ソフトウェア業界を目指す場合、どのような能力が必要とされるのでしょうか。本記事ではソフトウェア業界で活躍する職種や、ソフトウェア業界を目指す上で必要とされる能力などを紹介しますので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
「ソフトウェア業界ってどんな業界なの?」
「ソフトウェア業界の職種にはどんな種類があるの?」
「ソフトウェア業界に就職したいけどどんなスキルが必要?」
このように、ソフトウェア業界に興味がある方の中には、さまざまな疑問や不安を抱えている方もいるのではないでしょうか。
本記事では、ソフトウェア業界の概要やソフトウェア業界で活躍する職種、ソフトウェア業界を目指す上で必要とされる能力などを紹介しています。
この記事を読むことで、ソフトウェア業界を目指す上で必要な、基本的な情報を知ることができます。また、ソフトウェア業界の最新の動向などもお伝えしますので、参考になるでしょう。
ソフトウェア業界の目指すために必要な能力などを知りたいと考えている方は、ぜひこの記事をチェックしてみてください。
ソフトウェア業界が持つ仕組み
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ソフトウェア業界とは、コンピューター上で使用するプログラムであるソフトウェアを開発している業界です。
ソフトウェアは大きく分けて、パソコンなどを動かすためのOSと、パソコンで利用されているオフィスソフトなど特定の業務で用いられるアプリケーションソフトがあります。
また、ソフトウェアの開発はクライアントのニーズに応じて開発する受託開発と、自社パッケージのソフトウェアを開発するパッケージ開発の2種類があります。
ソフトウェア業界の需要は?
現在はさまざまな業界でIT技術が求められるようになってきており、エンジニアの需要も高まっています。業務ソフトウェアや、アプリケーションソフトウェアなどを開発するソフトウェア業界の需要も非常に高いと言えるでしょう。
また、今後IT業界全体が発展していくのに伴い、ソフトウェア業界も規模を拡大していくことが予想されています。
最新のソフトウェア業界における5つの動向
IT業界は技術革新のスピードが早く、ソフトウェア業界も日進月歩で成長を続けています。また、現在の社会ではあらゆるITやソフトウェアが必須となっています。
ソフトウェア業界を目指す上で、ソフトウェア業界の最新動向にも注目しておく必要があるでしょう。ここでは、最新のソフトウェア業界における5つの動向を紹介していきます。
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1:クラウド化により市場規模が拡大している
IT業界全体としてクラウド化が促進されており、多くの企業がクラウドへ移行しつつあります。これまではパッケージソフトを購入してインストールすることが当たり前でしたが、近年ではクラウドサービスを利用することが主流となっています。
クラウドサービスであればユーザーは常に最新のソフトウェアが利用でき、インターネット環境さえあればどこからでもクラウド上のデータを利用できます。
このように、クラウドは利便性や安全性が高いことから、今後も市場規模が拡大していくと言えるでしょう。
2:IoTの普及によるシステム開発が進んでいる
IoT(Internet of Things)とは日本語で「モノのインターネット」と訳される言葉で、これまでインターネットに繋がっていなかったあらゆるものが、インターネットを経由して通信できるようにすることを指します。
近年では家電などあらゆるものでIoT化が進んでおり、今後はソフトウェア業界でもIoT化に対応した変化が求められることが予測されています。
3:MAの自動化システムによる最適化を目指している
MAとは「Marketing Automation」を略した言葉で、従来であれば人が行っていたマーケティング活動を自動化する仕組みを指します。MAを導入することで、見込み顧客へのメルマガ配信や開封率などの情報収集を自動化できます。
ソフトウェア業界ではMAの自動化システムにより、マーケティング業務の最適化を目指しています。
4:BIツールとしてのソフト開発が進んでいる
BIとは「Business Intelligence」を略した言葉で、BIツールとは企業が蓄積しているデータを整理し、経営に関する意思決定に活用するツールのことです。BIツールを導入することで、社内に散らばっているデータを収集、整理し、経営管理などに役立てることができるようになります。
近年ではBIツールが注目されており、ソフトウェア業界でも開発が盛んに行われています。
5:人手不足によって採用が積極的になっている
近年では、IT技術を利用していない業界や企業はほとんどないと言えるほど、業界の垣根を超えてIT技術が求められる時代になっています。そのため、IT人材の需要は年々増していますが、需要に対して供給が足りない状態になっているのも事実です。
今後も労働人口の減少によってIT人材不足が加速していくことが予測されていることもあり、ソフトウェア業界でも未経験者を含めた積極的な人材の採用が行われています。
ソフトウェアの5つの種類
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ソフトウェアとは、簡単にまとめるとパソコンやスマートフォンといったコンピューターを動かすものです。しかし、ひと口にソフトウェアと言ってもさまざまな種類にわかれており、それぞれ利用される用途も異なっています。
ここでは、ソフトウェアの5つの種類を紹介していくため、どのようなものがあるのか参考にしてみてください。
1:ミドルウェア
ミドルウェアとは、アプリケーションとOSの間で動作するソフトウェアのことです。基本機能を提供するOSだけではアプリケーションが正常に動作するための機能がカバーできないため、中間にあるミドルウェアによってサポートされています。
ミドルウェアの存在により、コンピューター上で複雑な処理が実現できるようになります。ミドルウェアは普段の生活で意識することはありませんが、エンジニアとしてシステム構築を行う上ではミドルウェアの知識は必須とされています。
2:デバイスドライバ
デバイスドライバとは、パソコンの周辺にあるハードウェアをOSで制御するための橋渡しを行うソフトウェアのことです。たとえば、キーボードやマウスといった周辺機器は、デバイスドライバがなければ使用することができません。
近年では、ハードウェアを接続したタイミングで自動的にデバイスドライバがインストールされる仕組みになっているため、ユーザー側でデバイスドライバのインストールなどを行うケースはほとんどありません。
3:OS
OS(Operating System:オペレーティングシステム)とは、パソコンやスマートフォンなどを動かすために必須となる基本的なソフトウェアです。OSの種類としては、Windows、mac OS、Android、iOS、Linuxなどの種類があります。
4:アプリケーションソフトウェア
アプリケーションソフトウェアとは、OS上で動作するある特定の目的を持ったソフトウェアのことです。一般的に「アプリ」と呼ばれているもので、スマートフォンで動作するものは「スマホアプリ」と呼ばれています。
また、パソコン上で動作するExcelやWordなどのオフィスソフトなども、アプリケーションソフトウェアの1種です。アプリケーションソフトウェアは、スマホやパソコンなどを便利に使用するために利用されています。
5:ファームウェア
ファームウェアとは、さまざまなハードウェアに内蔵されている制御を目的としたソフトウェアです。ICチップやメモリなどにあらかじめ組み込まれており、その機器以外では動作することはありません。
ファームウェアは本体内部にある回路や装置などの基本的な制御を行うソフトウェアで、代表的なファームウェアの例としては、パソコンに内蔵されているBIOSがあります。
ソフトウェア業界で活躍する7つの職種
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ソフトウェア業界で活躍している職種の多くは、ソフトウェアの設計や開発に携わる職種です。しかし、プログラマーやシステムエンジニアなどの技術職以外にも、営業やITコンサルタントなどの職種も活躍できる業界だと言えるでしょう。
ここでは、ソフトウェア業界で活躍する職種について解説していきますので、参考にしてみてください。
1:システムエンジニア
システムエンジニアとは、ソフトウェア開発における一連の業務すべてに携わるエンジニア職です。クライアントからのヒアリングや要件定義、ソフトウェアの設計などを行い、テストやその後の運用にも関わります。
システムエンジニアはクライアントのニーズを的確にくみ取り、設計を行う必要があるため、マネジメントスキルやコミュニケーションスキルなどが求められます。
また、システムエンジニア自身がプログラミングを行うこともあるため、プログラミングスキルも必要になるでしょう。
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2:ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニアとは、ネットワークの設計や構築、運用保守などを担当するエンジニア種です。コンピューター同士を連携させてネットワークを構築することが仕事になります。
ネットワークエンジニアには、ルーターやスイッチなどネットワーク機器やプリンターなどの周辺機器に関する知識も必要となります。
3:ソフトウェアを開発するプログラマー
ソフトウェアを開発するプログラマーは、クライアントに依頼されたソフトウェアのプログラミングを行う職種です。
開発プロジェクトにおける下流工程である実装の工程を担当する職種で、システムエンジニアが作成した仕様書をもとにプログラミング言語を使ってプログラムの実装を行います。
また、プログラムの開発だけでなくプログラムに潜むバグや不具合を見つけることもプログラマーの仕事です。
4:ゲームプログラマー
ゲームプログラマーは、ゲームの開発を行うエンジニア種です。ゲームもソフトウェアの1種であるため、ゲームプログラマーもソフトウェア業界で活躍できる職種だと言えます。
ゲームプログラマーはプログラミング言語を使ってゲーム開発を行ったり、ゲームが想定どおりに動くか検証を行ったりすることが仕事です。ゲーム開発にはアイデアが必要となるため、コミュニケーションスキルや発想力などが必要とされます。
5:業務系アプリケーションプログラマー
業務系アプリケーションプログラマーは、業務で用いられるシステム開発を行うエンジニア種です。企業で使用される、パソコンやスマートフォン用の業務アプリケーションの開発を行います。
たとえば、在庫管理システムや販売管理システム、基幹システムなど業務の中心となる重要なシステム開発を行います。
6:ITコンサルタント
ITコンサルタントとは、IT技術を活用して企業が抱えている課題解決を行う職種です。クライアントが抱えている課題を把握し、その原因を解決するためのITソリューションを提案します。
ITコンサルタントの仕事はエンジニアのように開発を行うことではなく、クライアントの課題解決です。そのため、IT全般の知識はもちろん、顧客の業界や業務内容に関する幅広い知識が求められます。
7:営業
営業は他の業界の営業職と同様に、自社のソフトウェアやIT製品、サービスの販売を行う職種です。ITコンサルタントと同じくIT製品によって顧客の課題を解決することが目的となるため、ITに関する知識や自社製品に関する知識が必須となります。
また、他の企業に提携を依頼することも営業の仕事となっており、受託開発の企業の場合は元請け企業に対して営業活動を行うこともあります。
ソフトウェア業界と関連のある業界
ソフトウェア業界に関連した業界として、「IT関連業界」「家電業界」「ゲーム業界」などが挙げられます。ここでは、ソフトウェア業界と関連のある業界について紹介していきます。
1:IT関連業界
IT関連業界にはさまざまな種類があり、ソフトウェア業界もIT関連業界の1つです。IT関連業界には企業のシステムの構築、運用を行う情報処理系の企業が多く存在しており、システム開発業務の一部としてソフトウェア開発も委託されています。
2:家電業界
家電業界が開発している家電の中にもソフトウェアが組み込まれています。
たとえば、人がいる場所に向けて送風するエアコンのシステムや、洗濯物の量に合わせてすすぎや乾燥などを自動的に調整する洗濯機のシステムなどにも、ソフトウェアが組み込まれています。
3:ゲーム業界
前述のとおり、ゲームもソフトウェアに含まれます。ソフトウェアをスマートフォンにダウンロードすればいつでも遊べるという手軽さもあり、ゲーム業界では近年スマートフォン向けのゲームソフトの開発が活発に進められています。
ソフトウェア業界を目指す上で必要とされる8つの能力
ソフトウェア業界ではソフトウェアの開発に携わることが多いため、ソフトウェア開発に関する知識やスキルは必須となります。また、他にもマネジメント能力やコミュニケーションスキルなど、求められる能力は多いでしょう。
ソフトウェア業界を目指す場合は、必要とされるスキルを身につけておくと良いでしょう。ここでは、ソフトウェア業界を目指す上で必要とされる能力を紹介していきます。
1:論理的な思考能力
エンジニアには論理的な思考能力は必須だと言われています。論理的な思考能力とはロジカルシンキングとも呼ばれており、物事を筋道立てて検討し、論理立てて矛盾のない結論へと導く考え方のことです。
ソフトウェアの設計やプログラミングを行う場合、論理的な思考ができれば複雑な構造のソフトウェアであっても効率的な設計や開発が実現できるでしょう。
2:コミュニケーションスキル
ソフトウェア開発は基本的に複数人でチームになって作業を行うため、コミュニケーションスキルも必要とされます。プログラマーの場合は他のメンバーと協力して作業を行うため、円滑な業務を行うためのコミュニケーションスキルが求められます。
システムエンジニアの場合はクライアントからヒアリングすることも仕事となるため、うまくコミュニケーションができるかどうかによって仕事の質も左右されるでしょう。
3:プログラミングスキル
ソフトウェア開発に携わるエンジニアになる場合、プログラミングスキルは必須です。直接開発に携わらないエンジニアであっても、技術的な知識は必要とされます。
開発するものによって用いられるプログラミング言語は異なりますが、ソフトウェア開発ではC言語やJavaなどの言語が採用されているケースが多いです。そのため、これらのソフトウェア開発に必要な開発言語を押さえておきましょう。
4:アプリを開発する能力
ソフトウェア開発を行うためには、単純なプログラミングスキルだけでなくアプリを開発する知識や能力も必要になります。
アプリにはスマホアプリや業務系アプリ、Webアプリなどさまざまな種類があり、開発対象によってそれぞれ必要とされる知識も異なります。ソフトウェア業界ではアプリ開発を行う企業も多いため、開発するアプリに応じたスキルを身につける必要があるでしょう。
5:マネジメント能力
ソフトウェア業界でも、キャリアを積んでいくとマネジメント能力が求められるようになります。最初はプログラマーなどの開発職としてソフトウェア業界で働いていたとしても、キャリアアップしていくためにはマネジメント能力が必要でしょう。
マネジメント能力とは、チームの人員やスケジュール、タスクなどを管理し、まとめ上げる能力のことです。ソフトウェア開発はチームで行われるため、メンバーを管理する役職にはマネジメント能力が必須となります。
6:システム関連を理解する能力
ソフトウェア開発を行う場合、情報システムに関する理解も必要とされます。ソフトウェア開発に携わるエンジニアはプログラミングなどの技術だけでなく、システム関連も理解しておきましょう。
ソフトウェア業界では、データがどのような流れで動いていき、どのような結果に繋がるのかといった情報システム全体を見る視点を持つことが大切だと言えます。
7:サーバー関連を理解する能力
ソフトウェアを利用する際はサーバーを用いることになるため、ソフトウェア業界で働くエンジニアにはサーバー関連の知識も必要になります。
サーバーにはアプリケーションサーバーやデータベースサーバー、Webサーバーやファイルサーバーなどさまざまな種類があります。ソフトウェア開発でもサーバーの知識が必要になるため、理解しておきましょう。
8:パソコンに関するスキル
ソフトウェア業界で働く人材にはパソコンスキルが必須となります。ただし、直接ソフトウェア開発に携わるエンジニアでなければ、オフィスソフトを使える、ブラインドタッチができるといった基本的なスキルがあれば問題ないでしょう。
Microsoftのオフィスソフトのスキルを身につけたい場合は、MOSなどの資格取得を行っておくと良いでしょう。
ソフトウェア業界の将来性
ソフトウェア業界は今後もITの発展に伴い、成長していくことが予想されています。現在広まりつつあるテレワークなどでもソフトウェアの需要は増していますが、今後も働き方は変わっていくでしょう。
このように、目まぐるしく変わる世間のニーズに対応するためには、よりスピーディなソフトウェアの開発が求められるようになるでしょう。そのため、今後は企業により貢献できるようなスキルを持ったエンジニアの需要が高まると言えます。
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ソフトウェア業界についての理解を深めよう
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ソフトウェア業界では、さまざまな職種がスキルを活かして活躍しています。エンジニア系の職種が多いですが、営業など他の職種でも活躍できるでしょう。
ぜひ、本記事で紹介した最新のソフトウェア業界における動向や活躍する職種、ソフトウェア業界を目指す上で必要とされる能力などを参考に、求められる知識やスキルを身につけてソフトウェア業界への就職を目指してみてはいかがでしょうか。

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