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[業界研究] モノを売る業界とは?

前回の記事では、「モノづくり」業界についてご紹介しました。 今回は「モノを売る」業界として、総合商社・専門商社、流通・小売業についてご紹介します。

総合商社・専門商社

総合商社とは幅広い産業で原料や加工などあらゆる商材を取り扱い、売りたい人と買いたいを人を繋ぎつけ、取引の仲介、いわゆるトレーディングを行っています。 この時に発生する仲介手数料と、利ざや(売値と買値の差)がトレーディングの収益となります。 

総合商社が扱う商品は非常に幅が広いのが特徴で、「ラーメンから航空機まで」というキャッチコピーも有名です。我々の身近な食料品から、個人では到底買うことのないものまで幅広く扱っているという例えです。 

また、総合商社はトレーディングの他に、事業投資にも積極的です。バリューチェーン構築に価値のある企業に対して、資金だけではなく、人材、経営ノウハウ、情報などの経営資源を投入し、事業経営をサポートします。それによって、企業の価値を向上させ、投資先が収益をあげると、投資比率分の利益を獲得するというビジネスモデルとなっています。 (バリューチェーン:原料調達から加工、製造、流通販売、アフターサービスといった一連の事業活動の中でどの部分に付加価値が生み出されているか、どの部分に強み・弱みがあるかを分析し、事業戦略の有効性を探ること) 

昨今の総合商社は、好調な資源価格を背景に業績を伸ばしてきていました。しかし、新型コロナウイルスなどの影響で資源市況が悪化し、業績にも悪影響が出ました。そのため、資源分野を収益の柱としながらも、事業のバランスを見直そうという動きが出ています。非資源分野、とくに食料品分野へ注力しようとする動きが加速しています。 

専門商社とは鉄鋼、電子・半導体、食品、医薬品、日用品、繊維など読んで字のごとく特定の分野に特化した事業・取引を行います。 総合商社のように扱う商品の幅の広さはありませんが、特定の商品に特化していることから、独自のノウハウや、メーカー・クライアントとの太いパイプを持っていることが強みです。そのため、特定顧客向けに安定した事業基盤を持っています。 

専門商社の多くは、トレーディングが中心となり、その取引は国内市場の比率が高いです。しかし、近年ではメーカーが商社を介さずに直接取引を行うケースもあり、海外進出によって売上拡大を目指す企業も増えています。 また、専門商社は収益の柱をトレーディング以外の分野に模索しています。例えば、食品や日用品を手がける会社がプライベート商品の開発を強化したり、医薬品を扱う商社は薬局の運営にのりだすなどの動きがあります。

<代表企業例> 

  • 総合商社

三菱商事、伊藤忠商事、三井物産、住友商事、丸紅、豊田通商、双日 

  • 専門商社

・鉄鋼 

日鉄物産、伊藤忠丸紅鉄鋼、メタルワン 

・機械 

岡谷鋼機、ユアサ商事、山善 

・電子、半導体 

マクニカ・富士エレホールディングス、加賀電子、レスターホールディングス 

・化学 

長瀬産業、稲畑産業、三井物産プラスチック 

・食品 

三菱食品、日本アクセス、国分グループ本社 

・医薬品 

メディパルホールディングス、アルフレッサ ホールディングス、スズケン 

・日用品、化粧品 

PALTAC、あらた、CBグループマネジメント 

・繊維 

東レインターナショナル、蝶理、帝人フロンティア 

・燃料、エネルギー 

伊藤忠エネクス、岩谷産業、三愛石油