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【業界座談会#3】大手外資コンサル社員が業界の現状と就活対策について語る「覆面座談会」4/4

全4回の連載でお届けしてきた外資コンサル座談会も今回がいよいよラスト。最後のテーマは、皆さんが一番気になっているであろう外資系コンサルティング企業の面接対策です!厳しい選考をくぐり抜けた外資コンサル現役社員の皆さんに、実例を交えながらどのように対策をしていたのかを伺っていきます。

座談会に参加していただいた方々のプロフィール

・Aさん(男性)外資系コンサルティング企業A 一橋大学商学部卒 新卒入社
・Bさん(女性)外資系コンサルティング企業A 早稲田大学文化構想学部卒 新卒入社
・Cさん(男性)外資系コンサルティング企業B 某私立大学卒 中途入社
・Dさん(女性)外資系コンサルティング企業C 慶応義塾大学SFC総合政策学部卒 中途入社
・Eさん(男性)外資系コンサルティング企業D 神戸大学卒 中途入社

深堀りされたら、まずはその「意図」を考えよう

司会:では、いよいよ外資系コンサルティング企業の面接について伺っていきます。なかなか手強いイメージがありますが、どのように面接に挑んでいたのかお聞かせいただけますか。

Aさん私は、面接ではひたすら主張し続けました(笑)。自分がどういう人間かを伝えたかったので、それを最大限主張しましたね。

司会:面接官とのやり取りで、印象的だったシーンはありますか? 

Aさん私が話したエピソードについて、3時間かけて深堀りされたことがあります(笑)。「Why so?」(なぜそうなのか?)、「So What?」(それが、どうした?)という2軸でどんどん質問されました。面接時間は1時間の予定だったので大幅な延長でしたが、言いたいことを全て言い切ったという意味では印象的な面接でした。

司会:さすがロジカルシンキングを大事にする外資系コンサルティングの面接ですね。

Aさん就活生の皆さんには、面接の際に「面接官の反応が何を意図しているか」ということをぜひ意識してほしいですね。相手が知りたいことを察知し、上手くコミュニケーションを取れるかどうかも見られています。
ちなみに話の深堀りには、大きく2つのパターンがあります。その話の前後を詳しく聞くパターンとその話の中で足りない情報を聞くパターンです。前者は、相手がその話に関してもっと詳しく知りたいという場合に多いですが、後者は論理的に説明しきれていないので不足している情報を埋める必要があるということです。深堀りされたら、このことを意識して回答をするようにしましょう。

Bさん:面接で手ごたえがあったと感じたのは、「学生時代に頑張ったこと」や「何のために働きたいか」など、就活でよく聞かれる質問をされた際に、面接官と会話するようにスムーズに自分の考えを伝えることができた時です。こういう頻出質問に対しては、どう答えるかを事前にまとめておいたので。
逆に失敗エピソードとして覚えているのは「最近興味のあるビジネスは何ですか?」という質問をされた時に、全く準備しておらず答えることができなかったことですね。もっとしっかり想定問答のシュミレーションをしておくべきだったと思います。

司会:なかなかリアルですね。面接官とのやり取りで、何か印象的なエピソードがあれば教えていただけますか?

Bさん:今の会社を受けた時、面接終了後に面接官に「君はビジネスについて詳しくなさそうだけど、人の懐に入れそうなところがいいね」と言われたことがあります(笑)。

司会:面接を通過するポイントとして、地頭の良さや倫理的思考能力、相手のニーズを読んだコミュニケーション能力などが挙がっていましたが、人物キャラクターも採用理由になるということですね。Bさんの資質が企業とマッチしたんだと思います。

最終的に熱意をアピールすれば何とかなる!?

Cさん新卒や第二新卒の選考ではフェルミ推定面接があります。フェルミ推定というのは、例えば「日本には電信柱が何本あるか」というようなお題が出されて、10分くらいで答えを推測しプレゼンするというものです。
ちなみに私は第二新卒で選考を受けたのですが、私の面接ではフェルミ推定ではなく、普段はあまりおこなわれないケース面接が実施されました。面接官の方はとてもフランクに質問をしてきたのですが、フェルミ推定面接を予想していた私は、突然のケース面接にびっくりしてしまいました(苦笑)。

司会:そのケース面接の狙いについてはどう思われますか?

Cさん私の前職は金融機関だったので、わざとフェルミ推定面接ではないテーマを出したんだと思います。コンサル業ではよくあるテーマを与え、瞬時にコンサル案を立案できるかどうかを見たかったのではないかと思います。要は地頭がいいかどうかを判断されたのかなと。

司会:面接内容に幅をもたせることにより、頭の回転の速さや柔らかさをチェックしているんですね。ところで、ケース面接はどのような内容だったのですか?

Cさん「ある宿泊施設の売上を上げるには、どうしたらいいか?」というものでした。正直、全くわかりませんでした(笑)。

司会:どう回答したのですか?

Cさん本当にわからなかったので、根拠のない定性的なアイディアを答えました。そうしたら、すごく怒られました(笑)。次の面接で、テーマ面接の失敗を挽回すべく「私は一生懸命仕事をします!ぜひ入れて下さい!」と猛烈にアピールしました。

司会:革新的なアプローチ手法ですね(笑)。どんな面接対策本にも載っていないと思います。しかし、外資系コンサルティング企業にも営業部門があり、「何でもやります」という人は一定のニーズがあるんだと思います。

企業が求める人材は、ずば抜けた能力を持つハイスペック人間だけではない

Dさん私の経験が就活の学生さんに生きる部分としては、外資系メーカーから外資系コンサルに転職した時のプロセスだと思います。この時は転職エージェントを活用したのですが、エージェントに外資コンサルが何を求めているのかというのをかなりヒアリングしていました。その情報をもとに、じゃあ自分は将来外資コンサルでどういうことをしたいのかということを一生懸命考えましたね。

司会:そして見事外資コンサルの内定を獲得されるわけですが、その採用プロセスにおいて、前職の経験が買われた部分はありますか?

Dさん私の場合は、重要視されていなかったと思います。

司会:では、どういった部分を買われたのだと思いますか?

Dさんバランスだと思います。私はそんなにハイスペックではないですが、ある程度の地頭力があって、ある程度のコミュニケーション能力があって、ある程度の社会人経験があるというミックス型です。そのような能力をまんべんなく持ち合わせ、プロジェクトを遂行していく人間が必要だと評価されたんだと思います。

司会:そう思われる根拠は何でしょうか?思い当たるシーンかなにかあったら、教えて下さい。

Dさん私、実は数学がすごく苦手で、桁が多い数字だと計算ができなくなるんです(笑)。それが原因で1回面接が上手くいかなかったことがありました。ところがその次の面接にも呼ばれたので、多分これは頭の良さではなく、コミュニケーション能力や愛嬌が評価されたんだなと正直思いました。
また、最終面接には共同経営者であるパートナーがいて「君は芯が強そうだね。僕の目を絶対そらさないよね」と言われました。この言葉を聞いて、彼らは体力面でも精神面でもタフな人間を求めているのだなと思いました。面接で応募者が随所に見せるしぐさなどから、タフさや想いの強さを見抜くんだと思います。皆さんご存知のとおり、外資コンサル業界は基本的にハードワークで、若手とかは平気で2時とか3時まで働きますから。私の場合は中途入社ですが、人材に求める基本的な資質は、新卒と共通する部分も多くあると思います。

司会:ありがとうございます!外資系コンサルティング企業の面接官は、今まで自社で活躍してきた人材を参考に、理想の人物像の属性を設定しているのだと思います。著名投資家のバフェットではないですが、長期リターンを狙える人材の骨格もチェックしているのでしょうね。

皆様、本日は長時間に渡り貴重なお話をいただきありがとうございました!従来の外資系コンサルティング企業のイメージ通りのエピソードもあれば、意外性のあるエピソードもあったと思います。就活生の皆さんにはこれらの情報を活用していただき、内定獲得に少しでもお役に立てれば幸いです。お疲れ様でした!

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草地稔

司会・執筆:草地稔

大阪生まれ。立教大学経済学部卒業後、リクルートに入社。広告ディレクターとして10年修行積む。日本経済新聞社主催環境広告ポスター展で優秀賞受賞。その他社内の広告賞受賞多数。その後インターンシップ企業でフリーペーパーを創刊し、4年半で10万部まで伸ばす。編集部在籍の学生の就活サポートを実践し、電通、三菱商事、リクルート他有名企業へ続々と内定した。この時、学生時代の実績作りとPR方法で就活の結果が全く異なることを実感する。その後ベンチャー企業や上場企業の取締役を経て、株式会社DAWDYを設立。現在、Web企画の運営、オウンドメディアのプロジュースを中心に活動している。