IT業界の経験が浅い人の場合、フロントエンジニアと言われても具体的な業務内容をイメージする事が難しいのではないでしょうか。この記事ではフロントエンジニアの業務内容やキャリアプランについて解説しています。従ってこの記事を読めば、就職や転職の決断の役に立ちます。
「サーバーサイドエンジニアとかフロントエンジニアとか、色々な種類のエンジニアがいるけど、結局どんな仕事をしているのかいまいちよくわからない。」
「フロントエンジニアに役立つ資格を取っておけば、就職の時に役立つかな?」
IT業界への就職を考えている人は、このような疑問を持ったこともあるでしょう。
この記事ではフロントエンジニアの具体的な仕事内容や、業務をこなすのに必要な知識などを解説しています。
この記事を読む事によって、フロントエンジニアが自分に向いているのか、キャリアの価値観に合っているかを知る事が出来るため、就活をする際の助けになります。フロントエンジニアについてより詳しく知りたい方は、こちらを参考にしてください。
フロントエンジニアの仕事内容とは?
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フロントエンジニアとは、アプリケーションやシステムのうち、ユーザーの目に直接触れる部分を扱う種類のエンジニアです。
具体的にはテキストの入力欄や文字のフォーマットやボタン、サイト全体のデザインなどを扱います。
未経験からでも目指しやすく、業務で使用するプログラミング言語もサーバーサイドの言語よりは簡単と言われているため、習得しやすいです。
フロントエンジニアの魅力
フロントエンジニアの魅力として、ユーザーの目に見える部分を扱うため、自らの成長や仕事の結果が実感しやすい事です。
バックエンドエンジニアの場合、フロントエンジニアとは逆にユーザーの目に見えないビジネスロジックなどを扱うため、仕事の難易度と比較してやりがいが感じにくいという人もいます。
ユーザーの目に見える部分を扱う事の多いフロントエンジニアならば、自らの成長や仕事の結果が実感しやすいです。
フロントエンジニアの需要
スマホやデジタルトランスフォーメーションが普及している事もあり、IT系のエンジニアの仕事の需要も増加傾向にあります。そのため、フロントエンジニアの需要は高いと言えるでしょう。
しかし、IT業界の技術革新のスピードは非常に早いため、最新のIT技術の情報に敏感になって常にチャレンジする姿勢がなければ、いずれ仕事が取れなくなる危険性もあります。
フロントエンジニアの平均年収
フロントエンジニアの平均年収は590万円程度となっており、日本の平均年収よりも高い数値です。
継続的に自分のスキルを高めることが出来れば、更なる高収入も期待出来ます。
マークアップエンジニアの違いとは?
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マークアップエンジニアとはHTMLやCSSなどを扱うエンジニアで、メディアの全体構造に関わる業務を行います。
フロントエンジニアと業務内容が似ていますが、SEOの最適化なども行うため、フロントエンジニアよりもビジネスの根幹に関わる業務を担当します。
マークアップエンジニアの業務をフロントエンジニアが対応する現場や企業も多いです。
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コーダーとの違いとは?
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コーダーとはHTMLなどのコーディングを専門的に行う役職の事で、業務の範囲がより限定されています。
設計書や要件定義書などのドキュメントを読み解いたうえで、プログラムのソースを書き出し、時にはテストまで行う仕事です。
HTMLなどの言語だけでなく、Javaなどのサーバーサイド言語やSQLなどの言語も習得する事によって、業務の幅を広げる事が出来ます。
フロントエンジニアに必要となる9つの知識やスキル
フロントエンジニアの業務内容は幅広いため、習得が必要となる知識やスキルの種類も多いです。
HTMLなどのプログラミングスキルだけでなく、UIの知識も業務をこなすうえで必要になります。またマネジメントなどの知識やスキルも身に付けておく事で、管理職にも挑戦する事が出来ます。
こちらでは、フロントエンジニアに必要となる9つの知識やスキルを紹介します。
1:プログラミング関連のスキル
フロントエンジニアは、IT系の技術職になるため、プログラミングの習得は必要不可欠です。
プログラミングを習得しない限りは、コーダーの業務は勿論、設計や要件定義などの業務をこなす事も難しくなります。HTMLやCSSだけでなく、JavaScriptなどの言語やフレームワークなどの知識も必要になります。
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HTMLやCSS
HTMLやCSSなどの言語は、ホームページやアプリケーションなどの、画面上の見た目を作るためのプログラミング言語です。
HTMLで文字や画像のディレクトリを指定し、CSSで色や文字の大きさ、配置などを表現します。
JavaScript
JavaScriptは、ポップアップの表示や検索機能まで、様々な用途で使用する事の出来るプログラミング言語です。
多くの企業や現場で使用されているため、JavaScriptを使用する事が出来れば、フロントエンジニアとしての市場価値を高める事が出来ます。
Jフレークワークの知識
多くの企業や現場では、プログラムのソースをテキストファイルなどにべた書きするのではなく、フレームワークを使って開発をします。
従ってフロントエンジニアとして業務をこなす場合についても、フレームワークに関する知識が必要不可欠です。
フレームワークを使って開発をする事で、大量のソースコードを用意しなくてよくなるため、開発期間を短くすることが可能です。
2:コーディングのスキル
フロントエンジニアは、コーダーとしての業務も兼務しなければならない場合もあるため、コーディングスキルも習得しておく必要があります。
自分でホームページやアプリケーションを作成して手を動かす事で習得出来ますが、書籍などでもある程度習得する事が出来るスキルです。
3:Webサイトのデザイン制作スキル
フロントエンジニアはユーザーの目に見える部分を扱うため、デザインのスキルも必要になります。
スマホなどの小さい画面でも扱いやすくするにはどうすればよいか、などの知識の他に、プロモーションなどの知識も必要になります。
自分で実際にホームページなどを作成し、運営してみる事で、より効率的に身に付ける事が出来るスキルです。
4:UI/UXに関する知識
ユーザーにとって扱いやすい画面を設計、デザインするため、UI/UXに関する知識はフロントエンジニアとしての業務をこなすうえで必要不可欠です。
パソコンだけでなく、スマホやタブレット、ガラケーなど様々な種類の端末からポータルサイトを閲覧する事が出来るようになったため、UI/UXの知識の重要性は今後ますます高まります。
UI/UXの知識に加えてクライアントのビジネスやサービスの内容、エンドユーザーの属性なども把握出来れば、より洗練されたWebページを作成する事が出来ます。
5:SEO対策の知識
SEO対策とは、検索エンジンで上位に検索されやすくするように、サイトの構成や内容を調整する事です。
フロントエンジニアはユーザーの目につく部分を扱うエンジニアであるため、ユーザーの目を引くようなコンテンツを作る事も業務内容に加わる事があります。
6:CMSに関する知識やスキル
CMSを利用する事によって、HTMLなどの専門知識がなくてもWebページの更新や修正が可能になるため、効率よくWebページの管理や更新が出来ます。
サイト内の情報の更新が素早く出来るようになるため、ニーズの変化に柔軟に対応出来るようになります。
7:サーバーサイド言語の知識
HTMLやJavaScriptなどのフロントサイドのプログラミング言語だけでなく、アプリケーションやシステムを作るにはサーバーサイド言語も必要です。
具体的にはPHPやRuby、Javaなどのプログラミング言語の知識を習得しておくと、業務をより効率的に処理出来ます。
8:プロジェクトマネジメント力
プロジェクトマネジメントとは、直接コーディングなどで手を動かすわけでなく、納期までにプロジェクトの目的が達成出来るようにチームを管理するスキルの事です。
フロントエンジニアがプロジェクトマネジメント力を身に付ける事で、更に自らの市場価値を上げて、待遇を良くする事が出来ます。
9:コミュニケーションスキル
フロントエンジニアなどのITエンジニアは、一人でパソコンの前で黙々と仕事をしていれば良い、というわけではありません。
クライアントとの認識合わせやチームメンバーとの連携など、人と関わる頻度が非常に高いです。
従ってフロントエンジニアはITのスキルや知識だけでなく、コミュニケーションスキルについても高いレベルで求められます。
リモートワークが普及しているという事情もあるため、対面でのコミュニケーションだけでなく、文字ベースでのコミュニケーションスキルに関しても高いレベルで求められます。
フロントエンジニアに役立つ資格5選
フロントエンジニアの仕事をする際に、役立つ資格について紹介していきます。
資格は、一定の水準以上のスキルや知識を持っている事の証明にもなるため、就活でも有利に働くでしょう。
1:HTML5プロフェッショナル認定試験
HTML5プロフェッショナル認定試験とは、マークアップに関する技術力と知識を測るための資格試験です。
フロントエンジニアの業務で使用頻度が高く、HTMLのスキルレベルの証明が出来るため、高いレベルの資格を保持しておくと、就職や転職などの場面で有利になります。
2:CIW JavaScript Specialist
CIW JavaScript Specialistとは、JavaScriptのスキルレベルを測定するための資格試験です。
JavaScriptの機能が拡張されている事もあるため、CIW JavaScript Specialistを取得しているフロントエンジニアのニーズも高くなっています。
出典:JavaScript Specialist | CIW
参照:https://www.ciwcertified.com/ciw-certifications/web-development-series/javascript-specialist
アクセス日:2022/04.22
3:Webクリエイター能力認定試験
Webクリエイター能力認定試験とは、Webページのコーディング能力だけでなく、Webページのデザイン能力も測定出来る資格試験です。
レイアウト手法や色彩に関する知識など、ITとは異なる領域の知識も合格のためには必要となります。また、実技試験もあるため、より実践的な知識を身に付ける事が出来ます。
Webデザイナーなど、フロントエンジニアからキャリアアップする際にも大いに役に立つ資格です。
4:Ruby技術者認定試験
Ruby技術者認定試験とは、Rubyによるシステム開発の能力を測定するための資格試験です。
エンジニアだけではなくコンサルタントや講師、学生なども対象としており、保持していれば就職や転職で有利になります。
資格は2段階あるため、高いレベルの資格を取得出来れば、エンジニアとしての市場価値を上げる事が出来るでしょう。
5:基本情報技術者試験
基本情報技術者試験とは、IT技術者の登竜門のような立ち位置の資格試験です。
プログラミング言語やIT技術に関する知識だけでなく、ビジネス用語やマネジメントに関する知識の領域も、合格のためには必要です。勉強と対策をしっかりして試験に挑みましょう。
出典:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/
アクセス日:2022/04.22
フロントエンジニアからのキャリアパス
フロントエンジニアの担当業務の範囲は広いため、キャリアパスの選択肢も広がっています。
例えば、エンジニアとして活動し続けるという選択肢の中にも、スペシャリストになるのか、それともゼネラリストになるのか、という選択肢があります。これから、そのキャリアパスについて紹介していきます。
Webプロデューサー
Webプロデューサーとは、Webサイトの企画を担当する役職です。
Webサイトの運営の戦略に関する業務を担当し、需要が高まってきています。
WebやITに関する知識は勿論、クライアントに対しての営業能力や交渉能力など、セールスマンとしてのスキルも求められます。
Webディレクター
Webディレクターは、主にマネジメントや顧客との折衝を行う役職で、個々のプロジェクトの責任者となります。
Webプロデューサー同様、WebやITに関する知識だけでなく、交渉力などの能力も必要不可欠です。
Webデザイナー
フロントエンジニアは、Webデザイナーがデザインしたデータを基に設計や要件定義を行うため、Webデザイナーと業務上のつながりがあります。
従って、フロントエンジニアからWebデザイナーを目指す、という選択肢もキャリアパスの一つです。
IT関連の知識やスキルよりも、デザインの引き出しの多さと新たな流行を見極められる先見性が、業務をこなしていくうえで必要になります。
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Webデザイナーの適切な志望動機を紹介|書き方や注意点も解説
UI/UXエンジニア
UI/UXエンジニアは、Web業界の中でも比較的新しい職種で、Webデザイナーと同様にフロントエンジニアとつながりのある職種です。
Webサイトの視覚的な効果の外に、ユーザーから見た使い勝手の良さや情報の見やすさといった部分を担当します。
細かい部品に対してもこだわりを持ち、常に現状から改善し続けようとする根気強さも必要となります。
フルスタックエンジニア
フルスタックエンジニアは、Webサイトの作成の全ての工程と技術領域に精通しているエンジニアの事を指します。
コーディングだけでなく、要件定義やマーケティングなどの業務も担当するため、フルスタックエンジニアが担当する業務の範囲はとても広いです。
フルスタックエンジニアのようにWebサイトの作成の全工程に精通しているエンジニアがチームに一人でもいれば、他部署との連携や事情の周知がスムーズに進むため、より効率的にプロジェクトやチームの運営が出来るようになります。
フロントエンジニアについて理解しよう
出典:PIXTA
フロントエンジニアの業務内容や実態について理解し、自分に合ったキャリアプランで継続的にスキルアップが出来れば、より充実した生活を営む事が出来るでしょう。

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