方銀行が分類されます。学生のみなさんが日常生活の中でもっとも接する機会が多いのが普通銀行です。消費者向けの金融サービスの提供、企業向けのお金の融資などが主な業務です。全国に拠点を持ち、サービス展開をしているのが都市銀行、各都道府県に本店をもち、その地域に根ざしたサービス提供を行っているのが地方銀行です。 

 信託銀行は、銀行業務の他に信託業務、併営業務を行っている銀行です。 信託業務とは企業や個人のお客様からお金や株式、不動産といった資産を引き受けて、代わりに管理、運用することです。 併営業務とは企業の株主名簿の管理などの証券代行業務、不動産の仲介業務、遺言執行などの相続関連業務などがあります。 

 中央銀行（日本銀行）は、日本の中央銀行であり、「発券銀行」、「政府の銀行」、「銀行の銀行」と呼ばれています。紙幣や硬貨を発行できる唯一の機関であり、中央銀行の目的としては物価・貨幣価値の安定、金融システムの安定があります。普通銀行などとは異なり、企業や個人と接することはありません。 

 情報技術、テクノロジーの進化によって、Fintech（FinanceとTechnologyの造語）、仮想通過、キャッシュレスの台頭、店舗や人員削減など大きな転換期を迎えています。 三菱UFJ銀行では2019年の夏から「デジタル人材の獲得を視野に入れ、有償型のインターンシップ」を開催するなど、業界全体としてIT化に注力しようとする動きがあります。 

 ＜代表企業例＞ 

・普通銀行（都市銀行） 

三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ 

みずほフィナンシャルグループ、りそなホールディングス、新生銀行、あおぞら銀行 

 ・普通銀行（地方銀行） 

ふくおかフィナンシャルグループ、横浜銀行、千葉銀行、ほくほくフィナンシャルグループ、静岡銀行 

 ・信託銀行 

三井住友信託銀行、三菱ＵＦＪ信託銀行、みずほ信託銀行、SMBC信託銀行、野村信託銀行