人気のゲーム業界への就職について、難易度や必要なスキルはご存じでしょうか。本記事では、ゲーム業界の基礎知識や就活のスケジュール、しておくと良いことなどを紹介しています。ゲーム業界の就活に不安を感じている人は、ぜひ最後まで読んでみてください。
「ゲーム業界で働きたいけど、難しいって本当?」
「どんな勉強をしておいたら良いか分からない」
「必要なスキルはあるのか」
このように、ゲーム業界へ就職したいがどのように就活すると良いか分からず、不安を感じている人も多いのではないでしょうか。
本記事では、ゲーム業界への就職難易度や求められるスキルを始め、基礎知識や就活スケジュール、就職を目指す上でしておきたいことなどについて解説します。この記事を読むことで、ゲーム業界へ就活する際に必要なことが理解でき、事前準備の参考になるでしょう。
ゲーム業界への就職を目指している人や何をすれば良いのか分からなくて不安な人は、本記事を参考に準備を行い、人気業界の就活に挑んでみてください。
就職先として人気があるゲーム業界
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コロナ禍でも人気が衰えない職業の1つが、ゲーム業界です。業界自体が常に成長していること、クリエイティブな職種であること、自由な働き方が可能な職種であることなどの理由から、就活生に人気の仕事といえるでしょう。
コロナ禍によるおうち時間が増加するとともに、人気ゲーム機は抽選販売が必須となるくらい需要が高まっています。そのため、安定している印象があるということも、就職先として人気な理由です。
人気な職種なだけあって、内定倍率も非常に高いといわれていますが、即戦力を求める企業が多く、難易度が高めとなっています。
ゲーム業界の基本的な職種
ゲーム業界に就職したいが、どのような職種があるのか分からないという人も多いのではないでしょうか。1つのゲームを制作する主な流れは、企画から制作・実装、テスト・運営などですが、その間に様々な職種が関わります。
まずは、ゲーム業界の職種を理解しましょう。
- 全体をまとめる「プロデューサー」
- ゲーム制作の現場監督ともいえる「ディレクター」
- 開発を行う「プログラマー」
- 企画を立てる「プランナー」
- ストーリーを考える「シナリオライター」
- グラフィックやUIを作る「デザイナー」
- BGMや効果音を作る「サウンドクリエーター」
- ゲーム機の開発を担う「ゲームエンジニア」
- 作られたゲームをユーザーに届ける「営業職」「企画職」
1:全体をまとめる「プロデューサー」
プロデューサーとは、ゲーム開発における「総監督」のポジションです。ゲーム開発の予算や制作スケジュール、開発メンバーを考えたり、プロジェクトの指揮や進捗管理したりするなど責任ある仕事を行います。
ゲーム業界の経験が多い人がプロデューサーになる傾向があり、多くの人をまとめる能力やトラブル対応能力などが求められる職種です。
2:ゲーム制作の現場監督ともいえる「ディレクター」
「現場監督」の役割を担うディレクターは、ゲーム制作における演出やスケジュール管理、現場スタッフ管理などを行う職種です。
現場でのコミュニケーション能力や周囲をまとめるリーダーシップ力が高い人材が求められます。未経験の人がディレクターになることは難しく、プログラマーやデザイナーの経験を経て、キャリアアップした人が就く職種といえるでしょう。
3:開発を行う「プログラマー」
プログラマーは、企画や仕様書を元に、実際にゲームをプログラミングする職種です。キャラクターの動き、効果音やBGM、エフェクトなど、ゲームの大本のシステムを構築する役割があります。
ゲーム機の種類によって扱う言語は異なりますが、プログラミングスキルを持っている人材が必要です。また、エラーやバグが発生する可能性もあり、頻繁に修正や対応をしなければならないため、集中力と忍耐力が必要になるでしょう。
4:企画を立てる「プランナー」
どのような世界観のゲームを制作するのかという企画・立案などを行う職種がプランナーです。ゲームのルールや大まかなシナリオ、キャラクターなどゲームの骨組みを考え、社内にプレゼンテーションを行います。
ゲーム制作のスタート段階を担うため、ゲームに関する最低限の知識やクリエイティブな能力が必要です。
5:ストーリーを考える「シナリオライター」
シナリオライターは、ゲームのストーリーを作り上げたり、キャラクターのセリフや性格などを詳細に設定したり、ゲーム制作に幅広く携わる仕事です。
経験が大切な仕事でもありますが、それ以上に発想力や想像力、アイデアが必要となります。また、頭の中のストーリーを文章に起こすスキルやコミュニケーション能力も大切です。
6:グラフィックやUIを作る「デザイナー」
ゲームに登場するキャラクターやアイテム、背景などを具現化する仕事がデザイナーです。キャラクターデザインだけでなく、CG、グラフィックなど様々な種類があり、それぞれ役割を分担してチームで取り組むことが多いでしょう。
デザイナーに必要なスキルは、デザインツールを使いこなす能力と発想力、想像力、コミュニケーション能力です。近年では、3D技術も重宝されるようになりました。
7:BGMや効果音を作る「サウンドクリエーター」
ゲームのBGMが印象に残るという人も多いのではないでしょうか。そのBGMやゲームの効果音などを、専用の機器やパソコンで制作・編集しているポジションがサウンドクリエーターです。
作曲スキルや専用ソフトを使うスキルが必要で、プログラミング言語を利用して音を言語化するというスキルも重宝されます。
8:ゲーム機の開発を担う「ゲームエンジニア」
家庭用ゲーム機やスマホゲーム、ソーシャルゲームなどの様々なゲーム機を開発する職種が、ゲームエンジニアです。
ゲーム機によって使用する言語は異なりますが、プログラミング言語やゲームエンジンのスキル、打ち合わせに必要なコミュニケーション能力、数学や物理の知識、英語能力などが必要になります。
9:作られたゲームをユーザーに届ける「営業職」「企画職」
制作したゲームの売れ行きに影響を与える仕事が、営業職と企画職です。完成したゲームのマーケティングやプロモーションを行い、ユーザーにゲームを購入してもらえるように活動します。
ゲームショップや流通本部などに対して、自社のゲームを取り扱ってもらえるようにする営業力がとても大切です。そのためには、自社のゲームに関する知識やサービスをよく理解している必要があります。
ゲーム業界の就活スケジュールの例
ゲーム業界の職種については理解したが就活はいつから始めると良いのか、職種によって違うのかなど、疑問に思う人もいるのではないでしょうか。
ここでは、ゲーム業界の就活スケジュールについて解説していきます。
- 大手パブリッシャーの場合
- 実力があるディベロッパーの場合
- スマホ向けゲーム開発企業の場合
- デザイナーの場合
1:大手パブリッシャーの場合
パブリッシャーとは、ゲーム会社と聞いて頭にすぐ浮かぶ任天堂やコナミ、セガなどの日本の有名なゲーム会社を指します。
こちらは通常の就活スケジュールと同じで、エントリーシートを提出後に筆記や実技の試験、面接を経て内定が決まる流れが多いでしょう。3月にエントリーが開始される場合が多く、6月頃に内々定が決まります。
ゲーム業界特有なのは、エントリー後に作品の提出があることです。職種によってポートフォリオやプログラミング作品などの違いがあるため、自分の希望職種を明確にする必要があります。
また、大手パブリッシャーは人気で、倍率が高いことも覚えておきましょう。
2:実力があるディベロッパーの場合
ディベロッパーとは、プラチナゲームズやランド・ホーなど、大手パブリッシャーとタッグを組み共同開発する会社のことです。
一般的な就活スケジュール同様、3月にエントリー開始ですが、大手パブリッシャーより若干遅らせて内々定を決定している企業もあります。9月までには内定が決まるという流れです。
大手パブリッシャーよりも、作品提出について重要視している会社が多く、ゲーム制作にこだわりが強い人材の需要が高いでしょう。
3:スマホ向けゲーム開発企業の場合
スマホゲームの開発会社関連は、一般的な就活スケジュールよりも早い会社が多いです。11月には選考を開始する会社もあります。
オンラインでの説明会やインターンを行なっている会社が多いため、積極的に参加すると良いでしょう。他の就活スケジュールと時期が異なることから、小まめに企業公式SNSなどで採用情報をチェックすることがおすすめです。
4:デザイナーの場合
デザイナーの場合は、専門学生や大学生などの作品が出来上がり、知識が身に付くであろう秋に採用を行っている企業もあります。
ただし、デザイナーは全ての会社が秋採用を行っているわけではないため、希望会社の採用時期をきちんと確認し、一般的なスケジュールでも対応できるように準備をしておくと良いでしょう。
ゲーム業界への就職で知っておきたい6つのこと
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ゲーム業界は就活生に人気で競争率の高い業界ですが、ここではゲーム業界の就活で知っておきたいことを6つ紹介していくので、不安がある人は参考にしてください。
就活の倍率や難易度、入社後のギャップで継続できない人も多いため、知識として持っていると役立つでしょう。
- ゲーム業界は全体的に就職難易度が高い
- 業務量が多い
- 中小企業は入社後即戦力扱いとなる
- 大手パブリッシャーへの就職は競争率が高い
- 規模を選ばなければ地方での就職も目指せる
- 海外のゲーム会社は日本以上に実力が重視される
1:ゲーム業界は全体的に就職難易度が高い
ゲーム業界は、就職するまでの難易度が非常に高いという特徴があります。
どの職種においても就職希望者が多かったり、ある程度の学歴や経験が求められる場合があったりという理由から、特に未経験・新卒者には難しい業界でしょう。
2:業務量が多い
ゲーム業界は、就職した後の業務量が多いという特徴もあります。大手パブリッシャーや中小企業問わず、業界全体の業務量も多いでしょう。
ゲームのビジュアルの美しさを求められるなど、様々な要因があり業務量が多くなります。
3:中小企業は入社後即戦力扱いとなる
中小企業は、人数が少なかったり設立してから日が浅かったりという理由から、即戦力となる実力者を求めている傾向が強いです。
少人数のため個人の業務量が多く、研修制度などが充実していない会社の場合は、1から指導しなければならない未経験者よりも、経験者が必要なのでしょう。
しかし、全ての中小企業で経験者を優遇しているわけではなく、未経験者を募集している企業もあるため、様々な企業の説明会や採用情報を確認してみてください。
4:大手パブリッシャーへの就職は競争率が高い
大手パブリッシャーは非常に人気な就職先として有名です。幼少期から身近にあるゲーム機は、ほとんどが大手パブリッシャーの商品であることが多く、人気の理由の1つとなっているでしょう。
また、CMやネット広告などでよく見かけるため、企業や商品の知名度が断トツで高いことも考えられます。
多くの応募があっても、実際に採用される人はほんの一握りでしょう。そのため、高学歴や高スキル保持者が選考されやすい傾向にあり、内定倍率が非常に高いといえるでしょう。
5:規模を選ばなければ地方での就職も目指せる
大手パブリッシャーは東京などの主要都市に所在していることが多いですが、規模を選ばなければ地方にもゲーム会社はたくさん存在します。
ゲーム関係の仕事は市場が大きく、多くの優秀な人材が必要なため、ゲーム制作を支える下請け会社や共同制作を行っている会社を選ぶということも可能です。場所にこだわらないのであれば、就活の選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
6:海外のゲーム会社は日本以上に実力が重視される
ゲーム業界に就職するのであれば、海外のゲーム会社を検討するという方法も良いでしょう。ゲーム業界において日本はかなり実力がある印象ですが、近年では海外のゲーム会社も人気の商品を多く制作しています。
日本では、学歴を重視する考え方が定着していますが、海外のゲーム会社は何ができるのかを重要視する会社が多いです。新卒による将来性は全く重視されず、明確なスキルがアピールポイントになります。
ゲーム業界への就職に必要な4つの能力
ゲーム業界に就職するにあたって、求められる人材のスキルや能力について解説していきます。面接や書類選考の際の、自己アピールの参考にしてください。
自分に足りないと思うものがあれば、就活期間で磨くことも考えましょう。
- 円滑な業務に必須な「コミュニケーション能力」
- どの職種でも重要な「プログラミングスキル」
- ユーザーの需要をいち早く掴む「トレンド把握能力」
- 過酷な業務にも耐えられる「ゲーム制作への情熱」
1:円滑な業務に必須な「コミュニケーション能力」
一見、必要のない能力に感じますが、コミュニケーション能力はゲーム業界でとても大切です。ゲームは、ディレクターやデザイナーなど、様々な職種の人が連携して創り上げるもので、そのために円滑なコミュニケーションをとる必要があります。
2:どの職種でも重要な「プログラミングスキル」
プログラマーだけではなく、どの職種でも持っていた方が良いスキルがプログラミングスキルです。ゲーム業界では即戦力を求められる傾向が強いため、プログラミングの知識があることは大きなアピールになります。
ゲーム業界の就活に必須な能力ではありませんが、就職後も他の職種とのコミュニケーションがとりやすくなるためおすすめです。
3:ユーザーの需要をいち早く掴む「トレンド把握能力」
ゲーム業界は、コロナ禍の影響も相まって、より需要が高まっている業界の1つです。世界中のユーザーのニーズに応えるために、常に変化しています。そのため、トレンドに敏感な人材や情報収集能力が高い人材は非常に需要があるでしょう。
4:過酷な業務にも耐えられる「ゲーム制作への情熱」
ゲーム業界は、全体的にスケジュールが厳しく業務量や残業時間が多いため、ゲーム制作に対する情熱がなければ続けられないでしょう。
ゲームが好きだという熱い想いや面白いゲームを制作したいという意欲があれば、就活の選考に影響したり、就職してからのモチベーションを維持することができたりします。
ゲーム会社への就職を目指す上でしておきたいこと
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ゲーム業界へ入ることは大変だと理解した上で、それでも就職したいという情熱を持っている人にしておいて欲しいことをまとめました。
現状の自分と比べて足りないものがあれば、就活までに準備する努力も必要でしょう。
- 面接や選考対策をする
- 就活スケジュールをきちんと立てる
- 面接でアピールできる資格を取っておく
- TOEICで600点以上のスコアを取っておく
1:面接や選考対策をする
ゲーム業界で他業種と異なる選考ポイントといえば、即戦力になるかどうかのアピールやポートフォリオなど自分の成果物を提出することでしょう。
面接では目指す職種にもよりますが、ゲームに対する情熱だけでなく、具体的にどのような業務に携わり、どのようなスキルを活かし、どう貢献できるかなどといった明確な貢献度が求められることが多いです。
ポートフォリオは、学歴や職歴を見る履歴書などと違い、自分の現段階での創造力やクリエイティブな技術をアピールできます。スキル評価で重要視される傾向があるため、就活前に力を入れて取り組みましょう。
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2:就活スケジュールをきちんと立てる
ゲーム業界は倍率が高いため、事前準備をしてアピールする機会を作れるように就活スケジュールを立てましょう。
例えば、大手パブリッシャーのような3月にエントリー開始の企業に就職したいのであれば、7月くらいから自己分析や企業を調べるといったような就活をスタートさせます。
また、インターンに参加することも、後に良いアピールポイントになるため、積極的に参加していきましょう。
長期休みがあれば、12月から1月くらいで提出する成果物を作成したり、周囲に添削してもらったりします。2月には履歴書を作成できるように、身だしなみを整えたり写真を準備したりしましょう。
3月になると様々な転職サイトなどでエントリーが開始されるため、忘れずに確認をしエントリーを行ってください。
3:面接でアピールできる資格を取っておく
競争率の激しい業界で勝ち抜くためには、他の人と差をつける必要があるため、ゲーム業界でアピールできる資格を取得することもおすすめです。まだ持っていない人はスキルアップのために勉強してみてください。
「基本情報技術者」の資格
国家試験の情報処理技術者試験の区分の1つである基本情報技術者は、ゲーム業界で就活する上で持っておいた方が良い資格です。
IT業界に必要な基本知識や情報処理の基本知識を学ぶことが可能で、比較的取得しやすい難易度になります。企業側からも最低限の知識を保持している人材であり、学ぶ意欲があると好意的に受け取ってもらえるでしょう。
出典:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験|情報処理推進機構
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/fe.html
アクセス日:2022.04.18
「応用情報技術者」の資格
基本情報技術者より専門性が高く、難易度の高い資格が応用情報技術者です。プログラマーを目指している人は、ぜひ挑戦してみて欲しい資格になります。学生や就活時にこの資格を保持している人は少なく、取得できればかなりのアピールになるでしょう。
出典:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験|情報処理推進機構
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/ap.html
アクセス日:2022.04.18
4:TOEICで600点以上のスコアを取っておく
TOEICは英語コミュニケーション力の試験で、世界中で実施されている資格試験であり、ゲーム業界で、あると良いとされているスキルの1つです。
600点以上のスコアを獲得できていれば、十分英語力が高いと判断してもらえるでしょう。試験自体も月に1度実施されているため、チャレンジしやすいのではないでしょうか。
出典:TOEIC|一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会
参照:https://www.iibc-global.org/toeic.html
アクセス日:2022.04.18
ゲーム以外の会社への就職を検討してみるのもあり
ゲーム会社は、未経験者を採用しているところもありますが、即戦力になる人材を求めている企業が圧倒的に多いです。そのため、他の業種で経験やスキルを身につけてから、ゲーム業界に挑戦するという方法も検討した方が良いでしょう。
出典:PIXTA
ゲーム業界への就職について、難易度や必要なスキル、スケジュールなどを紹介してきました。人気のある業界で、かつ高学歴や高スキルが必要なため、就職難易度は高いことが理解できたでしょう。
不安に感じてしまう人も多いと思いますが、解決策や就活までにしておくと良いことなども紹介してきたので、参考にしてください。
就活も就職してからも大変な業界ですが、やりがいは非常に感じられる仕事といえるでしょう。好きなことを仕事にできるよう、今から十分準備を行いましょう。

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