フルスタックエンジニアとはどのようなエンジニアなのか知りたいという方もいるでしょう。本記事ではフルスタックエンジニアの概要や求められるスキルなどを紹介しています。フルスタックエンジニアについて知りたい方はぜひ参考にしてください。
「フルスタックエンジニアってどんなエンジニアのこと?」
「なぜシステム開発の現場ではフルスタックエンジニアが求められているの?」
このように、フルスタックエンジニアと呼ばれるエンジニアについてさまざまな疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、フルスタックエンジニアの概要やフルスタックエンジニアが求められる理由、フルスタックエンジニアの仕事内容などを紹介していきます。
この記事を読むことで、フルスタックエンジニアがどのような業務を行うエンジニアなのか把握できます。また、フルスタックエンジニアに必要なスキルや知識なども紹介しますので、フルスタックエンジニアを目指しているという場合には参考になるのではないでしょうか。
フルスタックエンジニアについて詳しく知りたいと考えている方は、ぜひこの記事をチェックしてみてください。
そもそもフルスタックエンジニアとは
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フルスタックエンジニアとは、システム開発などに必要なさまざまなスキルを持ったエンジニアのことです。明確な定義はありませんが、一人で何役もこなせるような万能性を持ったエンジニアのことをフルスタックエンジニアと呼びます。
通常であればエンジニアそれぞれが自分の技術分野を担当して分業体制でシステム開発を行いますが、フルスタックエンジニアであれば一人で複数の分野を担うことができます。
フルスタックエンジニアは必要?
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通常のシステム開発の現場では複数のエンジニアがチームを組み、それぞれの専門分野を担当することで開発を進めていきます。しかしフルスタックエンジニアが一人いれば、それだけ人件費の削減にもつながるでしょう。
そのため、多くの開発現場でフルスタックエンジニアは必要とされています。
フルスタックエンジニアが求められる4つの理由
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フルスタックエンジニアがプロジェクトに参加していれば、多くのエンジニアを雇う必要がなくなります。そのため、人件費の削減にもつながるだけでなく、開発スピードもアップさせることができるでしょう。
この他にも、フルスタックエンジニアが求められる理由があります。ここではフルスタックエンジニアが求められる4つの理由を紹介していきます。
- 言語のトレンドに左右されない
- 開発のスピード向上が可能である
- 人件費削減が見込める
- システム全体を担える
1:言語のトレンドに左右されない
プログラミング言語にはさまざまな種類があり、時代によって需要の高い低いやトレンドなどが変わります。そのため、一種類の言語しか扱えないエンジニアの場合、言語の需要がなくなれば仕事を失う可能性もあるでしょう。
しかし、さまざまな言語を習得しているフルスタックエンジニアであれば、言語のトレンドに左右されることもありません。そのため、特定の言語の需要がなくなったとしても、影響を受けることはないでしょう。
2:開発のスピード向上が可能である
規模が大きな開発プロジェクトの場合、さまざまなエンジニアが開発に関わることになります。人数が増えれば増えるほど引き継ぎや情報共有にも時間がかかることになり、トラブルが発生する可能性も上がります。
しかしフルスタックエンジニアを中心に少人数で開発を進めた場合、そういったトラブルが発生する可能性も少ないことから、開発スピードをアップすることができるでしょう。
3:人件費削減が見込める
通常の開発プロジェクトでは、データベースはデータベースエンジニア、サーバーはサーバーエンジニアといったように、それぞれの専門分野を担当することになります。
しかしフルスタックエンジニアであれば、一人で複数の異なる分野の業務を担うこともできるため、人件費を削減することができるでしょう。
4:システム全体を担える
システム開発に必要な複数分野の知識やスキルを保有しているフルスタックエンジニアであれば、システム全体を担うことも可能です。
近年では海外の人件費が安いエンジニアを登用するケースが増えていることもあり、国内のエンジニアには以前よりも付加価値が求められています。そのため、多くの企業で幅広い業務を担えるフルスタックエンジニアが求められるようになってきています。
フルスタックエンジニアの仕事内容
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実際にフルスタックエンジニアがどのような仕事を行っているのか、イメージしにくいという方もいるでしょう。
ここではフルスタックエンジニアの仕事内容を紹介しますので、どのような業務を行っているのか参考にしてみてください。
- スマホアプリの開発
- バックエンドの開発
- インフラ構築・保守運用
- フロントエンドの開発
1:スマホアプリの開発
フルスタックエンジニアはiPhoneやAndroidで使用するスマホプリの開発に携わるケースがあります。スマホアプリはiPhone用とAndroid用で使用する言語が異なるため、一般的にはiPhone用とAndroid用で開発担当者が異なるケースが多いです。
しかし、フルスタックエンジニアであれば、どちらのアプリも一人で開発することが可能になります。
2:バックエンドの開発
バックエンドとはユーザーからは見えない部分の処理を指します。一般的にバックエンド部分の開発を行うのはバックエンドエンジニアの仕事ですが、フルスタックエンジニアがいればバックエンドの対応も可能になります。
フルスタックエンジニアであれば後述するフロントエンドの開発も可能なため、ECサイトやアプリなどの開発作業がより円滑に進むでしょう。
3:インフラ構築・保守運用
インフラ周りの業務は、ネットワークであればネットワークエンジニア、サーバーであればサーバーエンジニアというように、担当が分かれるケースが多いです。
このようなインフラ構築や保守運用などの業務をフルスタックエンジニアが担うことで、個別のインフラ担当者に頼る必要がなくなるでしょう。また、トラブル発生時に他のインフラ担当者の対応を待つ必要もなくなります。
4:フロントエンドの開発
フロントエンドとはバックエンドの反対で、ユーザーの目に直接触れる部分のことです。フロントエンドの開発では、Webデザイナーが作成したデザインをもとに画面を作成したり、中身のコーディングを行ったりします。
一般的にフロントエンドの開発を行うのはコーダーやフロントエンドエンジニアの仕事ですが、フルスタックエンジニアがいればフロントエンドの開発も可能になります。
フルスタックエンジニアの年収相場とは?
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フルスタックエンジニアは特定の業務を行うエンジニアではなく、明確に定義されているわけでもないため、フルスタックエンジニアの平均年収などは不明です。
しかし複数の技術分野に精通したフルスタックエンジニアであれば、高度な技術を持ったアプリケーションスペシャリストなどと同等の年収を獲得できるでしょう。そのため、保有するスキルにもよりますが、600万円以上の年収は得られる可能性が高いです。
フルスタックエンジニアに必要な8つのスキル・知識
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フルスタックエンジニアは多くのスキルを保有し、幅広い役割を担うことができるエンジニアです。そのため、求められるスキルや知識も非常に高度な内容となります。
ここではフルスタックエンジニアに必要な8つのスキルや知識を紹介していきますので、フルスタックエンジニアを目指す方はぜひ参考にしてみてください。
- OS・ミドルウェアに関するスキル・知識
- クラウドサービスに関するスキル・知識
- バックエンド開発に必要なスキル・知識
- アプリケーション開発に必要なスキル・知識
- フロントエンド開発に必要なスキル・知識
1:OS・ミドルウェアに関するスキル・知識
フルスタックエンジニアはアプリケーションの開発や運用を担うことになるため、コンピューターのOSやミドルウェアに関する知識が必要です。Windowsやmac OS、LinuxやAndroidなどのOSについて理解しておきましょう。
また、中間ソフトであるミドルウェアについては非常に多くの種類が存在するため、代表的なミドルウェアを操作できるようになっておくと良いでしょう。
2:クラウドサービスに関するスキル・知識
近年ではクラウドサービスを利用して開発を行う企業が多いため、フルスタックエンジニアにもクラウドサービスに関する知識やスキルが必要です。クラウドサービスと一言で言っても、その種類は提供するサービスの範囲によってSaaS、PaaS、IaaSなどにわかれます。
目的によってどのサービスを利用するのか変わってくるため、幅広い知識を持っておくことが大切です。
3:バックエンド開発に必要なスキル・知識
フルスタックエンジニアはフロントエンドやバックエンド周りの開発をするケースも多いため、バックエンド開発に必要な知識やスキルも押さえておきましょう。
バックエンドの開発で使用する言語には、Java、Ruby、PHPなどがあります。また、インフラ周りの知識も習得しておきましょう。
4:アプリケーション開発に必要なスキル・知識
フルスタックエンジニアはWebアプリやモバイルアプリの開発を行うケースもあるため、アプリケーション開発に必要な知識やスキルを押さえておきましょう。
アプリ開発ではSwiftやKotlin、Javaなどの言語を使用するケースが多いため、習得しておくようにしましょう。
5:フロントエンド開発に必要なスキル・知識
フルスタックエンジニアはフロントエンドやバックエンド周りの開発をするケースも多いため、フロントエンド開発に必要な知識やスキルも押さえておきましょう。
フロントエンドとバックエンド開発両方のスキルを持ったフルスタックエンジニアがいれば、それぞれ別に担当者がいる場合よりもスムーズな開発が可能になります。言語としては、HTMLやCSS、JavaScriptなどを使用します。
フルスタックエンジニアになるための3つのポイント
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ここまで紹介したとおり、フルスタックエンジニアには多くの知識やスキルが求められます。それでは、フルスタックエンジニアになるにはどのようなポイントを押さえればよいのでしょうか。
ここでは、フルスタックエンジニアになるための3つのポイントを紹介していきます。
1:スキルアップを怠らない
フルスタックエンジニアは常に需要のあるスキルを持っている必要があるため、スキルアップを欠かさずに行うことが大切です。たとえ幅広いスキルを持っていてもどれも中途半端な状態では、企業が求めるフルスタックエンジニアになることはできません。
そのため、現在の担当業務で必要になりそうなスキルがあれば、常に学ぶ姿勢を持つことが重要です。
2:最新の情報を取り入れる
IT業界は情報の移り変わりが激しく、いつの間にか技術トレンドが変わっていることも多いです。そのため、フルスタックエンジニアは常にアンテナを張り、新しい情報をキャッチアップすることが大切です。
業界全体を俯瞰して見られる広い視野を持ち、最新の情報をキャッチできるようにアンテナを張っておきましょう。
3:複数の専門分野のスキル・知識を習得する
フルスタックエンジニアには複数の専門分野の知識やスキルが求められます。システムの開発業務をすることもあれば、同時にサーバーやネットワークなどのインフラ整備を行うこともあるでしょう。
そのため、少しずつでも複数の専門分野について学び、複数の分野に精通した人材になることが大切です。
フルスタックエンジニアの転職先とは?
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フルスタックエンジニアは多くの企業で需要がありますが、即戦力を求めている企業に転職しやすいでしょう。
フルスタックエンジニアはシステム開発における多くの領域を対応できるため、AIエンジニア・クラウドエンジニア等の専門職やコンサルタントなどへの転職も選択肢になります。
また、ベンチャー企業の場合は少数精鋭でスキルのある人材を求めているケースも多いため、一人で何役でもこなせるフルスタックエンジニアであれば、非常に良い待遇で転職できる可能性があります。
フルスタックエンジニアの今後は?
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IT人材は需要に対して供給が足りない状態にあるため、多くのIT企業が人材不足の状態です。そのため、一人で幅広い業務を担えるフルスタックエンジニアは今後も高い需要が期待できると言えるでしょう。
また、現在でもフルスタックエンジニアは市場に少ない状態となっているため、今後もフルスタックエンジニアの市場価値は上がっていくと言えるでしょう。
フルスタックエンジニアについて理解しておこう
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フルスタックエンジニアには幅広い知識やスキルが求められます。その分、一人で複数の業務をカバーできるフルスタックエンジニアには、高い需要や将来性があります。
ぜひ本記事で紹介したフルスタックエンジニアの仕事内容やフルスタックエンジニアに必要なスキルや知識などを参考に、フルスタックエンジニアを目指してみてはいかがでしょうか。

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